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【カウンセリング理論】ロジャーズの理論

こんにちは、キャリアコンサルタントKです。

今日はキャリアコンサルタント(キャリアカウンセラー)であれば一度は学んだことがある「ロジャーズの理論」についての解説です。

国家資格の対策として「とりあえず」覚えた人も多いのではないでしょうか?「暗記をしよう」となかなか覚えられないですが、ストーリーで学んで理解をしていきましょう。

理論のポイント

ロジャーズの理論で押さえるポイントは以上の4つです。

①非指示的カウンセリング
②実現化傾向
③自己概念
④カウンセリングの3条件(ボリュームが多いため「次回」ご紹介します)

非指示的カウンセリング

【一言で言うと】
相談者の語り(はなし)を傾聴し、指示をするのではなく受け止め・言葉の伝え返しといった指示をしない関わりで接すること

非指示的カウンセリングが登場するまでの対人支援のおける中心的な考え方は、相談者を「受動的な対象」と捉え、専門家の判断や見解に従う対象としてみていました。

よりわかりやすい表現をすれば「専門家のアドバイスに相談者は従えば良い」という考え方です。

そうした「受動的な存在」と見なすことへの「反発」として誕生したのが「非指示的カウンセリング」です

【疑問を先回り】
「非指示的な関わり」は分かったけど、どうしてそれで相談者の支援が成り立つのだろう(相談者の悩みが解消するのだろう)→それは次に紹介する「実現化傾向」の考えが背景にあるからです。

実現化傾向

【一言で言うと】
個人の中にもともと備わっている、自分を成長させようとする力

ロジャーズは「人間は本来、自分を成長させようとする力が内在している」と考えました。

人生に訪れる困難があったとしても、人間には「それ」を乗り越える力があると考えたのです。

【疑問を先回り】
「実現化傾向」があると考えたロジャーズ。しかし、そうであれば、なぜ相談者はカウンセラーの元に来るのでしょうか?自分で解決をすれば良いのでは?→しかし人間は時に「実現化傾向」が機能しない場面があります。

自己概念

【一言で言うと】
自分が自分をどのように見ているか
自分が良しとするものの見方・考え方

「自己概念」という言葉は、考えた人の数だけ(知っている人の数だけ)定義や解釈があるといっても過言ではない抽象的な概念です。今回はわかりやすい(と思われる)2つの定義を【一言で言うと】に記載しました。

ロジャーズは「自己概念と経験の不一致が(相談者の)問題である」と考えました。つまり、「不一致が生じている時は実現化傾向が機能しない(他者の援助が必要な状況)」という言い方もできます。

わかりやすく事例で説明します。

ケース:同期の課長昇進

あなたはA社に入社して以来、5年間連続で社内の営業成績トップの実績です。「営業成績がすべて」であり「仕事において昇進が大切だ」と思い、努力を重ねてきました。次の人事異動では最年少で「係長」から「課長」に昇進するのでは?と噂されています。

しかし、待っていた人事異動では「自分は係長のまま」で、営業成績はイマイチな同期のBさんが「課長に昇進」をしました。

さて、「あなたは課長のままで同期が昇進した」という経験(事実)を、あなたは事実として受け止めることができるでしょうか?

もしかしたら同僚の前では「Bさんおめでとう!よかったね」と言うかもしれませんね。しかし、同時にこんな思いも少なからずあるのではないでしょうか?

「なんで営業成績がパッとしないBさんが課長に昇進するんだ」

さらに内心ではこんな感情が湧くかもしれません。

「Bさんは上司に好かれるような何かをしたんじゃないか」
「何かの間違いに違いない」「上司や人事は何も分かっていない」...と。

このように人間は「経験(事実)を事実としてそのまま受け入れることができない時」があります。そこには自己概念が関係しています。

先ほどのケースでは「営業成績がすべて」「仕事において昇進が大切だ」という部分が自己概念となります(※)

この自己概念があるからこそ、「あなたは課長のままで同期が昇進した」という事実を「そのまま」受けれることが難しいのです。

もしあなたが「昇進や営業成績にまったく関心がない」とすれば、Bさんの昇進も「ふーん」程度でしょう。

このように「自己概念」と「経験」が一致していない(受け入れることができないない)状態を問題と考えたのです。

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図では左側が「一致していない状態」であり、右側が「一致している状態」ということになります。

また、一致していない部分をそれぞれ「歪曲」「否認」といいます。

歪曲:事実をねじ曲げること(ケース事例では「Bさんは上司に好かれるような何かをしたんじゃないか」が相当)

否認:事実を認めないこと(ケース事例では「何かの間違いに違いない」が相当)

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先ほどの図でも示した通り、自己概念と経験が完全に一致することはありません。

しかし、自己概念と経験の不一致が大きすぎる(否認や歪曲が過ぎる)と日常生活にも悪影響が出てしまいます。

(※)この事例だけで「自己概念」と見立てるのは難しいのですが、今回は「分かりすく」説明・解釈をしています。

まとめ

今回は「ロジャーズの理論」のなかで、「非指示的カウンセリング」「実現化傾向」「自己概念」を取り上げました。

これら3つは独立している考えではなく、それぞれに「つながり」があります。ぜひご自身の学習に役立ててみてください。

次回は「ロジャーズの理論」で押さえておきたい「カウンセリグの3条件」をご紹介します。お楽しみに。

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キャリアコンサルタントK

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