見出し画像

【声劇台本】異種の恋は昔の思い出

男女1:1のお話。
語尾改変は、多少であれば構いません。

イラスト:めでたいこ様

•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆

女性:遠い昔
   わたくしは、恋をしました

女性:相手は人間
   決して結ばれない

女性:妖の血が半分もあるわたくしに
   そのような事が許されるはずもない

女性:だって、知っていますもの…
   人間と妖の恋の末路を

男性:俺は遠い昔、恋をした

男性:その人は妖で
   俺とは住む世界が違って

男性:それでも何とかしようとした
   だけど…彼女の意思は変わらなかった

男性:種族の違いは難しい
   お互いが幸せになれない

男性:それでも、何度生まれ変わろうと
   きみを見えるようになるまで鍛錬を続けるよ

【後日談(場面転換)】

男性:「迎えに来たよ」
女性:「…本当に、来るなんて」
男性:「言っただろう?
    俺は諦めが悪いんだって」
女性:「そうでしたわ。あなたはそういう方でした」
男性:「でも、ここまで転生を繰り返すことになるとは」
女性:「記憶はお持ちだった…のでしょう?」
男性:「あぁ。ご丁寧に毎回、手紙というか
           言い伝えのようになっているから
           困ることはなかったが…
           歯がゆさは感じていた」
女性:「歯がゆい、のでしょうか?」
男性:「歯がゆいさ。ずっと想い人を見ることが出来ないのだから」
女性:「…そうですね」
男性:「きみは違ったのか?」
女性:「え?」
男性:「ずっと、俺のことを見ていたんだろう?」
女性:「っ!」
男性:「視えなくても、気配は感じていた」
女性:「そうですか…」
男性:「どうなんだ?」
女性:「ずっと…
    時代が変わりゆく様を見届けながら
    あなたが視てくれる日を、
    ここへ来てくれる日を、
    淡い期待だと思いながらも待っていました」
男性:「そうか…よかった」
女性:「ずっと、姿の変わらないわたくしを
           お傍に置くおつもりですか?」
男性:「あぁ。恋焦がれた相手を
           やっと視ることが出来たのだから」

女性:わたくしは妖。
   決して人と交わることはないと思っていた。
   だけど、愛してしまった。
   忘れることは出来なかった。
   これは、わたくしが背負う罪として
        受け入れましょう。

男性:俺は人間。
   何度も転生をする度に
        視えない自分にいら立った。
   それでも、精一杯生きてきた。
   きみが見ていてくれるような気がしていたから。
   きみに恥じない男でありたいと思ったからだ。
   これから先、きみと生き抜くために。
   これは、俺の業(ごう)だ。
   背負う罪として受け入れよう。

•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆

元々は別々のお題だったのですが
上手く2人読みに出来ないかと
書いたもの。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?