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ひとんちの美しさ
部屋の模様替えをしたら、大掃除みたいにしっかり掃除ができて、すっきりした。その調子でレンジまわりを片づける。
今まで塩と砂糖を小さなボトルに入れ替えていたのが、いつからかやめている。ボトルの内側にすこしの塩と砂糖がこびりついているのをそのままにしていた。洗って片づけることにする。
今は大きめのジップロック袋に塩と砂糖を入れている。
なんだか今日は朝から芋ばかり煮ていて、気づくとずっと家から出ていなかった。祝日のせいで、どこかに出かけないと損した気分になる。
タリーズに本を二冊待って行く。祝日はみんな同じ気持ちになるのか、わりと混んでいた。すこし怯むが、席を見渡すとけっしてぎゅうぎゅうではない。グループでおしゃべりしている人たちもほとんどいなくて、みんなパソコンや本と向きあっている。
図書館で借りた本(『その島のひとたちは、ひとの話をきかない――精神科医、「自殺希少地域」を行く』 森川すいめい)を読み終えたので、お店を出て図書館へ向かう。歩いて30分ほどの道をてきとうに迷ってみる。
熟れた柿、庭の広い日本家屋。夕方の富士山。
ふだんと違う、わりと農村的な景色が美しくて、スマホで撮ってみようかと思ったけれど、あまりにもひとの家なので我慢した。
とちゅう、庭に竹かごの背負子がふたつ、伏せて重ねて置かれているのを見つけた。それには紙垂が垂らされている。そうか、勤労感謝の日はそもそも収穫か何かの祝祭日だったんだと思い出す。たしかそう。天皇制と関わりすぎるからというようなことで、戦後にふわっとした名前に変えられた祝祭日のひとつじゃなかったっけ。
帰宅して、Wikipediaを読む。今日は「新嘗祭」だった。あの背負子は美しかったなぁ。
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