#私が服を好きになった理由

「#私が服を好きになった理由」というツイッター上でのリレーブログをTetsuyaHagiyama (@Hagy_e)さんからバトンを受け取りましたので僭越ながらもお話ししたいと思います。

誰?

私は岡山県のジーンズメーカー(名前は一流、給料は三流)で社会人スタート。11年ほど京都営業所で関西と北陸地方のショップさんへのルート・卸売営業をしていました。20代全てこの会社で過ごし、ジーンズ業界にも嫌気が刺してニュージーランドへ渡航しましたが、結局「自分の居場所はこの業界だな」とよくあるフレーズで気付かされ、帰国後トップスメーカーなどを経て、現在も数社にまたがってアパレル業での物作りの活動、参画をしています。

携帯電話もインターネットも無い「学生時代」

今では考えられない時代ですが当時影響や刺激を受けるメディアは圧倒的にテレビ・映画・雑誌。

「かっこいい」定義はブランドの洋服を身につけたり、持つことのステータスであり、学生服を着てた少年は単純にそういった物への興味、好奇心がトリガーであったと記憶しています。

そして当時はDCブランドがもてはやされる時代。俳優や有名人が着ているのはそういう冠が付いたブランド。多感な少年はエロ本よりファッション雑誌を見てはバイト代やおこずかいから買える範囲のアイテムを手に入れて身につける事に満足感がありました。

登校時にDCブランドのシャツやスウェット、カーディガンなんかを制服の下に着用すると「おーあいつかっこいいな」となる低脳お洒落集団でした。

ブランド服を着ることでドヤ顔をし、全く似合っていなくてもブランドの服を身につけるだけで高揚感が得られる一種の麻薬です。

男性ファッション誌からの影響

当時はメンズノンノで阿部寛さんや風間トオルさんが人気で彼らが着用しているブランドのアイテムは理屈抜きで憧れを持って眺めていました。

雑誌からそのままの影響で特にポリシーがあったわけでもなくメンズビギ、ギャルソン、メルローズ、コムサ、ジュンやポッシュボーイやアバハウスなど、今思うと支離滅裂な買い物の仕方とコーディネートであったと思います。低脳ですから。

こういうブランドを主に河原町BALや河原町阪急、TIMESなんかを徘徊したものです。「ハウスマヌカン」「ショップギャルソン」という店員の視線と態度が少年にとってはオーラと威圧感があったのは忘れもしないです。

アメリカンカジュアルとの出会い

DCブランドの「ブランドネームだけでもうカッコイイ服」が僕らのステータスであった反面、普段着で僕らの時代の日常着や古着の定義は「安いから買う服」でした。もちろん、ユニクロもH&Mもしまむらもまだありません。

「アメリカ衣料三信」や「マルトミ」「TAKA-Q」

この辺りがデイリーウェア、デイリーユースの基本となっていました。

そしてたまには京都から大阪のアメリカ村の古着屋に行き、Tシャツやネルシャツ、スウェット、ジーンズなんかを物色しに行きます。

そうするとタメ口の店員が色々とそのブランドがどうだとか、ここの縫いがどうだとかジップはタロン社が良いとかの「うんちく」を聞いてもいないのに話しかけてきます。でも知識の無い僕らはそうして古着で流通していた海外のメーカーやブランドを覚えて、安いだけの古着と価値のある古着をいつの間にかきちんと頭の中で学習していたと思います。

それが原点として歴史やストーリーがあるメーカーやブランドが好きになって言ったのかな?なんて思います。アメ村の古着屋の兄ちゃんありがとう。

その頃からDCブランドの持つ価値やステータスと、カジュアルウェアの持つそれらは自分の中で各々で両輪となってTPOにあわせて購入したり着用する事が確立されてきたと思います。


服好きマインドは営業ツールになる

1990年代のジーンズメーカーの営業マンは超ダサかったです。入社したときに生意気にも「なんかダサいし暗い人ばかりだな」と思った印象があります。

別にその空気を変えようとしたわけでも無いのですが、制服の様に着用しないといけなかった自社の(ダサい)ジーンズに手持ちのアメカジブランドや海外ブランドのトップスやシャツ、ジャケットを併せて営業に行くのです。

するとお店の方からチェックされたりブランドの深い背景を教えて貰ったりと話題作りには事欠かなく、寡黙な方や気難しいジーパン屋の社長とのコミュニケーションのツールとなり会話が弾み「あー服好きで良かった」と思えたものです。

愛着をもって服を着る

若かりし頃は衝動買いも沢山し、安物買いの銭失いをしていたことが、結果自分にとって何が本当に必要かがわかる痛い勉強代でした。(完全に浪費)

少々自分の中で背伸びして購入したものは慎重にも選んでいるので必然的に愛着が湧きます。愛着が湧くと丁寧に着るし翌シーズンに衣替えをしたときに「またこれを着れる季節がきたんだな」 とワクワクします。

「もうこれ10年以上着てるんです」そういうアイテムがワードロープに増えるブランドステイタス以外の背景は「買ったお店」であったり、「その時の店員さん」「背伸びして買ったな」とか幾つもの記憶やストーリーが込められて愛着が生まれるのではないかなという完全な持論です。

服は自分の価値と感情を高めてくれる

シルエットが良いTシャツ、ほどよいクタレ感のスウェット、襟とVゾーンのバランスが良いシャツ、抜群の色落ちとシルエットのジーンズ。

どれも裸の自分の価値を高めてくれます。気に入った服を着た時に感情が高まり気分良く過ごせます。気分が晴れない時は着るもので自分の感情を高めます。

つまり、頑張って購入したオメガシーマスターにヘインズのTシャツ。色落ちが気に入ったジーンズ、レッドウィングのアイリッシュセッター。たったこれだけのシンプルでオーソドックスなスタイルでも自分の感情は上がるのです。

最後に

なにか脈絡のない文章になってしまいましたが今は深夜3時です(笑)まだまだ書く事はあるのですがリクエストがあれば追記します(ないない)

次のリレーブログは講師やワークショップ開催、企業コラボなど多方面で勢力的に活動されているイラストレーターの村上めぐみさん(keiryu murakami) です!

バトンを頂いたTetsuyaHagiyama (@Hagy_e)さんありがとうございました。






































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