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2月19日(日)お江戸上野広小路亭 日本講談協会《定席》

青之丞「三方ヶ原軍記」
※相変わらず、分かりませんでした。
梅之丞「寛永宮本武蔵伝 山田真龍軒」
※武蔵と鎖鎌の使い手・山田真龍軒の戦い。ところどころに伯山テイストが見え隠れ。
桜子「秋色桜」
※春らしい一席を桜色のお顔の桜子さんが。親孝行な娘、お秋の物語。

初雪や二の字二の字の下駄の跡
井戸端の桜あぶなし酒の酔

紅佳「母里太兵衛と日本号(黒田節)」
※高座に上がる際、戸のところに小指をぶつけてしまい、「痛い」と声を上げる。カワユイ。ささやかな「小指の思い出」
  酒の上の失敗どころか、福島正則から名槍日本号をせしめた母里太兵衛のはなし。紅佳さんのご出身・福岡の民謡「黒田節」のもとになった物語である。
鯉花「大名花屋」
※二ツ目に昇進した鯉花さん。男物の着物で登場する。前座時代、化粧禁止だったので、久しぶりに化粧品店に行った時のエピソードを語る。面白い。
 本題にはいるとメガネをはずす。鯉花さんは色白でお綺麗なのではじめから外してたほうが良い。
 昇進にふさわしいおめでたい一席。
松鯉「屏風蘇生」
※鯉花さんの昇進を殊の外お喜びのご様子。
 佐々木文山がキレて、屏風に「此所小便無用」と書いてしまうのが愉快。 
茜「初恋エンマ」
※アカネ先生、普段はライブに行っているそうで、お気に入りは奥田民生と斉藤和義。最近はそこにVaundyが加わった。
 ニラと間違えてスイセンを食べてしまった主婦が死に
、閻魔大王のもとへとやって来る。閻魔による尋問の中で、初恋の話になると、彼女は急に素直になる。
 古典講談ばかり聴いているとおつむりが疲れる。そこへアカネ先生の新作というのはオアシスのようなもの。アカネ先生のほんわかしたムードに癒やされてお仲入り。
ー仲入りー
紅純「越の海勇蔵」
※歴代横綱をソラんじて見せて、拍手喝采。
 5尺ばかりの小兵力士が谷風に挑む。
紫「紀伊國屋書店 宝の入船」
※沖の暗いのに白帆が見える あれは紀伊國みかん船

 みかん船と材木取引で莫大な財産をこしらえた紀伊國屋文左衛門の一代記。
伯山「梶川与惣兵衛」
※吉良上野介に斬り掛かった浅野内匠頭を羽交い締めにして止めた梶川与惣兵衛をめぐる後日談。
 秋元但馬守のもとを訪れた梶川は、「曽我兄弟の仇討ち」の絵を見せられる。但馬守は、御所五郎丸は曽我兄弟に仇を討たせたのに、なぜお主は浅野殿を止めたのか?と詰り、追い出してしまう。
 でもさぁ、目の前で人が人に斬り掛かってりゃあ、武士としてはそりゃ止めるでしょうよ。それに曽我兄弟は父を殺された上での仇討ちだけど、吉良上野介は誰か殺したっけ?
 そんなふうにバイアスのかかったこのお話だけど、伯山先生の読みは見事だった。
 私は「赤穂義士伝」「忠臣蔵」について、重大な疑問があるのだが、それはまた別の機会に。

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