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くせ毛で硬く、毛量が多い髪。整えるのに手がかかる。というか時間がかかる。肩につくくらいの長さで、乾かすのに15分くらいだろうか。

ときどき、死んだ髪の毛が落ちる。
白髪ではなく、黒いけれど平たくなっていたりゴムのようにぶよんとしていたりして、明らかにほかと比べると枯れ葉状態で落ちる。
それを発見するのが楽しみのひとつだ。
髪がこんな風に終わることがあるのかとセロハンテープなんかでスケッチブックに貼って日付を書いて置いておきたいけど、気持ち悪いのでそれはしない。

髪が細すぎたり薄すぎたりする方が大変だと大人になってから気づいたので、だましだましこのくせ毛の多毛と付き合っていく。

大好きな尾崎翠の『第七官界彷徨』の最初の方で主人公の祖母が旅仕度をしてくれる。

祖母がこのバスケットに詰めた最初の品は、びなんかずらと桑の根をきざんだ薬であった。私の祖母はこの二つの薬品を赤毛ちぢれ毛の特効品だと深く信じていたのである。

くせ毛を伸ばすようにと祖母が言い聞かせるが主人公は口笛を吹く。
くせ毛の嫌われようが可笑しくて、この小説の最初の部分が大好きだ。

尾崎翠もくせ毛だろう。きっと。

#日記 的な話

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