ラインがわかる(その1)
はじめまして、あつたと申します。
いま競輪の開催中止が相次いでおり、選手がSNSはじめ各メディアで立ち上がっているのを目の当たりにし
せっかく競輪が大好きないちファンとしても何かできることはないかと思い
おこがましいですがブログなんか書き始めようと思います。
1記事につき1レースをフィーチャーさせてもらい
競輪ファンが「すげ~!」「おもろ~!」となるポイントをご紹介!
こういう楽しみ方なんやね~ということを徐々に分かってってもらえたらなあ、なんて。
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今回の記事はラインがわかる(その1)。
競輪には「ライン」という、競馬や競艇など他の公営ギャンブルにはない独自の概念があり
ものすごーくざっくり表すなら「持ちつ持たれつ、走る」ものだと、僕は捉えてます。
競輪のエンジンは人間の脚そのものなので、よーいどん!で徒競走的に走ると、常に「速い人=勝つ人」になってくるはず。
でも実際は多くの場合そうではなく勝ち負けがバラつき、だからこそ公営ギャンブルとして成り立つのですよね。
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今回フィーチャーするレースは
2020年1月13日に和歌山競輪でおこなわれた和歌山グランプリ 最終日10Rです。
↑レース映像はWinTicket会員じゃなくても見られるから見てみてね
これ、配当金をみるといわゆる番狂わせが起きたレースなんですが、見どころはラスト半周すぎのこのシーン。
9番(紫)は後ろから猛然と追い上げてきた7番(オレンジ)にタックル!
7番(オレンジ)はそれまでの勢いを失い、後退…。
これ、なぜ9番(紫)が7番(オレンジ)にタックルしたかというと
タックルして止めないと2番(黒)が抜かれるから。
9番(紫)にとっては2番(黒)もライバルなんだから、自分のこと考えたら無駄にタックルせずに真っすぐ走り続けたほうがいいじゃん!と思うのですが、ここでラインという概念が登場します。
この9番(紫)、映像を見てもらうと、このシーンまでずっと2番(黒)の後ろをぴったり走ってることが分かると思います。
競輪って先頭を走るのがスーパーしんどいんです、風圧で。
2番(黒)はそのしんどさを顧みず、先頭を突っ走って1着を目指しました。
9番(紫)は2番(黒)を風よけにしながら後ろを追走し、2番(黒)のおかげでラスト半周で2番手という絶好のポジションを獲得できてたんです。
たぶん、2番(黒)を風よけにしていなければ、ラスト半周でこんな好位置にはいられなかった。
その感謝があるので、7番(オレンジ)をカラダを張って止めたわけです。
そのおかげで2番は最後まで先頭を守り切ることができ、1着でゴールし、番狂わせのレースになりました。
1着となった2番車 林選手は、のちにTwitterでこんなことをおっしゃってます。
「ホームで離れてバックで脚一杯だった。でも何としてでも捲りは止めて、俺は沈んだとしてもあそこまで逃げてくれた慶次郎は助けたかった」
これはタックルした9番車 加倉選手の発言で、専門用語をなくすなら
「もうラスト半周では脚が限界で、林選手についていけなさそうだった。せめて7番車の追い上げを止めて、しんどいのにずっと先頭を走ってくれた林選手が抜かされないようにしたかった」
てな感じです。
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競輪って、ただ走ってるように見えて、こういう「持ちつ持たれつ」な関係があるんです。
だから実力が上の相手にも勝てる。
だからなかなか順当に決着しなくて、予想が白熱する。
ちょっと面白くないですか?
ラインの細かい話とか、競輪のおもしろさはまた別の記事で。
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ラインがわかる(その1)おわり。
それでは!
ラインがわかるシリーズ↓↓
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