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潜る


魚の背中に乗って
わたしは今日 旅に出る
行く先は 自分



ぶくぶくと音立てながら
深く深く潜る
息が苦しくて 心臓が止まるかどうか
それでもまだまだ まだまだ潜る
どこまでも続く深い底へ


ここまできたら 不思議と息ができる
暗蒼の世界 キーンと静寂の音がする
危険に満ちたその場所で そっと凝視する目
見えてくるのは 本当に存在するものなのかも分からない


自分の全器官を使って 確かめろ

善か 悪か
害か 利か
偽か 真か
劣か 優か
失か 得か

神経を集中させて 感じろ 考えろ 
他人じゃなく自分の 
自分にとっての それは何だ

嬉 悲 喜 癒 憧

望 悔 優 友 愛

好 繋 継 生 死


暗線から明線へ
見えてくるもの まだ見えぬもの
でも見ようとしなければ なにも見えないということ
自分に都合のいい光ばかりじゃないけれど
見えてくるものが必ずあると知っている



ぷはぁ〜


思いきり息を吸う 思いきり息を吐く
見えたもの 見えなかったもの
見えなかったものは また探せばいい

そうやって私は 私に潜る








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