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死者と一緒に見る景色


お盆に富士河口湖灯籠流しのライブ映像をみた。
高校時代からの地元の友人が教えてくれたのだった。
彼女は私が書いた 木漏れ日 で祈りを届けてくれた人。

ライブ配信が始まる時間、ちょうど1人の時間が出来たので
静かにそのサイトで配信を待った。

私には これ といった宗教観は無い。
それでも 信頼できる友人 が教えてくれたそれを
とてもピュアな気持ちで見たからだと思う。

夕闇が迫る富士山をバックに、河口湖に浮かぶ色とりどりの灯籠。
響くお経の声。(宗派とか、そういうのは全然分からなかったけど)

みんなを心の中で呼んでみた。
お父さん。大好きだった叔父さん。父方のおじいちゃん、おばあちゃん。
母方の正雄おじいちゃんとていおばあちゃん。それから飯山の正受庵の寛道さん。今年亡くなった、母と仲良くしてくれていた石井さんというおじさん。
それから面識はないけれど、友人の亡くなったお父様。
みんなを呼んで、一緒にその風景を見た。



そうしたらね、声が聞こえた。
みんな、すごく笑顔で
きれいだねぇ〜って。
連れてきてくれてありがとうって。
なんか、みんなと旅行に行って、きれいな風景を見ている気がして
母や姉や弟を連れて来れなかったことを少し残念に思うほどの
(死者ではないのでね、当たり前だけどね。笑)
すごくすごくいい時間だった。

綺麗なドローン撮影もあったから、みんなで俯瞰で見ているような感じだった。
私の中では、父方のおじいちゃんおばあちゃんも笑って、いい笑顔を見せてくれていたのが、なんだかとても嬉しかった。

もともととても晴れて天気の良い日には、よく父と叔父さんには「今日はそっちもゴルフ日和だね」なんて声を掛けているけれど、こんなに大勢で、みんなできれいな風景を見れたことが嬉しかった。


見終わって、ああ、いい時間だったなぁと思った。
友人に報告のメールと、教えてくれてありがとうと伝えた。

とても貴重な経験をさせてくれた友人に感謝。
そして、私の中では今までで1番良かった『お盆の向き合い方』だった気がする。
また来年も同じ気持ちで、一緒にあの景色を見たいなと思う。




*文中に書いた飯山の正受庵の寛道さんとの出会いはこんな感じです。
 お時間があれば是非。










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