TOKI RIVER 第3話
カトーの場合
「ねぇ、バードウォッチング行かん?」
放課後、ランドセルに教科書を突っ込んでいると突然声をかけられた。
彼とはあまり話したことがなかった。
気づくと「いいよ」と答えてしまっていた。
正直、バードウォッチングが何かはよく知らなかった。
彼に聞いても詳細は秘密だそうだ。
それでも聞きなれないカタカナは
大冒険でも始まりそうな気がした。
着いたのは河川敷。
彼は『野鳥観察』と書かれた分厚い本を取り出して説明してみせた。
そこにはかっこよく双眼鏡やカメラを構えた写真が載っていた。
「よし!じゃあ準備を…」
そこで気づいた。一体何を準備する?
彼が持ってきたのは本だけ。
二人とも必要な道具は何一つ持っていなかった。
僕らの人生初バードウォッチングは、岸から裸眼で鳥を見るだけになった。
日が暮れた頃、今度はゲームで遊ぼうと約束した。
(About Story)
河川敷で子どもたちが思い切り走り回ったり、学生が水切りしたりしているところを見かけます。
そこにももしかしたら、彼らにとっての冒険やドラマがあるかもなあなんて。
この話のバードウォッチングは失敗だったけど、結局時間を忘れるくらい楽しかったんだと思います。
(Author & Selector)
kogarashiman
麦酒庭音回、
時々営業音回、
時々突撃隣之音回、
時々木枯音回。
川川川川川土川川川川川岐川川川川/||川川川川川魚川川川川川
プレイリストTOKIRIVERは土岐川にまつわるストーリーのサントラです。土岐川の普段の流れのごとく、ゆるっと更新しております。ストーリーと一緒にプレイリストをお楽しみください。プレイリストは、下記のリンクから入るとSpotifyで聴けます。読みながら聴きながら読んで聴いてヨンデキイテ…してみてください!
(オノダアツシ)
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