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耳かきしていると耳の中が傷だらけ

いわずもがな”耳かきゃー”の人たちは、耳垢を取ることよりも耳の中をカリカリすることに快感を覚え、たとえ耳垢があまり取れなかったとしても幸福を感じています。

耳かきをやってはいけない理由は知ってるんだけど(耳垢は代謝とともに自然と外側へ押し出されるため、耳かきをしなくても小指の爪でこすり取る程度で十分)、そんなことはともかく、やれ聞こえづらいだとか、水が入ったとか言い訳をして、人は耳かきをするのです。

普段掻くことができない場所を軽くこする時の快感。
それに集中するためそっと目を閉じ、心の目で見て耳の中を探索するので、既に耳の穴の形はいつでも描けるくらい明確に、脳内3Dmapに記録されています。なので実際に見る必要はありません。「耳かき専用カメラ」なんてものは必要ないのです。

ただ、耳の中の形は明確に見えているとはいえ、耳垢がどこにあるか、それを把握するのは至難の業。耳垢の種類によって、そこはもう耳かきのし過ぎでかさぶたになっていて、耳かきでこするとコリコリと音がする。まあ、そこまでいくと末期症状(耳かき依存症)なので病院に行ってください。

耳かきを推し進めると、いやめったなことではないのだが、耳の大きさに似つかわしくないサイズの巨大な耳垢が取れることがある。小さな細切れの集団ではなく、一枚の大きな砂金が上がってくる。重要なのはそれを耳の穴から取り出し、あの小さいさじから落とさないように、けん玉の先へ玉を入れる時の空気よりも慎重に、そっと目の前へと持ってくる。ここまでできて初めて人は大人になったと言えるのです(年齢は関係ありません)。

日常的な快楽と、さらには、非常に確率の低い時々やってくる大当たり(大人にもなれる)、これはギャンブルに他なりません。
ただ投資するのは金銭ではなく、自身の身ひとつ故、たとえそれで片耳が難聴になったとしても、借金に追われ家族も友人も失くすと言った後をひくものではありませんので、安心して身を削って耳かきに勤しんでください。

確率的には毎日耳かきする人よりも、良く食べてよく寝て身を清め祈り、週1くらいに耳かきを控えている人の方が大当たり率が高いそうですよ!

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