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女性政治家の資質について -河村建夫先生へのインタビューから

2009-2013 年に自民党の選挙対策委員長をなさっていた河村建夫先生に、最も自民党が重視する「女性政治家の資質」についてインタビューをした時のことをまとめます。

河村先生が選対委員長を務めておられた2009-2013 年の自民党といえば、下野による大敗から第二次安倍政権誕生以後1年間という激動の時代でした。この間、政治的な基盤の拠点となったのは、自民党の地方組織です。自民党の地方組織には、きめ細かく、そして強固な政治的基盤が存在すると言われています。その中心的な存在は、地方政治家です。

これから国政政治家を目指す方にも、地方政治家を目指す方にも、すでに政治家である方にも、自民党が構築する「女性政治家像」を思い描くのに役に立つかと思うので、記しておこうと思います。

河村先生によると、2009-2013 年に選対委員長をしていた頃は、男性であると当選が難しいが、女性ならば勝てると党が判断した時に、女性新人候補者の擁立が促進される傾向があったそうです。

その上で女性の新人候補者には、下記の2つの特性のうち、いずれかを持っている必要があるとの見解を、河村先生はお持ちだそうです。

女性新人候補の特性のうち、一つは知名度、そしてもう一つは「やる気」です。

河村先生は、議席を確保するためには、候補者が政治的な基盤を持っていることが重要であるという前提に立たれていました。その前提に立つと、男性の新人候補者は、同窓会や同級生グループといった政治的な資源を持つことが多いものの、女性の新人候補者にはそれがないという理解へと繋がると、河村先生は説きます。
だから必然的に、女性の新人候補者はそれらの資源によらない、知名度を必要とする、といった論拠が導出できるわけです。

またもし、その女性新人候補に知名度がない場合は、もはや「やる気」でカバーするよりほか「妙案がない」とも、河村先生はご指摘なさっていました。

つまり、「知名度」も「政治的な資源」も持たないならば、「やる気」を武器に、政治的な基盤を片っ端から切り拓いていく必要が生じる、ということです。

そうした「やる気」という資質を、河村先生は「女性のパワー」と表現しておられました。

自民党はこれまで、「女性のパワー」を持つ人を、中央組織による一本釣りや、公募制度をつうじ、擁立してきたわけです。「女性のパワー」が見込まれ、河村先生の指揮の下に新たに擁立された女性政治家は、衆議院で11名です。

彼女らが、政治活動の拠点となる地方において、「やる気」をどのように活かし、政治的な基盤を切り開いてきたのか、その際の課題は何か、という点については留意が必要でであり、今後の知見に委ねられます。

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