見出し画像

3Dコンテンツと遠隔医療[訪問/在宅介護]

3Dコンテンツ制作に関する仕事に関わるようになって、特に医療分野でも様々なユースケースで3Dコンテンツ制作のニーズがありそうなので、その可能性について書いておこうかと思います。
まずは、直近で一番適用の可能性について具体的なお話を頂く、遠隔医療への適用についてまとめておきます。

遠隔医療への適用領域

私自身、医療従事者ではないので、まずは、自分の理解のために遠隔医療にはどういった適用領域があるか、といった観点で列挙しておきます。

  • 訪問/在宅介護

  • 一般診察

  • 病理/画像診断

  • 救急医療

  • 教育/カンファレンス

今回は、訪問/在宅介護への3Dコンテンツ制作の可能性について触れます。

訪問/在宅介護の課題

ここでは、実際に業務を通して実際に訪問/在宅介護に関わる方々からお伺いしたことに絞って簡単に書いておきます。

  • 人材的課題
    高齢者の数に対して、圧倒的に介護業界で働く人材が不足しているとのこと。複数人での訪問が必要であったり、過疎地や介護サービスの数が少ない地域では、そもそも訪問の機会が減少するといった弊害も出てくるとのこと。

  • 運営的課題
    労働条件や賃金による人材流出や入れ替わりが激しくなり、介護先の状況を詳しく知るための引き継ぎの頻度も多くなり、業務内容の多様化、質低下の可能性にもつながってきているとのこと。また、遠方への複数介護職員の派遣によるコスト増加も課題であるとのこと。

3Dコンテンツ制作適用の可能性

(株)Wangetでは、SIGGRAPHからの学びも考慮して、様々なデバイス上であらゆる人にWangetが制作する3Dコンテンツを使っていただけることをコンセプトに、以下のような3Dコンテンツ制作サービスを提供しています。

Wanget Unreal Factoryサービス概要

まずは、このサービスを使った課題解決を探る段階ではありますが、運営の課題の一つである、"介護先の状況を詳しく知る"ことをサポートするための第一歩として、Unreal Factory Basicで、普段介護先にはないようなモノを3Dコンテンツで制作して、Unreal Factory for XRでメタバース上に再現された実際の介護先に配置できるようにしてみました。▼こちらが、そのイメージになります。

まず、介護職員、もしくは在宅されている方が介護先のイメージを共有する、という最初の作業は必要になりますが、一旦この環境ができてしまうと、この介護先に関わるあらゆる介護従事者が、この場所に行かなくても、宅内の動線や配置済みの家具や電子機器、またその配置といった様々な情報を把握することができ、かつ新たに配置が必要な介護器具の配置先や操作に関するシミュレーションを遠隔から行うことができます。
恐らく、これを導入しても、介護の経験や知識の差によって、見る場所やこの中から得る新たな情報に差はあると思いますが、少なくとも、それぞれのレベルに応じた"介護先の状況を詳しく知る"ということの一定の助けにはなる可能性があると思います。

今後の取り組み

この取り組みの内容と、実際の制作物をより多くの介護従事者に見て頂き、様々な意見、新たな発見をより多く集めた上で、サービスへの反映を行うことは必須だと思います。また、今回の制作物を作るのに要した時間は、3Dモデルの制作から、メタバース環境への配置に必要な最適化を含め1週間程度でした。質と数の両方を向上するための仕組みづくりは確実に必要なので、この点も必須だと感じています。

今回は、"訪問/在宅介護への3Dコンテンツ制作"を題材に書いてみましたが、その他の遠隔医療への3Dコンテンツの適用についても追ってnoteを起こす予定です。また、日々、Wangetの医療チームと3Dコンテンツ制作チームでアイデアを練っていますので、本noteを読んで少しでもご関心、ご興味を持たれましたら、こちらにお問い合わせください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?