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2月4日(土)第12回 林家つる子独演会 日本橋のつる子 たっぷり3席!@日本橋社会教育会館ホール

まんと「一目上がり」
つる子「ざるや」
※前座期間が5年2ヶ月だったつる子さん。こんなにかかったのは、
「小三治師匠のせいです」
  当時、落語協会会長だった小三治師から
「このまま二ツ目にしていいのか?」
と待ったがかかり、前座期間延長となったようだ。その上で、入門から五年目になるまんとさんにエールを送る。
 本題。つる子さん、
〽米が揚がる米揚げざる
と、歌う。ときにコブシをまわして歌い上げる。
 この後、あるお店の番頭に呼び止められ、主人に縁起のいい事を言いまくる。調子のいいざるやと気前のいい主人の会話がテンポよく気持ちいい。
つる子「ギター教室」
※つる子さんは習い事として、ピアノを習っていたそうだ。そんなマクラからの新作落語。
 「高崎ギター教室」のホテイのもとに結婚式を3か月後に控えた新郎、新婦、新婦の父がやってきて、それぞれサプライズで弾き語りがしたいから、教えてくれと頼みに来る。そして、式当日、サプライズに次ぐサプライズで、式はめちゃくちゃになる。
 エルビス・プレスリーのナンバーが登場する楽しい一席。
ー仲入りー
つる子「高尾目線からの紺屋高尾」
※古典落語の「紺屋高尾」を高尾太夫の側から描く。
 高尾、同僚のタマキ、高尾の身の回りの世話をするスミの3人を中心に噺は進められる。男の欲望渦巻く苦界・吉原で様々な出来事が3人を襲う。出逢い、別れ、そして裏切り。この艱難辛苦の末に高尾は久蔵と出逢う事となる。なぜ高尾は久蔵を選んだか?その答えとして、この物語は説得力十分であると思う。
 高尾がスミに語りかける。
「ここにはウソしかないんだよ。その中からお前がホントを見つけていくんだ」
 ウソとホント。つる子さんの「女目線シリーズ」を貫くテーマである。
「傾城に誠なしとは誰が言うた」
 つる子さんが新解釈した「紺屋高尾」の一席であった。

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