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ビジネスを考える

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2021年6月の記事一覧

《親ペン雑記#7》面倒な人のイノベーション

 日経電子版は、何も最新の情報を得るためだけにある訳ではない。その検索機能を使って膨大な過去記事の中から「なるほど」とうならされる読み物を見い出すことのできる、まさに宝の山だ。  下に掲げた【シリコンバレーの神髄は「場所」ではない】なども、そんな珠玉の記事の一本だと思う  この記事では、世間でシリコンバレー、シリコンバレーともてはやされるそのシリコンバレーの神髄、イノベーションのエッセンスが、『場所』そのものではなく、そこに集っている『人』にあることを説いている。  面白い

《親ペン雑記#6》不老不死をめぐるディスクール

 暇を見て日経電子版の古い記事を読み返していると、面白い記事に出会うことがある。いろいろな意味で、最新の情報ばかりが必ずしも有益という訳ではない。  SF小説好きの筆者にとっては、下に挙げた2018年4月の記事【未来での蘇生を願う ロシアで冷凍保存され眠る人々】などとても興味深いものだ。記事によれば「遺体は完全に血液を抜かれ、マイナス196℃の液体窒素に逆さまに漬けられた状態で、100年先まで保存される」とあり、未来の科学の進歩に蘇生の可能性、夢を託したものだ。ちなみに、現時

《親ペン雑記#5》コンビニのトイレをめぐる奇妙な理屈

 コロナ対策でコンビニのトイレが使えなくなりだしてから、既にだいぶ経つ。下の日経電子版の記事などは、2020年の春に出たきわめて初期のものだ。  記事にもあるが、不特定多数の人が触れる箇所が多いトイレは、接触感染のリスクが高いことは明らかで、利用客同士、また、利用客と従業員間の感染リスクを避けるために使用中止とすることはやむを得ない処置と言える。トイレを使いたい切羽詰まった状況の利用客にとっては悩ましい問題だ。いきおいトイレを使いたい利用客と従業員の間でトラブルが起きること

《親ペン雑記#4》現代セルフレジ考

 スーパーやコンビニで自ら商品をスキャンしたり会計をしたりする姿、セルフレジもすっかり見慣れた光景になってきた。少し前の日経電子版の記事【セルフレジの利用客6割に スーパーも導入、民間調査】にもその普及拡大の様子が描かれているが、コロナ禍にあって顧客と店員の接触を減らす効果への期待などが背景にあるようだ。  しかし、このようなセルフレジの潮流は、コロナ禍で加速された側面は否めないにしても、そもそも商品を読み込んで(スキャンして)⇨会計するという時間のかかる旧態依然とした決済