薬局にて学んだこと23 流れを変えるために 

 人のまわりをめぐる経脈(けいみゃく)をめぐらすことは、たんに病気治療だけではなく、その人の人生を変えるためです。経脈は、思いを発信して引き寄せをしたり、危険を察知して身を守るはたらきをしています。病気をしたりつまづいたりするのは人生をつくってゆく上での学びであり、あなたが生きてきたそれまでの積み重ねの中で、何かを変えなさいとを教えているのです。
 
 病気も人生の上でのつまづきも、あなたのまわりからもたらされます。風邪の場合は、寒さや疲労、気抜けなどの原因で経脈が弱った時に引きますし、精神的なダメージを受けるのも、他人からの冷たい一言であったりします。それは、ある人にとっては打ちのめされる言葉や状況でも、別の人にとっては気にもとめないことかもしれません。
 
 ただ、風邪でしたら時間の経過とともに自分で治して良くなりますが、慢性病の一部などは、体の中が良くなりかけても、その人のまわりの流れが悪いために治ることができなくなった状態です。そして、病気が良くなっていく時というものは、病気が治るためのきっかけがまわりから入ってくるものなのです。
 
 また、事故や災難に遇ってしまうと、その人のまわりに事故や災難に遭う道がついてしまうために、それは続くことになりやすいのです。以前こちらにみえた人が、車で運転していると何度も追突をされるので、運転をやめてタクシーに乗ったら、今度はタクシーが追突されたと言ってみえました。こんなこともあるのですね。二度あることは三度あると言いますが、三度ではずれる類のものであればまだ良いのですが、その人の一生にわたって続く悪い流れだったら、それはぜひ変えたいことでしょう。
 

 人は皆、それぞれ経脈に自分の癖を持っています。長い年月をかけて、自分の癖に従ってその人らしい顔や体をつくってゆきます。「40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持て」とリンカーン元大統領が言っていますが、自分の経脈によって引き寄せてつくった人生の結果が、その人の顔や体にあらわれてきます。人が病気をしたりつまづいた時は、自分のまわりの流れをも直さないといけない時です。

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