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【告白 #6】


妻とは、
大学時代のバイト先で知り合い…
恋に落ちました。

当時、
私が大学4回生の22歳、
彼女が大学1回生の18歳…


私は、
バイト先の先輩…
新しく入ってきた彼女の指導役となり、すぐに親しくなりました。

ただ、
私には当時…
彼女ではなかったんですが、
気になっていた女の子がいて…

何度かデートしていましたが、
つき合うまでには至っていませんでした。


だから、
私も焦りはなく…
バイト先の後輩にあたる妻に対しても、
それほどの感情を抱いていませんでした。


でも、
妻はそうではなかったみたいです。


私に会ったその瞬間から…
ああ…
自慢話じゃなく、
交際した後に彼女から聞いた話です(汗)

いつの日からか私は、
2人の女の子とデートしていました。

でも、
2人とも…
彼女としてではなく、
ガールフレンドとして。

お茶したり、
ご飯食べに行ったり…
ごく普通の友達としてつき合っていました。


ただ、
しだいに…
私の心の中が…
妻である彼女一色になっていくのが分かりました。


そして…


その日は、
2人で神戸にドライブし、
須磨水族園でデートを。

しかし、
突然の雷雨に見まわれ…
彼女を水族園に残し、
駐車場に車をとりに行きました。


豪雨の中…
消えていった私の後ろ姿を…
彼女は今でも覚えてくれています。


車を水族園の前につけ…
彼女をすばやく乗せた後、
しばらく車を走らせました。


私は…
びしょ濡れのまま…


そんな私の横顔を、
彼女はじっと見つめていたようで…

急がせた車を、
港の突堤に入れ…
一番奥の船着場に車を止めました。


あたりは薄暗くなり…
雨の…雨だけの…
フロントガラスをたたく音が車中に響いていました。


「大丈夫?」
「うん。」


ガラスを打つ雨音に紛れ…
彼女の声が聴こえてきました。


「うれしかった…ありがと。」


彼女の瞳には…
私がしっかりと…
映っていました。


「つき合おっか!」
「いいの?」


このあとの2人には…
言葉は必要ありませんでした。


ちゃんと交際が始まったことで、
もう一人の女の子には、
ちゃんと説明をし…

その後、
会うこともありませんでした。


妻にも、そのことを話したんですが…

すると、

「実はね…」
と切り出してきたんです。



嫌な予感。


「私も…好きな人がいたの。」

(ガーーーーーーーン)


彼女にも、
デートしていたアメリカンフットボールの大学生がいたそうで…(笑)


私より親密だったどうかは定かじゃないんですが…(寒)

ま、
お互いさまということで。(汗)


あまり深くは追求しませんでした…
したくはなかったので。


そして、
結婚するまでの5年…
彼女の時間をひとり占めしました。

今…
こうやって、
あの当時のシーンを思い浮かべています。

23年前の私たち…


あらためて、
あのときの素敵な時間に…
少し浸れました。


あらためて、
あのときの純粋な二人が…
懐かしく思いました。

そして、

あらためて、
彼女に告白してよかったと今…
思います。


そばにいてくれて…ありがと。



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