「ひとつなぐものら」プレイ前の想い(24/5/6)

M3で椎名かいねさんが送りだした『ひとつなぐものら』という作品。楽曲にフリーゲーム、それもフルボイス、パッケージはPS2そのもの、みたいな、明らかに価格破壊がおきている。フルプライスの恋愛ゲームで豪華版に楽曲が付くみたいな感じで合ってると思う。パッケージの細部までこだわりを感じ、「ひとつなぐものらパッケージ裏確認部」なるタグまでうまれた。ここまでやってる気がする、というより、もうここまでやってたら心配になるという気持ち。むしろ無いことに安心したまである。が、かいねさんがファンはここまでやることを知ってしまった以上、次はやりかねないというふあn……期待で胸が高まる。休まないことがわかってるからたくさん褒めようという同志たちの気持ち、なんかもう躾られてるんじゃないか。

"純愛"と聞いて思い浮かべること。真っ先に思い出す、かつての恋人。僕の人生に「愛している」と感情で、頭で、言葉で、生まれたことを。それがどんなに美しくて、輝いていて、強くて、心の支えになるか。同じだけ醜く、暗く、脆くて、崩れそうなものか。それを教えてくれた。愛というものの正体、本質。その対象への依存だと思う。愛しているその人がいることが生きる理由になり、その人の言葉ひとつに情緒が乱される。これはあれこれ考えた末の答えのひとつに過ぎない。じゃあ、愛が芽生えるのはどこから?簡単だ。「あ、この人だ」という直感。瞬間、その人が世界の中心になる。そして、関係がおしまいになってからも、いのちが続く限り絶対に忘れられなくなる。そういう人との繋がりを指して「愛」という。僕の人生では、それが愛だ。

「生きていく意味がわからない。今すぐ死ぬには理由が足りない。漫然と死にたがっている」死んでしまうまでになにか遺しておきたくて、死にたいという気持ちを間違いにしたくて詩を書いていた日々、誰にも理解して貰えなかった感情を綴った紙切れを。くしゃくしゃになって、端は破れて、誰かの靴の跡がついたそれを、名前も知らないその人は大切そうに胸に抱いて、「一緒に死んでください」と言ってくれた。ああ、この人なんだ。そう思った。僕はこの人に出逢うためにずっと苦しんでいて、これからはこの人のために生きるのだと。その人のことは、『レミニセンス』や『いつか大人になれたなら』に全て書いている。"美しい日々が終わってしまう前に、幸福なまま終わらせる方法を探していた"。

恋の始まりは突然だとか言う。愛もそうだと思う。時間なんて関係ない。誤解のないように言うと、時間をかけて想いが募ってそれが愛になるということを否定するわけじゃなくて。時間をすっ飛ばすほどの想いがあるのだと、思っている。きっと、『ひとつなぐものら』では愛の何もかもを見られるのだろう。凝縮されて、それを一度に受けて、情緒がめちゃくちゃになって。自分と、自分が愛しているその人を、その世界に重ねて、胸が苦しくなって。どうしようもなく愛している時のその痛みを感じることになるんだろう。


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