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8月3日(土)林家つる子独演会(日本橋社会教育会館 8Fホール)


たたみ  宗論
 白百合女子大学のクスグリがあると言う事は小朝一門の誰かから教わったか? 後半カミカミ(笑)。

つる子  お菊の皿
 爆笑保証、お得意の一席。一番最初にあらわれた時のお菊のゾッとするほどの美しさと皿を18枚数えた時の演技のクサさ大げささの落差がおかしい。

つる子  スライダー課長
 
どくさいスイッチ企画作。
 野球を知らない上司にそれを教える部下(田中クン!)の苦悩を描く。上司の解釈の間違いを突っ込んでゆく田中クン。トンチンカンな上司かと思いきや、「私は人を見る目だけはあるつもりだ」という言葉はウソじゃなかった。

ー仲入りー

つる子  葵の絹
 訳あって吉原の大店・松葉屋へ売られてきた武士の娘お絹。瀬川花魁に気に入られ、葵が教育係につく。武士の娘の気高さからか、吉原の内部を疑心暗鬼の目で見る。ある時、お絹は瀬川の上客に失礼な振る舞いをし、葵に叱責される。葵はお絹に、たとえここが地獄に見えても、皆懸命に生きているのだと諭す。そんなある日、瀬川が近江屋と囲碁の勝負をする事になり、お絹も見にゆく。

『柳田格之進』をお絹の目から見たスピンオフ的な一席。先日公開された映画『碁盤斬り』からも大きな影響を受けている。
 吉原の遊女同士のやり取りはつる子師の『おしま目線の紺屋高尾』でも交わされていた。落語ではほとんど聴くことのできない遊女の会話を、つる子師は想像力と真実味を持って浮かび上がらせた。
 ひとりひとりのキャラクターが濃いのもつる子落語の特徴。武士の娘でマジメながらも融通の効かないお絹。そんなお絹を厳しくもあたたかく見守る葵。美しくも包容力があり、何より覚悟がある瀬川。意地悪で物見高い近江屋。個性豊かな人々がカラフルな物語の中でいきいきと動き回る。
 果たしてお絹の父・柳田格之進は迎えに来るのか? この設定自体が映画からの影響だろうか?

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