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2月2日(木)第70回 YEBISU亭@恵比寿ガーデンプレイス ザ・ガーデンホール

喬太郎・兼好・上妻宏光「オープニング」
※まず、喬太郎・兼好の両師が登場する。今回が70回目の記念の会である事を告げる。続けて、ゲストの上妻宏光さん(津軽三味線)が登場。上妻さんの三味線に合わせて、兼好師が扇を持って能の舞を舞う。それに合わせて喬太郎師が「ヨォヨォ」と掛け声をかける。実に流麗でお見事であった。
 この後、上妻さんが「津軽じょんがら節」を弾く。寄席の三味線の「軽さ」とは対極にある津軽三味線の「重さ」が肚に来た。ギターソロのように華麗であった。
兼好「不動坊」
※幽霊が出てくるせいか、東京では夏に掛かる事が多いが、冬の噺にして口演された。
 お滝さんを娶る事となった吉兵衛、湯屋で見知らぬ男の手を握って妄想に更ける。このあたり、兼好師のなんとも言えぬおかしさ。
  これに嫉妬した男達が幽霊騒ぎを企てる。
「四十九日も過ぎぬのに嫁入りするとはうらやましい」
というギャグも健在でうれしくなる。

 幽霊が下りる場面では、上妻さんが演奏し、雰囲気を盛り上げた。独自のサゲで締めた。

【司会】まあくまさこ・喬太郎・上妻宏光・兼好「今夜は踊ろう」
※質問した直後に時計を見るなど実のない感じが最早「芸」の域に達しているまあくまさこ氏。今日もその天然ぶりが遺憾なく発揮された。喬太郎師をして、
「あなたの言葉が一つも胸に響かない」
と言わしめた程だ。はっきり言って、今日一番楽しみだったのは彼女の「心ここにあらず」な司会ぶりである。
 喬太郎師が以前にこの会で聴いた白鳥師の「雪国たちきり」と上妻さんの津軽三味線のコラボの素晴らしさを説く。すると上妻さんがその会で演奏した「津軽よされ節」を弾く。
 さらにこの後、まあくまさこさんが姿月あさとさんを紹介する。客席から、あさとさんが壇上に上がる。
「仕事中に(まあくまさこさんから)電話がかかってきて、『今夜出て』と」
「その服はどこで買うの?」
などと、まあくまさこさんと息の合ったやり取りで笑わせた。
ー仲入りー
喬太郎「居残り佐平次」
※品川を舞台に「居残り」を生業(なりわい)とする佐平次をめぐるおかしなおはなし。物に動じない男・佐平次に周囲は振り回されつつも惹かれてゆく。
 紅梅にほの字の勝っつあんをヨイショして酒や金を取り巻く場面は圧巻だ。喬太郎師が佐平次を実にのびのびと演じる。
 主人に帰るよう諭され、身の上話をする。
佐平次「ガキの頃から手癖が悪く、抜け参りからグレだして…」
主人「どこかで聞いた科白だね」
 このあたりはお約束。
 首尾よく金と着物をせしめた佐平次、追いかけてきた店の者に歌う。
〽俺はこの世で一番居残りと言われた男
 サゲは、主人の、
「そりゃおこわにかかるよな。俺の頭がゴマ塩だもの」
という従来型であった。

 そうそう、70回記念の抽選会で、次回71回目のYEBISU亭の優待券が当たった。前売り3500円が2000円になる。

5月31日(水)
出演:柳家三三 桂吉坊 ゲスト:高橋ジョージ

 次も行くかな!

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