かさぶたカサカサお受験記(最終回)息子にちゅうえいが降臨した国立本番、夫は千原ジュニアの赤パンを履いた【前編】
「自由について、お考えをお書きください」
極寒の雨降る中開場を1時間待ち続けたことで冷え切った体に、とどめを刺すような保護者作文のテーマがお茶の水女子大学講堂で発表された時
厚子は、国立専門のお教室で開かれた保護者講座で何度も繰りかえされた台詞を頭の中で反芻していた。
私立は国立とは違う。あくまで学校の方針に賛同し、研究機関としての教育現場へのリスペクトと理解、そして惜しみない協力の姿勢をアピールすること。
分かっている、それは分かっているんだ。
でもだからってこれ