全人類に伝えたい 【タピオカの進化史】
2019年流行語大賞に「タピる」がノミネートされましたね。
本当に今年は、街中が黒粒だらけだったような気がします。
とは言う私も「タピオカ」は少し特別な存在で、
3月にまとめた記事が期せずして拡散しメディア露出の機会を10回ほどもらいました。
今だから言えますが、深夜の勢いで書いたので断片的にしか把握していない箇所も多々あり‥。
そのため依頼が来る度に、タピオカに関する理解を深め「タピ活」ならぬ「タピ勉」を続けてきました(こうやって人は専門家っぽいものになっていくのかね‥?と思ったり)。
10回ほど「詳しい人」のフリをすると、自然と玄人感も出てくるもので、随分とタピオカについて詳しくなりまして。
せっかく獲得したタピオカの知識、どうせならとまとめてみました!
それでは行ってみましょう。
・・・
▶[総括]タピオカは ”紗栄子” 並に進化していた。
はじめに総括を。
私が本件で言いたいことは1つで、タピオカで平成の間で七変化しているということです。この変数の打ち手こそタピオカの最大の魅力ではないか、何度も旋風を巻き起こせる要因ではないか、と考えるようになりました。
どう七変化しているのか?
もちろん、原材料も粒であることも変わりませんが、「消費者にとってのタピオカの在り方」が違うんです。
その変化を形容するならばシン・ゴジラの進化形態か、タレントの紗栄子レベルの進化かと。
紗栄子さんって、デビュー当時の若手タレント期と、ダルビッシュ結婚期、離婚後の実業家期て、どんどん格が上がっているような気がして七変化している思います。
そのぐらい印象がかわってゆく、タピオカなんです。
▶ 1992年・ココナッツミルクに白タピオカ
タピオカの歴史は1992年に始まります。
バブルが前年に崩壊していたものの、世の空気は「バブリー」な感じ。
総合職で就職した女性が少しずつ増えはじめたことを背景に、女子旅が少しずつ定着していきました。その行き先は物価も安くて週末に行けるアジア。
現地でタピオカを食べる日本人が増えたこと、輸入業者が増えた背景からタピオカは日本に上陸しました。
この時のタピオカはデザートとしてココナッツミルクの中に入ったもの。
食感はモチモチではなくてツブツブ。見慣れぬタピオカは「蛙の卵みたい‥!」と言われたものでした。これがタピオカ第一ブームと言われています。
▶ 2008年・タピオカがドリンクとして登場。
第2ブームは2008年。
2005年にパールレディがタピオカドリンク専門店を展開していますが、2008年ぐらいから、アジアを拠点にしていたQuicklyやeasywayが秋葉原や丸の内に出店しています。(Quicklyは今も名古屋にある)
この頃からタピオカは白から黒へ。
サイズも大きくなって食感もモチモチに変わっています。
当時のメニューボードをみると、ミルクベースや豆乳、フルーツティーベースなどだったようですね。甘さは「無糖・微糖、ベーシック」から選択、この時に太いストローは登場していきます。
面白いのはタピオカはドリンクの上に乗せられていること。合わせるドリンクでは、紅茶を使用したミルクティーやコーヒーであるカフェオレでした。
▶2011年・タピオカ、コンビニに参上。
2008年以降のタピオカブームによって、タピオカドリンクはコンビニにも陳列されるようになります。2011年の安曇野食品さんのリリースを読むと、タピオカミルクティーやカフェラテ、バニラミルクの3フレーバーで発売されています。
この時もまだ紅茶×タピオカ。コーヒー×タピオカが主流の時代です。
▶2013年・大きな分起点となる春水堂との出合い。
タピオカの歴史は大きく【春水堂以前】と【春水堂以後】に区分できるんじゃないかなと思うぐらい、高級台湾茶との出合いはエポックメイキングな出来事として整理できる気がします。
【春水堂以前】
・プロダクト:紅茶(完全発酵茶)のミルクティーが大半
・拠点:秋葉原
・ポジション:手軽な飲み物≒フードコートの世界観
・価格:350円(small)
【春水堂以後】
・プロダクト:台湾茶(半発酵茶)
・拠点:代官山
・ポジション:ちょっと気分が上がるドリンク/ライバルはスタバ
・価格:450円(店内)
↓春水堂の歴史。
既存のミルクティーやカフェオレにプラスオンされたトッピングから、高品質な台湾茶との出合いによって【台湾のティー文化の体験】としてタピオカも出現するようになり、存在が格上げしたように感じます。
紗栄子さんで言うと「ダルビッシュとの結婚」でしょうかね。ここで若手タレントから、格上げされたイメージに近いです。
▶2015年〜・ゴンチャ、ジアレイ上陸。ゴンチャ、ジアレイ日本上陸。
春水堂のブームによって、アジアンティー各社が日本市場を再認識します。台湾のゴンチャは2015年に原宿・表参道に上陸。
2017年には「ジ・アレイルージャオシャン/THE ALLEY LUJIAOXIANG」が表参道に、CoCo都可が渋谷センター街にグランドオープンしています。
タピオカドリンクで言われる「おしゃれなカップ」の分起点は2017年ではないかなと思います。ご覧いただている通り、ゴンチャも上陸時はこの謎の渦巻‥。ジアレイの2017年頃からクリアにパッケージのトンマナも変わっていきます。
▶2018〜2019年・3度目のタピオカがブームに。日本中がタピオカ!
18〜19年のタピオカの人気の「規模感」を輸入量で見てみると、17年→19年で約3倍の6Kトン!!!
それもそのはず、その数年間の間で新規参入が相次いでKOI Thé、Chatime、Comma tea、Happylemon、珍煮丹(ジェンジュダン)、
モッチャム、茶加匠、台湾甜商店‥が上陸。2020年に日本にやってくるタピオカ店も少なくありません。
▶食ブーム=喫食量=店舗数×数量。
ブームを創るにはとうぜん「供給先」も求められる。
ちょっと話しそれてしまいますが、ブームって需要と供給のバランスが重要だって改めて思います。
需要があっても供給できないと雪だるま形式で話題が膨らまない。
食ブーム=喫食量≒SNSなどの露出量と言えるはずなので
=店舗数×数量となるわけで、新規参入が比較的簡単なことで店舗数が増えれば、自然とブームは爆発的になります。
なので、新規参入しやすい商売か、またはド体力があるトップシェアが頑張るかの二択だろうな。大きな社内トレンドを創るなら‥。と思ったり。
▶タピ活はコーヒーショップに。
タピオカは専門店に限らず様々なチャネルに飛び火します。完全にライバルポジションのコーヒーショップもタピオカを導入。ドトールやダリーズ‥そんな中で手を出していないのがスターバックス。王者の風格‥!
▶ファミレスでもタピ活。
ココスやバーミヤンでもタピ活ができるようになっていますよね。ファミレスによって年配層もタピオカを楽しんでいるとか。ココスさんは本気度が違っていて、話題になっていました。
▶金色、真っ白‥、タピオカのブームはTo be continued‥
最近は白色のタピオカや金色も登場しています。
白タピオカを扱っているミルクシャは、タピオカ発祥の地・台湾のミルクスタンドで国産生乳100%の濃厚でフレッシュなミルクを使用しているらしいです。
こちらはゴールデン!魚卵のような感じで私はギョッとしてしまいました。
▶これほどまでに愛される理由は、七変化力とネーミング。
ここまで愛された食材って近年ないな〜と思います。パンケーキもチョコミントもかき氷もこの規模ではない。ドリンク特有の強みでもありますが、ブームが継続している秘訣は「変数の多さ」による七変化力と、
あとは「タピオカ」というネーミングの可愛らしさじゃないかな〜と一周まわって思う私。
これが、原材料の「キャッサバ」とかだったら、ピンとこないと思うんですよね。人と会話したくなるネーミングのパワーも感じます。
2020年もタピオカは、薄く注目していきたいですね。
(最後に、私はタピオカドリンクが全然好きではない)
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