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タイの美味しい果物の商圏

バンコクに住んでいて、普段スーパーや市場を通り過ぎると、日本では見慣れないような果物を目にする。食わず嫌いではないけど、食べるきっかけがないと中々購入する機会がない。そんな中で、マンゴスチンとランブータンを食す機会があり、これは今後もタイに居る間は積極的に食べたいと思うようになった。

マンゴスチンとランブータンの形状

マンゴスチンはタイに住んでいた友達が美味しいと教えてくれたのだが、名前の冒頭にマンゴと付くので、マンゴー的な楕円の形状をしていると思いきや、なんかリボンみたいな葉が付いていてあまり美味しそうな見た目ではない。生物学的にもマンゴーとの関係はないようです。
ランブータンはある日タイ人の同僚がお裾分け(?)でくれたことがあり、見た目的に松ぼっくりみたいで痛そうなので、自分では買わない形状だったけど、いざ食べてみるとライチにような味がして美味しかったので、スーパーでも気にかけるようになった。

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マンゴスチンについて


この2つの果物は日本では見たことはなかったけど、マンゴスチンは昔ロッテの板ガムの味で使われていたので馴染みがあった。ただ、マンゴスチンそのものが実際どんなものなのか、どんな味がするのかイメージがなかった。

マンゴスチンは、一般的に5月~8月頃の雨期にかけて旬を迎えるらしく、最近、スーパーでも見る機会が増えた。この果物を見始めたのは最近なのだが、想像とは違う形状をしていたのは先に述べた。

タイは気候等の栽培条件から世界一のマンゴスチン生産国で、2003年にタイから日本への輸出が解禁され、生鮮マンゴスチンを日本でも購入する事が可能なようです。

ドリアンを「果物の王様」と呼ぶのに対し、マンゴスチンは柔らかい果肉、強い甘みとさわやかな酸味で上品な味わいのため「果物の女王」と呼ばれるみたいで、中国市場向けに王様のドリアンと共に輸出量が伸びている。

実際、自分が食べた印象も上記教科書的な味わいを感じ取ることができて、リピート必至な状態になっています。基本的には白の実のみを食べるので食用範囲は多くはないけど実に味わいが凝縮されていて、癖になる感じです。

東南アジアの国では、ドリアンとともにマンゴスチンを持ち込み禁止を掲げているホテルがある(特に高級ホテルに多い)。
ドリアンはその匂いが強烈なためだが、マンゴスチンは皮に含まれる赤い色素でベッドや絨毯など調度類を汚してしまうおそれがあり、染料に使うほどなので容易に落とすことができないためとの事。
確かにキッチンに果皮の赤いエキスが落ちた時には、きっちり拭き落とす必要があった。
このエキスにはポリフェノールが多く含まれて、これはこれで保湿効果や動脈硬化予防に使われているようです。

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マンゴスチンの購入価格(日・中・タイ)について

バンコクでの購入価格はタイのVilla marketという欧米系外国人ターゲットの輸入物等を扱うお高めなスーパーで、1kg88バーツなので、約300円(1個当たり30円)。街の露店市場では半額くらいの相場。

中国・上海に住む友人がタイムリーにマンゴスチンにはまっているようで、上海のフーマ(アリババ系スーパー、やや高級)では、空輸価格で15個1530円(1個当たり100円、タイの3倍

日本ではJALの商社機能のJaluxが輸入代行で卸していて、2kg(20-28個)で約7500円(1個当たり約300円、タイの10倍

これらの値段の差は基本的には①関税、②物流コスト、③流通業者のマージンと考えられる。タイと中国は自由貿易協定(FTA)で果物の輸出入に関しては①の関税がかからないので、②の陸運・航空輸送コストと③フーマや仲買人等のマージンが乗っていると考えてよい。

タイと中国の商取引の今後

タイは中国に対し、新型コロナウイルスの影響で国境を通じた陸上貿易や往来が制限される中、貿易障壁への対策を講じ、タイからの輸出品にさらなる貿易円滑化措置を実施するよう求めた(2018年以降の2国間協議による)。
具体的なものとして、貨物輸送をスムーズにするため、友誼関(広西チワン族自治区)国境での貨物検査の営業時間を延長することや、食品安全性評価の完了を早める事が挙げられる。これらは陸運における高鮮度のものを中国市場に供給する事と関連する。

Alibaba傘下のEC企業のLazadaを使って、買い物をすることがあるが、モノによっては中国から運ばれることがある。ゴルフ用品を買った際にも、写真のように中国から輸送される様子がアプリ上で示されていた。

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この取引には関税は生じず、もはや中国とASEANが同一市場内で取引されるような印象を持った。
一方、日本との間にはまだ市場として地理的にも関税などのソフト面でも分断されていると思う。

タイ-中国間の陸運(鉄道を含む)の交通網を整備される動きと電子手続きによる関税障壁の極小化が進むので、ASEANと中国の同一市場化が加速すると思われる。

タイと中国の間のマンゴスチンの価格差は数年後には縮む傾向にあると思うが、日本との差はどうなるのだろうか。

結論:タイに居る間はマンゴスチンを一杯食べよう。

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