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3月15日(水)演芸写真家 橘蓮二プロデュース“極”Vol.13 白鳥残侠伝〜笑って貰います〜@なかのZERO 小ホール

 場内には藤純子、高倉健、鶴田浩二など、往年の任侠映画の主題歌が流れていた。今日は白鳥師を含め全員が白鳥落語を口演した。
白鳥「オオサンショウオの恩返し」
※開口一番は、なんと白鳥師が務める。オイシイところは若い衆に任せる「組長」の懐の深さか?
 かつてあった落語番組「落語のピン」の収録で、白鳥師(当時の新潟)がこのネタを演ったら、お後に上がる談志師が帰ってしまった。
「あんな奴の後に上がるのは屈辱だ」
 その時のネタを口演する。
 ある男のもとにオオサンショウオのアケミがやってくる。彼女が南越谷のキャバクラで働いていた際、一夜をともにしたものと勘違いしている。なんとか追い返すと、次の晚、ペンギンがやってきて…。
 ひたすらバカバカしい迷作を真剣に。こういう人を私は尊敬します。
桃花「老人前座ばば子」
※任侠映画が好きだというマクラは先日の独演会でも言ってた。その時は「任侠流山動物園」へ行ったが、今回は「ばば子」。
 ある暴力団の女将がなぜか落語家になり、前座修行をするお話。何気ない会話に任侠要素を盛り込み、東映風に仕上げた。
ー仲入りー
いちか「豆腐屋ジョニー(講談Ver)」
※美しい身のこなしにハッとする。
白鳥師との出会いからしくじってしまったエピソードをマクラに。
 浅草は国際通りに実在する「三平ストア」を舞台にチーズファミリーと豆腐一家の抗争が繰り広げられる。「ゴッドファーザー」と「ウエスト・サイド・ストーリー」と任侠映画を足して、白鳥テイストをパラパラとふりかけた感じ(台無し)。
 講談の持っているある種の硬さと「豆腐屋ジョニー」という噺の持っている軟らかさがうまく合わさって、爆笑をさらっていた。
茶光「富Q」
※「こんな並びでいいのでしょうか?」
 上野のボロアパートに住む落語家・笑福亭ちゃんこはみずほ銀行の課長から宝くじを1枚買う。その後、鈴本演芸場で火災が発生し、お江戸上野広小路亭に延焼しそうになるが、みんなの奮闘努力でくいとめる。だが、今度はちゃんこの住むアパートが全焼してしまう。行き場を失い、お江戸上野広小路亭に身を寄せるちゃんこだが、以前買った宝くじが当選していた事を知る。
 古典落語の「富久」を現代に置き換えた改作。茶光さんは上方落語家でありながら、東京で修行する者の悲哀や落語芸術協会の哀しみを盛り込み、自分のモノにした。
全員「講評」
※桃花師は、今後は藤純子の啖呵を盛り込みたいと述べた。そんな彼女に白鳥師は課題を与える。
「次は『メルヘンもう半分』をやりなさい」
 白鳥師、いちかさんをベタ褒め。
「素で面白かった」
 いちかさんには「任侠流山動物園」という課題が与えられた。
 「富Q」をうまくアレンジした茶光さんに白鳥師がこのネタをプレゼント!
「寄席でどんどんやれ!」
 このメンバーで再び会を開くことを願って、散会となった。
 

 

 

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