見出し画像

【彼女の言葉 ~ココロノキズ④~】

(つづき)

*****************


「何があったの?」


深夜の食卓…

妻は突然切り出してきました。

まるで、

私の心の叫びが聞こえたかのように…。

普段から、

私の仕事のことを気にかけ…

興味をもっていろいろ聞いてくる妻。

最近、

毎日深夜の帰宅となり、

疲れた私を気遣って…

何も話さなくなっていました。


「ごめん…ダメかも…ごめんな。」


日曜日の出来事…

身体の異変…そして、上司のこと。

すべてを彼女に打ち明けました。

彼女の顔を見ることもできず…

うな垂れたまま。

そんな弱音を吐く私を、

彼女はきっとがっかりするだろう。

軽蔑されることも覚悟していました。

気がつけば…

彼女は泣いていました。

ショックだったのか…と。


「私こそ、ごめんなさい…」


意外な彼女の反応に、

謝る彼女の言葉に…。

何だか救われた気持ちに…。

さらに、

次の彼女の言葉で…

私は心が180度変わります。


「お願い…そんな会社、もうやめて!」


予想外でした…

その彼女の言葉がありがたかった…

その言葉がすべてでした。


「あなたが普通に働けない会社なんか…

  あなたなら、どこでも大丈夫だから」


(続く)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?