小売の簡単な解説~なぜドラッグストアが重要なのか

前回noteを書いてから大分時間がたちました




さて、noteの続きを書いてくださいという要望がたくさんくるどころか、一件もなかったのですが、toCのマーケティングとは切っても切り離すことができない小売店について書かせていただきます。

なお、私は過去の職業で営業経験がないため、割と素人に近い意見ということを踏まえたうえで読んでいただけると幸いでございます(^^)/
今度からドラッグストア等に行く際にどういった点に注目して商品を見たらいいか参考になればな、なんて思っています☺

さて、今日は小売店について書きます。小売店はお客さんに商品を買ってもらううえでメーカーにとっては切っても切り離せない存在です。ですけれども、就職活動で小売業界を志望する人はほとんど見かけないですし、小売りの話はなかなか入ってきませんよね💦わたしも小売業界を学生のとき見ておけばよかったな、なんて思っています。

小売店について、今回話すのは、ドラッグストア、スーパーマーケット+α、コンビニエンスストア、百貨店です。

モノにもよりますけど、1000円以下の商品だと消費財メーカーにとってどのジャンルにおいてもドラッグストアが最重要視されている...はずです!
わかりやすいように前回に続けてヘアケア製品を中心に例として取り扱いお話していきます。

そもそもなぜみなさんドラッグストアでモノを買うのでしょうか。理由はドラッグストアが品ぞろえがよくて、最も安いからです。トイレットペーパーも洗剤もドラッグストアが安い場合がほとんどです。ぱっと思い浮かぶのはスーパーマーケットですが、スーパーマーケットは生鮮食品をはじめ食料品がメインになっているため日用品の充実度はドラッグストアには勝てません。

ドラッグストアといえばマツモトキヨシが都内では有名ですが、マツモトキヨシは勢いのあるドラッグストアで日用品の販売だけではなくプライベートブランドをつくるなど従来の枠をこえた活動の先駆けてきな存在です。プライベートブランドについては、今回は話しませんが、マーケティング学会をはじめ研究がすすんでいるので興味がある方は論文をご覧になるとよいと思います(^^)/

ドラッグストアは、医薬品や化粧品の販売をおこなっているため、他の業態では販売していないもので差別化が図られています。調剤薬局機能もあるドラッグストアもあるなど医療分野にまでふみこんだビジネスをしています。

薬剤師およびそれに準ずる資格がないと売れないものを見たことがあるのではないでしょうか。このあたりは薬事法と絡んでくるのでドラッグストアに興味をもっている人は、ぜひチェックしておいてくださいね☄

また、百貨店で販売している高級化粧品をのぞくと、ドラッグストアでかえる比較的安価な化粧品は、サンプルも充実しており、お手軽に化粧品を買う場所としてはドラッグストアが優れているといえるのではないでしょうか。

ドラッグストアに限らずですが手に取ってつかってみる、匂いをかいでみる行為は購買の意思決定に大きく寄与しており、"体験"が比較的充実しているドラッグストアは有効です。百貨店の化粧品コーナーでキレイなお姉さんに試し塗りをしてもらうことには及びませんがね。

日用品、化粧品、薬に特化することでドラッグストアは生き残ってきました。特に買う頻度の高い、安価な日用品などは、集客ツールとして役立っていますよね!つい安い歯ブラシとかをみて吸い込まれた経験もあるのではないでしょうか??

調剤薬局がどこまで利益に貢献しているかは興味があるところなので今度調べてみようと思います。

さて、スーパーマーケットですが、スーパーマーケットは食料品の購入場所として選ばれています。人にもよりますが、自炊することを考えると、家族を持っている人はスーパーマーケットに家族のだれかは毎日足を運んでいるかもしれません。スーパーマーケットではまとめ買いという概念がなくその日もしくは次の日使うものを買う場所となっています。よってスーパーマーケットは毎日必要な食べ物を買うついでに日用品を買う場所となっています。

スーパーマーケット以外にはGMSとよばれる、ゼネラルマーチャンダイズストアも小売ビジネスではインパクトが大きいものです。都内ではあまり見かけませんが、イオンやイトーヨーカドー、そして昔は盛んに展開されていたダイエーなどが代表的です。GMSは食べ物、日用品だけではなく下着なども取り扱われていますよね。地方にいくと食料以外の買い物のほとんど及びレジャー機能としてGMSが重宝されています。車で大型駐車場に止めて、家族で長時間滞在するイメージです。

日本ではありませんが、東南アジアやヨーロッパではハイパーマーケットという業態もあります。この前、台湾でもハイパーマーケットを見かけました。GMSとの違いは難しいのですが、GMSは各階独立型なのに対して、ハイパーマーケットは1フロアに集約しており、厳密に分離されていないのであくまでスーパーマーケットの巨大版として認識されています。とはいってもGMSと区分けされていてもハイパーマーケットのようなGMSも見かけたことがあるのでここらへんの区分けはよくわかりません。海外の売上データをみると一部hypermarketと入っていますので気になるかたは調べてみてください。

GMSは、滞在時間が長く、買い物機能だけにとどまらずまとめ買いを促すことで利益をあげています。おそらく、土日に売上が大きくなっているはずです。

コンビニエンスストアはCVSと呼ばれており、日用品に限らずですが、商品の値段が高いものの、家の近くにコンビニがあり、手軽に必要度の高いものを変えます。日用品でも化粧品でも品ぞろえはよくなく、眉毛を書く、歯を磨くといった機能ベースで消費者を満足させるものがおいてあります。コンビニにいくときはブランド価値をもとめたものを買うのではなく機能を求めた買い物をしているはずです。食べ物もおいしくて買っているというより、手軽におなかをみたすという機能を果たすものを買っているはずです。

さて、次に百貨店です。いままで説明した小売りの業態と百貨店は売っているものが大きく違いますね。三越や高島屋の化粧品売り場にいくだけで高揚感が得られるのではないでしょうか。見ているだけ、歩いているだけで感情をゆさぶるのが百貨店なのでウィンドウショッピングというものが百貨店ではなりたちます。百貨店は、ブランド価値を醸成する場所として役立っています✐


百貨店へは、お金を使うつもりでみなさんやってくるので高級品でも、機能以上に値段があるものでもどんどん売れていくのです。高級化粧品の類は百貨店や直営店でしか買えないものもあるはずです。販売チャネルをしぼり、かつ高いお金を払う場所として認識している場所でうることで高級ブランドが売れていきます。

百貨店は衰退しているビジネスといわれることもありますが、百貨店の訪問によって得られる価値はAmazon上のオンラインでの買い物では代替できるものではないので、イノベーションを起こすチャンスがあるビジネスだと個人的には感じています。より高所得者層をとりこむ戦略が必要でしょう。

なんか書いていて書きたかったことと違う気がしてきました。脱線してしまいましたね(;^ω^)

さて、小売りの話ですが、前回のnoteで棚がとれるかどうかが重要だという話をしました。ドラッグストアは狭い場所にたくさんの商品が陳列されているために目立つことが重要なのです。ゆったりと商品がおけるGMSとは棚割りの重要性が大きくかわってきます。GMSでの目立つ施策もありますが、ドラッグストアとは異なるものです。

ドラッグストアで目立つためには、メーカーおよび、卸ががんばらないといけません。特に日用品はもともと一人当たりの利益額自体は大きくないので、目立つ場所におけばたくさん売れるから得だよ~ということをドラッグストアの担当者に理解してもらわなければいけません。

ドラッグストアが目立つ場所においているものは原則的に一番売れているものです。売れるものを目立つ場所においてもっと売上を伸ばそうというのは当然のことですね。売れるという根拠は、すでに市場でシェアを大きくとっている、また、品質改良して新しいシリーズになった、もしくは広告を大量に投下する、もしくは、新しいタレントを起用して作った店頭に飾るボードやPOPがあるから売れますよ~といったところです。あの手この手で納得してもらいます。

これ以外にも目立つ場所においてもらう方法があります。それはメーカーが販促金をドラッグストアに払うことです。ドラッグストア側としてはお金がもらえるので、実質的な利益額がアップする形になるのでこうした場合は、目立つ場所におく理由ができます。しかし、メーカーの利益を圧迫することにつながるので一長一短です。それでも目先のシェア獲得や、ブランドの認知度アップにもつながるので定期的にこうした戦略をとります。

ヘアケア市場で、最近の大きい動きはボタニストです。ボタニストは値段が1本1500円くらいするシャンプーですが、ドラッグストアでも売れるようになってきました。小売りに対してあらゆる仕掛けをメーカー側がしたのは事実ですが、ドラッグストアとしては高単価なものが売れると利益額のアップにつながるのでメーカーも、ドラッグストアもどちらも喜びます。これまでメリットを使っていた人がボタニストにするだけでドラッグストアの儲かり具合はかわりますし、また、サロンシャンプーからボタニストに変えた人は、いままでドラッグストアでシャンプーを買っていなかった人に買い物をさせているのでドラッグストアとしてはおいしいのです。最近ドン・キホーテでは、ボタニストが棚を大きくしめていたのはショッキングでした。かつて、ノンシリコンで市場を席捲したジャパンゲートウェイのレヴールが大きくドラッグストアで市場を獲得したように、ボタニストも今後さらなる売上アップが見込まれます。


1000円以上のものはロレアルが販売しているものは売っていましたが、ボタニストの影響は大きいように思います。小売りの方でボタニストの販売戦略に詳しい人がいたらぜひお伺いしたいです笑。

今度からドラッグストアに行く際は、棚割りと、販売している値段をみて、なぜこの商品が目立つ位置にあるか確認してみてください。他の商品よりも大量においてあったり、サンプルがたくさんおかれていたりしたらそれはドラッグストア側が力を入れている証拠です。定期的に注力商品がかわっていくので定期的に足をはこぶことをおすすめします。ちなみにマツモトキヨシはシャンプーのプライベートブランドを販売しているので利益率のアップに寄与しているものと思われます。

ドラッグストアは来店頻度や販売価格帯を考えると、マスブランドを買ってもらうには絶対にはずしてはいけません。

あまり多くはないですが、まだ認知がないけど高い商品(高めの化粧品、日用品で新しいブランドをローンチしたて)を売るときは、小売店を活用することが増えてきました。百貨店が1日単位で場所を貸してくれるので、そこをPRの拠点として活用することで認知を獲得するための施策がうたれるようになってきています。百貨店でうるというのは高い買い物をするときの合理的な場所となりえますので、最初のトライアルユーザーを獲得するために百貨店でPRしていくのはいいことだと思います。百貨店側も場所収入がえられるのでこうした動きは納得します。

マーケター側は当然意識していますが、これからマーケターを目指している方は自分がやってみたい商品はどこが主戦場なのかをよく考えてください。日用品だとドラッグストアですが、高級化粧品はドラッグストアが一番売れているチャネルではなさそうというのはなんとなく想像がつきますよね。

またoggi ottoのようなヘアケアブランドはサロン専売感をだしていますが、なぜあれがサロン専売なのか、そしてなぜサロンのなかでも一部でしか売っていないのかを考えてみてください。販売チャネルをせばめることでレア感を出すという表面的な理由以外にも重要な要素がでてきます。

日用品マーケターになるにはドラッグストアが切っても切り離せないため、常日頃からみておきましょう。レトルト食品などはスーパーが大事になってくるのでスーパーをよく見ましょう。食品の棚陳列は日用品とは大きく異なっており、スーパー、メーカーともに考える変数が非常に多そうな印象をうけます。特に賞味期限の短いものの販売は難しそうですよね。

今回はあえて触れませんでしたが、これらの小売りを破壊しにきているのがAmazon率いるECです。ECのなかでもあえてAmazonをつかわないケースも増えてきました。ここらへんはいずれかの機会に要望があれば書きます。大手メーカーではECはほとんど意識されることがないので。

さて、一生懸命書いたので今後、継続的にいろいろ読んでみたいと思う方はマガジン購読していただけるとありがたいです。投げ銭という形でもうれしいですのでぜひ購読者になってください。EC関連はマガジンで書いていこうかと思います。購読していただけると書くモチベーションになります。


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