9月3日(火)浅草演芸ホール 上席 夜の部
辰むめ たらちめ
あんこ 二人旅
たこ蔵 やかん
ストレート松浦 ジャグリング
三木助 看板のピン
鉄平 寄合酒
おしどり 夫婦漫才
志ん輔 ふぜいや
道に迷った祖父と孫が訪れた奇妙なお店。おじいさんと店主のおばあさんは懐かしい商品を眺めながら昔話に花を咲かせる。それを不思議そうに眺める孫。小佐田定雄作。夏の夜にふさわしい蜃気楼のようなおはなし。
柳朝 源平盛衰記
「火牛の計」を中心に。
紋之助 曲独楽
雲助 強情灸
人間国宝の『強情灸』を聴くことができる幸福。
石川や浜の真砂子は尽くるとも
とけてなくなりゃみなおなじ
下の句は「われ泣きぬれて蟹とたわむる」とやるヒトが多い。
ー仲入りー
はな平 権助芝居
サゲは
「今日のおかるは男だ」
「冗談言っちゃいけねえ」
ぺー 漫談
持ち歌『余談ですけど愛してる』を歌う。
菊太楼 締め込み
夫婦喧嘩を描きながら、夫婦の情愛を描く。菊太楼師ご自身の夫婦像か?
正蔵 蛸坊主
ある小料理屋に高野山の僧侶を名乗る坊主四人が訪れる。精進料理のひとつとして出されたお椀のお汁の出汁が鰹節だと言うのでケチをつける。獣や魚の肉は「生臭物」と言って僧は避けねばならない。それを逆手に取った強請りだ。このやりとりを聞いていたひとりの老僧が立ち上がる。
正蔵師、浅草ではあまり掛けない噺という。途中から三味線も入り、おにぎやかに。
あずみ 三味線漫談
「東雲節」
「カンチロリン」
※実家に泊まった時、間違えて父・キヨシのハブラシを使ってしまう悲劇を語る(笑)。
つる子 しじみ売り
今日もなんとなく肌寒い。なので真冬のおはなし。
小僧と稲葉屋清五郎とその子分が織りなす雪の夜ばなし。小僧のかわいさと清五郎の懐の深さと子分の滑稽さに大いに笑い、大いに泣く。
冬はつれえなあ。でもな、おめえんちにも、やがて春の報せが届く。おっかさんを大事にしな。
肌寒いとはいえ、まだ9月。夏がまだ残る季節に、この清五郎のセリフを説得力を持って語れる演者はそうはいない。林家つる子の『しじみ売り』で今年の冬も乗り切れる。
こんな事は書きたくないのだが、私の後ろに妙な客がいた。変なところで拍手をしたり、口演中に立ち上がって花を見たり…。挙句の果てにはトリのつる子師が本題に入ってしばらくして、途中で帰っちまいやがんの。正蔵師には「そこで拍手は要りません」と注意され、その客が出て行った後、つる子師にセリフにまじえて、「このタイミングで立つんだ」と言われる始末。おかしな客がいるものである。