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2月3日(金)THE 伝統芸能 柳家さん喬独演会@深川江戸資料館

小きち「子ほめ」
※赤ん坊をほめる部分だけ。
さん喬「鼠穴」
※いきなりの大ネタにシビレ止まらず。
 兄弟二人の愛憎劇。兄は竹次郎に三文貸すわけだが、本当に弟を発奮させる為だったのだろうか?面倒くさいので三文払って追っ払ったというのが本当のところではないか?
 ともあれ、竹次郎は艱難辛苦を乗り越えて三つも蔵を建てる長者となり、兄に会いに行く。気分としては「どーでぇ、目にもの見たか」
であったろう。
 だが、兄の思わぬ労いに弟は涙する。
 この後、竹次郎の蔵は焼け落ち、噺は思わぬ方向に転がってゆく。
 禍福は糾える縄の如し。今日いいから明日もいいとは限らないし、現在悪いから未来も悪いとは限らないのだ。
ー仲入りー
さん喬「浮世床」
※夢のくだり。
 久しぶりに演るという。なので、半ちゃんをヨシちゃんと言い間違えてしまった。
 乙な年増が寝かせてくれないという色っぽい噺。男側に都合よく話が転がり過ぎると思ったら…。軽く次の大ネタにつないだ。
さん喬「百年目」
※謹厳実直で石部金吉の番頭は実は遊び人だった。「和製ジキルとハイド」みたいな話。
  屋形船の障子を開けたときの華やかさが目に浮かぶようだ。さん喬師の巧みな描写力。
 このあと、番頭は外へ繰り出し、「仮名手本忠臣蔵」の「七段目」一力茶屋の場を真似た追いかけっこをする。
「ゆらーさーん、こちーら」
「とらーまえる、とらまえる」
 なんとも粋な遊び。私もやってみたい。
 ここで、主人と番頭、鉢合わせをし、番頭、奈落へ突き落とされる。番頭はその後、眠れぬ夜を過ごす。
 そして、主人による説諭。番頭が子供の頃はおねしょ癖が治らず、お灸をすえた。
「あの時、熱い熱いと泣いたお前さんが…」
 以後、さん喬師はこのフレーズを繰り返す。彼の落語には、時として、このリフレインが登場する。
 桜が待ち遠しくなる一席であった。

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