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9月1日ニン!ぎょう町『あたし寄席』@日本橋公会堂(日本橋劇場)

出演:伊東四朗
進行役:水谷加奈(文化放送アナウンサー)
ゲスト:春風亭一之輔

伊東·水谷「ご挨拶」
※伊東四朗さんが法被姿で箒を持って登場する。
「雨の中をようこそお越し頂きました」
物忘れがひどくなったとボヤながら、スマホの電源を切るようお願いする。そして、「カナちゃん」を呼び込む。文化放送アナウンサー水谷加奈さん。着物姿が美しい。若干の補足を加える。そして、一之輔師を「野田の醤油問屋の若旦那ならぬ、野田の醤油会社社員の息子」と紹介する。

一之輔「鈴ヶ森」

※夫婦揃ってコロナにかかり、息子たちに三食作ってもらっていたそうだ。

それがまるで刑務所暮らしのようだったと笑わせ、本題へ。

泥棒の親分と子分が鈴ヶ森へ追い剥ぎに行く。たったそれだけのお噺。それが一之輔師にかかると爆笑必至のネタとなる。

おなじみのフレーズの連発。足を洗うよう進める親分に、

「真心に立ち返って悪事に励みます」

と答える子分。何度聴いても笑ってしまう。

子分「あながちあっしも馬鹿じゃないんですから」

親分「馬鹿だよ、お前は」

という会話は、しばしば登場する。

子分が口髭を書き、

親分「トランプのキングみたいな髭を書くんじゃねえ」

子分「ベンジャミン伊東を意識したんですけど」

というサービスが入る。

後半も、「口移し」のギャグや、尻に筍が刺さる件など笑いどころの多い噺であった。
全員「トーク」

※一之輔師、伊東さんにコワモテと指摘される。

お二人は面識はないそうだ。44歳の一之輔師は「ベンジャミン伊東」をリアルタイムで見ていない。初の伊東四朗体験は「ザ·チャンス」だという。毎朝「おしん」を見てから、保育園に通ったそうだ。ここで伊東さん、「おしん」の裏話をする。

一之輔師が一朝師に入門してから真打になるまでを語る。一朝師は言葉のアクセントに厳しく、稽古でもよく直されたという。ここから江戸っ子の言葉遣いについての話題となる。「潮干狩り」を「ヒオシガリ」と言ったり、「まっすぐ」を「まっつぐ」と言ったりする。

興味深かったのは香川照之氏の一件について。あれは大目に見てもいいんじゃないかと言う伊東さんに、いやよくないですと冗談めかしつつ答える一之輔師。新旧の倫理観の違いが浮き彫りになった。

ー仲入りー
一之輔「笠碁」

※大家のご隠居二人が「待ったなし」を条件に碁を打っている。だが、すぐに「待った」。きっぱり断ると、三年前の借金の件を持ち出し、

「私はあの時、待たないと言いましたか?」

一之輔師はここに「7歳の時の学校帰りのエピソード」を挿入する。

結局、交渉は決裂する。

「碁敵は憎さも憎し懐かしし」

雨の一日、一人は笠をかぶって外出する。お店で待つもう一人は目敏く笠の男を見つける。笠の男の動きを追って、目と身体が動く。この時の一之輔師の表情が絶妙だ。

やがて、再び碁を打つことになるが、碁盤が濡れる。

「お前さん、まだ笠をとらねえ」

ここでサゲとはならないのが一之輔師流。「七歳の時の学校帰りのエピソード」にケリをつけて、サゲとなる。

たった一目の石をめぐって反目しあう老人達の頑なさがせつなくもおかしい。

全員「トーク」

※一之輔師のラジオとの関わりが主な話題となる。学生時代には三宅裕司さんや伊集院光さんのラジオを聴いていたと告白する。もちろん、「伊東四朗のあっぱれ土曜ワイド」も聴いていた。

今では「サンデーフリッカーズ」などのレギュラー番組を抱える一之輔師である。

毎回落語家を動物に例えているそうで、一之輔師は

風呂に入らないカピバラ

だそうだ。

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