ローソンのバスチー。なぜ商品名を簡略化するのか?
コンビニは「作戦の宝箱」、「マーケティングの臨床試験場」‥。
だから目的もなく視察気分で訪問しがちなんですが、先日ローソンのチルドスイーツ売り場で驚きました。
昨年から流行りだしたバスクチーズケーキを「バスチー」として販売しているのは知っていましたが、その他にも「ザクシュー」や「サクバタ」など、商品ラインナップが拡大していました。
▷「商品名の簡略化」はマクドナルドのお家芸である。
「商品名で遊ぶ」プロモーション展開の元祖はマクドナルド(以下:マック)ですよね。PRの天才‥っす。
▶北海道道産ほくほくポテトとチェダーチーズに焦がし醤油風味の特製オニオンソースが効いたジューシービーフバーガー(名前募集バーガー/2016年)
▶おてごろマック(2019年6月〜)
▶へーホンホヘホハイ(2017年)
▶ベーコンポテトパイセン(2018年)
それにしても、マックとローソンは遠からずの競合相手。
販路もシーンも価格帯も近い。商品に対してのニーズも近い。そんな競合の手法をローソンが実行するのは、実に興味深いなと思いました。(確かに、バスチー路線で展開していくと、ALL世代を狙ったセブンイレブンとの差別化される印象はありますね)
▷「なぜ商品名を簡略化するのか」を深堀りしたい。
マックもローソンも、商品名を簡略化する背景としては「SNS文脈にのりやすいから」ということが大きな理由を占めていると思いますが、このあたりをもう少し深堀りしてみたいなと思います。気づいたことは大きく2つ。
▷”おいしい”で差別化させることの限界。
ここ数日の食べたものの中で「おいしくなかったもの」を挙げてみてください。きっと、なかなか出てこないと思います。あるとしても、特定の人は好きで「私には口に合わなかった」という感じかと。
調理技術の向上、嗜好性の研究によって、この世は美味しいものが溢れています。それはどんなに安価なものでも。
今は味で差別化するのが困難な時代。
高級料理店なら、食材や技術の差別化の勝負がまだできますが、ローソンやマックの商品の値段は¥200〜。低価格商品です。購入者も、家電や車のように下調べして購入するわけではないので、なかなか味で勝負ができないのです。だから、味ではない「購入意図」で囁かないといけないのです。
▷食べ物にも「コミュ力」を求める時代。
紹介したマックやローソンの商品、ガリガリ君またはチョコミントなどの「SNSでネタになる食べ物」を、私は「コミュ力のある食べ物」と言っています。
以前書きましたが、食べ物が胃袋を満たす対象物→心を満たす対象物に進化しました。(マズローの欲求段階のステージアップに合わせて、食べ物もステップアップしたのです)
よって、私たちは素直に空腹を満たす食べ物ではなくて、その食べ物を通じで誰かとコミュニケーションがとれる、または何か自身の評価につながる食べ物を選好していくようになるのかもしれません。
これからもマックもローソンも注目していきたいですね。
ぜひ、コンビニ&マックに行ってチェックしてみてほしいッス!
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