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精子を確認できませんでした【転勤族の不妊治療 #02】

次は月経14〜16日目に来てください。来る前日の夜に性交渉をしてから来てくださいね。精子の量がどれくらいあるかを見ますので

初診でそう言われ、迎えた2回目の内診。

車で向かう途中、新品のランドセルを背負う子どもたちが笑いながら横断歩道を渡っていました。後ろには子どもたちの両親らしきスーツ姿の大人たち。向かっている方向を見ると満開の桜が咲く小学校があり、幸先良いかも〜!入学おめでとう〜〜とテンション高めに到着。入室早々「前回の生理期間を教えてください」と聞かれ、まだドアノブに手をかけていた私は焦り気味でスマホのアプリをチェックして回答。そして"恐怖の椅子"こと内診台へ🔥
前回も書きましたが、本当にテンポの速い先生で必要ないことは一切話しません。クリニックの口コミを見るとその無機質な感じを嫌う方もいるようで「妊娠できるかどうか質問したら『妊娠できる身体かどうかは妊娠してみないとわかりません』と言われました。ひどくないですか💢」とキレてる人も見かけました。不妊治療はガンや難病患者とは違い自分の命に関わることではないですし、予約がいっぱいで時間も限られていると思うのでそのスタンスで全然良いと思っています。変に期待を持たせられても、ダメだったとき余計にガッカリするだけですから。

初診のときよりほんの少しの痛みを感じつつも無事終了。服を整えてとなりの部屋の"普通の椅子"に座ると先生から「精子を確認することができませんでした」とあっさり言われ「?」となる私。「次はパートナーさんの精液検査をお願いします。やり方は別室でスタッフが説明するのでお待ちください」と言われ先生との2回目が終了しました。

無精子症

うっすらとそんな言葉が脳内に浮かび上がり、別室で精液検査の説明を受け帰路につきました。いつもなら「終わったよ〜これから帰るね」と夫に連絡するのですが、そうすると夫の性質上だいたい電話をしてくるので今回は断念。ちゃんと対面で伝えないといけないな、と思いました。

「早かったね。どうだった?」と夫に聞かれたので正直に伝えると、かなりショックを受けている様子。「申し訳ない」という言葉まで発していました。私は正直、いままで妊娠できなかった原因がわかるかもしれないことに少しホッとしていた部分もあったので、夫からの「申し訳ない」にこちらも申し訳なくなり、まだ正式に決まったわけじゃないこと、例え無精子症だったとしても手術で精巣を開きそこから精子を採取できるかもしれないこと(帰り道にGoogle先生から教えてもらった知識)、それでもダメだったら妊娠は諦めて思い切って某所にマイホームを建てられること(夫の夢)など前向きに話し、夫も「そう言ってもらえると気持ちが軽くなる」と言い、その日は音楽を聴いて過ごしました。