人間関係

カウボーイビバップ、好きなんだけど24話が特に美しくて好きだ。
フェイはずっと喪失感を抱えていて、それははるかむかし故郷をなくして、なくしたという記憶すら失っていたからであった。
思い出したときには故郷はなかった。
誰しも同じような気持ちになったことがあるんじゃないかと思う。
同じ船で旅をする仲間達はフェイたちの不在を認識するが、特段悲しみはせず不在の彼女たちのために残しておいた食事を食べる。
お互いを尊重し合う人間関係だけが素晴らしいのではないと思う。
存在を認識する。必要に応じて助け合う。
昨日『夜明けのすべて』を観た。
生き延びる助けとなるのはなにも特別な人間関係だけではない。人間はたまたま近くにいる人を愛し支え共に生きる。同じクラスとか職場とか、ときにはたまたますれ違った人とか同じ電車に乗り合わせた人、という場合もある。
一生涯その人と深い関わりを維持する可能性は限りなく低い。
なんだかこのことに思い至って私は悲しい。
私はほんとうは出会って関わった人間とはできるだけ長期的な関係を築きたい。
でも利害関係のない単なる好きな人との関係を維持するにはかなりコストがかかるので、そんなものを無限に増やすわけにもいかない。
それにどうにか折り合いをつけて生きている。

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