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蛙化現象について

「蛙化現象をする奴は最低だ」

つい最近まで、私はそう思っていた。

蛙化現象とは、自分が好きな相手が自分のことを好きになってくれた途端に「気持ち悪い」「生理的に無理」と感じてしまう現象の事だ。
やっと両思いになれたと思った途端に振られた側からしたら溜まったもんじゃない、だから私は蛙化する人の事を、恋愛をゲーム感覚でやる最低な奴、という風に思っていた。

しかしそんな私にも、考え方がガラッと変わるような大きな出来事があった。
某マッチングアプリ「w○th」でAちゃんと出会った時のことだ。

1回目にあったのは大衆居酒屋。背が低く、女子らしいフワフワとした雰囲気を持つAちゃんは私の完全にタイプであった。テニサーという共通点もあり話は大いに盛り上がり、私は是非この子と付き合いたい、とこの時点では本気で思っていた。

2回目はおしゃれなカレー屋に行った。恋バナにも花が咲き、ますます前より好きになっていた自分は、思い切ってドライブデートに誘った。彼女の返事はYES。天にも登るような気持ちだった。

そして待ちに待ったドライブデート。アウトレットで楽しくお買い物をし、夜イルミネーションに行った時にそれは起きた。勇気を出して手を繋ぎ、相手のまんざらでもない表情を見た時、自分の恋愛熱がスッと冷めていくのを感じたのだ。あれほど可愛いと思っていた彼女を見ても何も感じなくなり、手を繋ぐ事が途端に滑稽なことのように思えてしまったのだ。

まさか自分が蛙化するとは思ってなかったので、私は心底悩み、自己嫌悪した。
自分からアプローチしておいて、手に入りそうになった途端冷めるなんてまさに自分で先に述べたように「最低な人間」ではないかと。自分はそんな適当に恋愛をするような奴だったのかと。

翌日の仕事は全く手がつかなかった。今後どうすれば良いのかをずっと考えていた。
またさらに好きになることもあるなか、あるいはもうここまでにするべきなのか…

結論を言うと、私は彼女とは距離を置くこととした。私が蛙化したのはきっと、恋愛でバカになった脳が冷静になった時、「合ってないぞ」とストップをかけたからだ。今までもそれで失敗した経験があるだけに、今回も同じ過ちを繰り返そうとしてるのを脳が止めてくれたのだと。

蛙化現象はきっと、真剣に恋愛しようとしてる人にも起きる。むしろ真剣すぎて熱くなっている人ほど起きやすいのではないだろうか。
私は今回の一件を通し、蛙化する側の、自己嫌悪に苛まされる辛さを知った。きっと周りの蛙化してた人も、適当に恋愛してたのではなく、真剣にやった上でなってしまい辛い思いをしてのだろう。決して最低なのではなく、むしろ同様に恋愛に苦しむ被害者であったのだ。

今回の件から、改めて感じたこと、それは…

いい恋愛って難易度高すぎん?

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