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職場のゴシップ

職場での昼休みは、外に食べに行ったり、オフィスの休憩室で買ってきたお弁当を食べたりしている。あまり広くない休憩室は女性の声がきんきんと響き、頭がわんわんしたり耳が疲れたりするので、あまり行かない。

先日、特に理由もなく休憩室でお弁当を食べることにした。ひとりでオムライス弁当をもそもそと食べていると、わたしの背後のグループ席から「そのときに首を絞めるんだって。それで、口の中に指を入れるんだって」というお昼休憩に似つかわしくないような、意外と合っているような会話が聞こえてきた。Nさん(40代、大声、満員電車の愚痴を言う)たちの、突然の暴露。その後すぐにスマホの通知に気をとられ、ツイッターやらメールやらの画面を追いかけているうちにNさんたちはもう別のトピックに移っていた。いろいろ試してみてわかったのだが、わたしは文字を読んでいると音声を意識に取り込めない。目からの情報が最優先される。そしてNさんたちのあの発言だけが頭に残った。

今日、友人のYちゃんと新横浜でおいしい明太子と唐揚げを食べ(やまやの唐揚げは胃にもたれない)、スタジアムを二周散歩してスタバとかタリーズとかではない焙煎をしているお店でコーヒーを飲んで過ごした。Yちゃんはゴシップ大好きで、わたしもYちゃんとゴシップを話しているときが好きだ。

「芸能人のあのナントカさんの息子がさ、ヒモで。一緒に暮らしてる女の人の首を絞めたり、口の中に指を入れて中から絞めたり(?)して、捕まったんだよ!全然反省してないの、釈放されるとき、こうやって舌出してたんだよ」
とYちゃんは斜めに舌を出して見せてくれる。

そうかあれはNさんの性癖暴露ではなく、ナントカさんの息子の事件の話だったのか。それがわかったわたしはうれしくて、Yちゃんと口の中はだめだろうとか多様性の話とか、喋りに喋った。食べて歩いて喋って日を浴びたので、ぐったり疲れている。来週からNさんの顔をまっすぐ見られる。

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