【11日目】空を飛んでわかった僕の知らない世界


今日は空を飛んできた。上空は35m。ここは澄みきった青空が見える小山の頂上。辺りには緑の芝生が一面に広がっていた。そう、僕と彼女はパラグライダーに参加したのだ。

「空を飛んでみたい」

小さい頃からこの夢をいつしか叶えたいと思っていた。ついにその念願の夢が叶ったのだ。

リュックを担ぎ、パラシュートに繋がる紐を持つ。脚はもう緊張と恐怖でガクガクしていた。(恥ずかしかったので他人にバレないように繕っていた。)

そしていよいよ僕の出番が回ってきた。頂上から急斜面になっている丘があるのだが、その急斜面を下るようにダッシュした。地面を蹴るように本気でダッシュした。すると芝生から徐々に脚が離れていき、ついに僕は空を飛んだ!

地から脚が離れ空へ送り込まれた瞬間、凄まじい快感に包み込まれた。

「くぅ〜きもちぇぇぇぇ!」

五感が研ぎ澄まされる。自然豊かな阿蘇を眼でとらえ、田舎独特の澄んだ空気を吸い込む。優しいそよ風と共に戯れながら空を降りて行った。飛行中、幸せホルモンが過剰に分泌したせいか、思わず微笑んだ。幸せだった。くぅ~!!!

僕はこうして鳥になることができた。あっという間に2回の飛行が終わった。楽しいひとときほど時間の経過が早い。

今回も彼女の凄さに関心したのだが、それを綴ろうと思う。

彼女は今日も「意欲的だった」。パラグライダーの体験が始まる前、インストラクターの方から飛び方などのレクチャーを教わっていた。僕たち6人の参加者は綺麗に横並びになって聞いていたのだが、彼女だけは違っていた。横並びの列から3歩ほどはみ出し、間近で聞いていたのだ。そして彼女は怒涛の質問攻めをしていた。もう1人だけ学習意欲が桁違いだった。120%のニコニコも安定していた。

もちろん、パラグライダー体験のトップバッターは彼女。しかもインストラクターからの独占指名だった。世渡り上手というか、こういう意欲的な人が愛されるし、頼りにされるし、どんどん成長していくんだろうなと実感した。


さらにさらにだ。プロパラグライダーのおいちゃんの話も新鮮そのものだった。そのおいちゃんは、パラグライダーの世界大会に出場する程のトップ選手だ。ヒマラヤ山脈の標高2,000mあたりから飛び降り4,000mまで昇降したり、半径10km以内であればどこの山から飛んでも正確に着地できることなど、この道のプロならではのぶっ飛んだ話が半端じゃなく面白かった。他にも標高が高いので、鳥ちゃんたちと一緒に浮遊したり、本当はルール上ダメだけど、雲の中に突っ込んだりなど凄く楽しそうにそして誇らしそうに話をしていた。ちなみに雲の中は、霧の中にいるのと同じらしく、当たりが真っ白になるので相当危険らしい。

どこかの道のプロの話は、本当に興味深い。全く知らない世界が開けるので、知見も広がるし、そういう行き方に惹かれる。

今回の旅は、色々な道のプロの話を聞ける旅になっている。お茶のプロ、グルメのプロ、パラグライダーのプロ、温泉のプロ、みんな活き活きと働いている。

何かを極めるということは、その当本人にとって善であることを身に染みて実感した。今は不安に感じることが多いが、将来の自分に必ず感謝される時期が必ず来る。


今日も、学びの深い一日となった。明日も楽しむぞ!