君の歩む その道の先に
大きな岩が立ちふさがり
迂回することも
乗り越えることも険しく
立ち止まることもあるだろう

標(しるべ)は知る道を示すけれど
君はその道を歩む必要はない
標の先が今もあるとは限らない
待っていれば岩が朽ちるかもしれない
舗道も荒れ野も 好きに選べばいい

道すがら足踏みするのも良いだろう
君が歩いた道が腐ることはない
時々 振り返ってみるといい
通った時にはわからなかったけれど
美しい花に気づくだろう

頂(いただき)に近づくにつれ道は
さらに険しくなるだろう
進めば進むほど 頂へは遥かに感じ
君が備えた武器は通じなくなる
それでも前に進むしかない

やがて頂に届かないことを知ったら
あとに続く者へ標をたててほしい
あとの者が その先へ進めるように
あとの者が あの道へ進まないように

そしてさいごに
忘れずに見上げてほしい
どこから見ても 月は美しいのだから

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