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肩書き 〜 自分は何者か?


自分は何者かを示す言葉は難しい。

アーティスト
クリエーター
作家さん(敢えて作家「さん」)


人に何かを伝える時に、
自分が何かをしていて何者かを伝える時に、
どうしても「肩書」が必要になったり
何かの言葉で表現しなくてはいけない時が、ある。

職業通りの肩書もあれば、自称もある。
なりたい、目指したいソレを肩書きとして
自分に掲げている人もいる。


昔はソレにすごく悩んだ。


自分は何者か?


正確には「革のバッグを作っている」ので
職人?レザークラフター?流行りの「作家さん」?
どれも全く居心地が悪かった。

他人が私を表現する分にはどうでもいい、とすぐに思った。

ただ、私自身が私を表現する時に、
本当に困ったし、正直どれも気持ちが悪かった。
私はどこぞで作り方やなんやかんやを学んだり修行したわけではない。
全くの独学だ。私は独学ということに引け目は感じていないが、
説得力に欠けるなぁと思ったことはある。

ただ、物というのは作り手がいて、
実際にお金を出して購入してくれた人が満足して
喜んでくれれば成立する物だと思っているので、
恐れを知らず、格好付けていい切ってしまえば
「物が全て」だと、そう思ってやってきたし、今もその延長上にいる。







昔、自分のことを『気持ち悪くない肩書を付けないで表現する』には
どうしたらいいのか、散々迷った時に、同じような仕事をしている人の
サイトを覗きに行ったことがある。
「アートディレクター」とか「クリエイティブデザイナー」とか
他人様の表現だからどうでもいいんだけど、
ちょっと悪寒漂うその言葉に正直吐き気がしたし、
(どうでもいいと言いながらも、なんとも失礼な話ですみません)
「ハンドメイド作家」という言葉にもその当時は拒絶感を覚えた。

もともと「プリン」が「プリン」なんて名前で呼ばなくても
相手に伝わればそれでいいじゃないというくらい、天邪鬼というか
適当というか、どうでもいいと思っているような人間なので、
自分の肩書きなんて本当はどうでも良かった。


年齢とともに、そういうこだわりも薄くなって
今では最初に書いたように、本当の本当に
「自分以外の他人様がどう表現していても、どうでもいい」と
思えるようになった。


ただ今日、ここで書きたいのは

『人に何かを伝える時に、
   自分が何かをしていて何者かを伝える時に、
   どうしても「肩書」が必要になったり
   何かの言葉で表現しなくてはいけない時が、ある。』


ということ。

いや、表現しなくてもいい場所で表現している人は
自分でそうしたいんだから、それはそれでいいのだけれど、
「表現しなければいけない時」っていうのもあるんじゃないかという話。
その時に、例えば「ハンドメイド作家」と書いている人がいても
それに目くじら立てないであげて欲しいなということ。


「手作り作家」とか「ハンドメイド作家」という言葉に
嫌悪感や抵抗や「にわか」という表現まで付けて批判する人が結構、いる。
私は自分を一度もそう呼んだことはないけれど(これからもないけれど)
その瞬間、とても重い圧を相手に向ける。
他の肩書きでもそう。「アーティスト」とかもそうかな。

なんでみんな、そんなに他人に厳しいのだろう?
人生かけてとか、魂削ってとか、そういうからにはレベルがどうとか、
作品というからには誇りを持てとか、、、
・・・別にいいじゃん。
そう思ったなら、心の中で思っときゃいいじゃん。
誰かと共有しなくったって、吐き出さなくたっていいじゃん。
じゃああなたは何者ですか?と聞けば
「私は何者でもないから・・・」と言うだろう。
いや、何者でもないのではなく
「自分が何かをしていない」だけだろう。
そのことが悪いのではなく、その違いを分かって欲しい。


この世の中って仕方がないけど、なんでも分類する。
不動産に電話すれば、今日だって言われたよ。
「奥様のおっしゃっている物件は、、、」って。
私、奥様とか言われるの、すごく嫌いだし、抵抗あるのに
でもしょうがないじゃん。向こうだって困るでしょ。悪気無いでしょ。
まぁ、私は既婚者なので、世にいう「奥様」っていうやつだけど、
相方を「旦那」とか「主人」っていうのも抵抗あるけど
しょうがないでしょ、そういう世の中なんだから。


結局、肩書きとか言葉って
その人がどのくらい「言葉」に敏感かどうかだったりするし、
それは本当に人それぞれに捉え方が違っていて
状況や立場やイメージや、嫌でも使う場合もあれば
勝手に分類されてしまうものまで、色々なんだと思う。
だからそれが全てではないのだと思う。

どちらにしても、なるべくまあるく生きようよ。
まぁ、あるよ。
胡散臭いなと思うような肩書きなんて溢れるくらいに。
そういうのは置いといて、の話。


因みに私は自分を「ものを作る人」と表現している。
ま、そもそもここ数年、別に自分をかしこまって
表現しなくちゃいけない状況に陥っていないので
全く使っていないけども。

その言葉や肩書きの『上っ面』なんてどうでもいい。必要以上にこだわることもないし、その言葉に恐れ慄くのも違う。ましてやそれを批判したり、圧をかけたり、そういうのはやめよう。

もっと優しくいこうよ。



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Shiho
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