Genius Koreaのソングハイライトシリーズ第8弾!ATEEZの最もエキサイティングで歌詞が複雑な曲、"멋(The Real)(흥 : 興Ver.)"を紐解いてみましょう。-Genius Korea-より
音楽の世界では、原曲よりもリミックス版の方が際立つというのは珍しいことです。しかし、ATEEZと彼らのKingdom最後の曲である「멋(The Real)」はそうでした。"흥 : (興Ver.) "は、リズミカルなコーラスとハイパーな振り付けが特徴的なATEEZの楽曲に、伝統的な楽器と長いコーラスが加わり、2021年の最後にATEEZを爆発的にアピールする曲となりました。
Introduction
クールであること、自分らしさを持つこととは何か、新進気鋭の彼らが語る一曲。自分たちの価値観を強く信じることで、前進し、成功することができるのだと。この曲のミュージックビデオは、このメッセージを、エキサイティングなストーリー展開で表現しています。
タイトルの定義はいたって簡単です。「멋」は、スタイルと訳されますが、ATEEZが選んだように、自分のカッコよさやスワッグを表すという解釈も可能です。また、"흥 "は楽しいという意味で、"興 "は伝統的な漢字で、通常、興奮を意味するものです。従って、タイトルは基本的に "the Real (excited/fun ver.)" という意味です。
The Setting
MVは、曲の文脈を理解し、その背後にある本当の意味を見出す助けとなります。
[Intro: ホンジュン, All]
舞台となる「ATEEZ高校」は、3つの派閥に分かれています。各派閥はそれぞれ独自の価値観や信念を持ち、自分たちの方が圧倒的に優れていると考えているのです。各場所の背景には、それぞれの信条が描かれています。
ホンジュンとソンファが率いる書道チームは、謙虚さと礼儀正しさを信条としています。
サン、ウヨン率いる野球部は、情熱、献身、そして先輩への尊敬を信条としています。
そして最後に、ユンホとジョンホが率いるバイカーの仲間は、信念と忠誠を信条としています。
ということは、2×3...つまり6になりますね。
では、他の2人のメンバーはどこに行ったのでしょうか?
MVのリアクションでサンがコメントしているように、ミンギは「嵐のように新しい学校にやってきた」転校生なのです。
道徳の本を読んでいる姿は、彼が価値観や信念を持って生きていることを象徴しています。また、ミンギが超能力を持っている可能性も示唆されており、それによって学校の活気が失われることになります。
ヨサンの正体を説明するのは難しいです。彼は「学校のイケメン先輩」と自己紹介していますが、どちらかというと学校の平和を守る役割を担っています(これは動画の後半で紹介します)
Verse 1
この曲の1番の歌詞では、各派閥のメンバーが1人ずつラップをしながらセリフを歌っています。まずはホンジュンから。
[Verse 1: ホンジュン]
おいっ いい加減にしろ お前らのカッコ良さ
やれやれ,つまらない
ぶらぶらとダメなtype
いつも知ったかぶりで口ばっか(意訳してます💦)
Hmm、そうそう、みっともないな。ほんと。
ホンジュンは、4行目に「빈 수레가 요란하다」という韓国語の慣用句を使っています。これは直訳すると「からっぽの車が騒がしい」という意味で、知識の浅い人ほど知っているふりをして騒がしいという意味です。
[Verse 1 (cont.): ウヨン, ユンホ]
もっと眉をひそめて、
Butお辞儀は90度。
ズボンをもっと下げて
足並みはnot dum-di-ri-dum, dum-di-ri-dum-dum
ウヨンのパートでは、偽善について話しています。韓国の文化では、お辞儀は敬意を示す最も一般的な方法です。
90度の角度をつけてお辞儀をするのが最善のやり方ですが、日常生活ではあまりやらないですよね。
ほとんどの人は 45 度、または非常に敬意を表す状況では、70 度のお辞儀をします。
もし、実際に90度のお辞儀をするのであれば、それは相手に対して大規模な敬意を示している、あるいはそのようなふりをしていることになります。このように、ウヨンは基本的に、人に隠れて反抗的な態度をとりつつも、いざとなると怖気づくような人物を描いています。
ユンホが「もっとズボンを下げて」と言ったのは、「Sagging」というファッショントレンドのことを指していると思われます。「ズボンやジーンズの上部が腰よりかなり下になるようにたるませ、時には着用者のパンツが見えることもあるファッションです。」これは男性に人気があり、かっこいいと思われることが多いようです。
続くオノマトペは、サビで繰り返されること以外、何も言及していないように思えます。
それはおそらく、自慢げにカッコだけつけている人は、まだATEEZのようにビートを刻めないから関係ないってことなんだと思います。
Pre-Chorus 1
[Pre-Chorus: サン, ジョンホ, ソンファ]
俺らは熱く生きる
しかし誰よりも
Humble & Kindness(謙虚さと優しさ)
自分の信念を守って
1行目は、ATEEZがアクティブで野心的な生き方をしていることを意味し、それにもかかわらず、彼らは "謙虚で親密 "であることにこだわると説明しています。このセリフはMVの伏線となっており、最終的に3つの派閥がこの2つの価値観のもとで団結することになるのです。
このプレコーラスの部分は、サンとウヨンが野球部を率いて廊下を歩くシーンと対になっています。
[Pre-Chorus (cont.): サン, ジョンホ, ソンファ]
誰でも丁寧にお迎えして
姿勢は低く目つきは
Keep it up, up, up, up(そのまま上へ上へ上へ)
こういうのがまさに粋ってもんだから (Ayy!)
この歌詞は、先輩に敬意を払うとき、姿勢を低くし、目線を低くするという礼儀作法を表現しています。直後に続く「keep it up」は、「up」のダブルミーニングを使った言葉遊びで、方向性を示す「up」と、励ましの言葉としての「keep it up」の両方の意味を指しているのです。
Chorus 1
[Chorus: All, (ホンジュン), ユンホ, ヨサン, ジョンホ]
(Welcome, my class!)
全て心に刻みな
俺たちを見て 俺たちのダンスを見て、wow
Du-ri-dum, du-ri-dum, du-ri-dum-dum (Hey)
Du-ri-dum, du-ri-du-ri, du-dum (Oh)
Du-ri-dum, du-ri-dum, du-ri-dum-dum
俺たちを見て 俺たちのダンスを見て、wow
サビでは、ATEEZの3つの派閥がそれぞれミンギの周りを踊り、ミンギを感心させ、リカバリーをしようとします。ここで、彼らのダンスは、彼らが「멋」、つまりカッコよさをアピールしていると解釈することができます。
ミンギは彼らの努力にもめげず、自分の影響力だけで生きていくことを選択するのですが、この曲はまさにその気持ちを表現しています。そして、その後に続くのがラッパーのヴァースです。
Verse 2
[Verse 2: ミンギ, ソンファ, ヨサン, ユノ, (All)]
このドラマの原作 主人公だと思ってるだろ
死んでも分からない終わりが見える時気づくんだ(Woah)
認められなかった真実現実はすべて分かる
もう終わったんだ 崩れる時 お前は身の程を知るだろう
Verse 2では、劣った価値観で生きている人たちに真っ向から向き合っています。ミンギはここで、気取った生き方をしている人を描いています。
MVの対応するシーンは、この点を補強しています。
まさに韓国作品に期待されるように、「ATEEZ高校」には学校のいじめっ子が登場します。ミンギのラップの歌詞に対応して、主人公の彼ではなく、いじめっ子が彼に歩み寄ってドラマを起こすのです。
このシーンは、ミンギのこの価値観に対する信念の強さ、あるいはこの価値観がミンギに与える強さを示していると言えるでしょう。
[Verse 2 (cont.): ミンギ, ソンファ, ヨサン, ユンホ, (All)]
お前それじゃ駄目だよ (I talk about you)
そんなんじゃダメ (そんなんじゃダメだ)
本物ってのは(Real recognize real)
謙虚に 謙虚に(Oh-oh-oh, yeah-eh)
ミンギの「謙虚に、謙虚に」という歌詞の中で、ヨサンが平和を連想させる白いハトと一緒にミュージックビデオに登場します。これは、ATEEZがいかに自分たちの価値観に忠実で、喧嘩をするような状況に陥らないかを表しているのかもしれないですね。
Pre-Chorus 2
[Pre-Chorus: サン, ジョンホ, ユンホ]
俺らは熱く生きる
しかし誰よりも
Humble & Kindness(謙虚さと優しさ)
自分の信念を守って
誰でも丁寧にお迎えして
姿勢は低く目つきは
Keep it up, up, up, up(そのまま上へ上へ上へ)
これがカッコ良さよ
MVでは、メンバー全員が派閥にとらわれず、ある程度同じ方向を向いている姿を初めて見ることができます(洒落っ気たっぷりで)
このシーンには、いくつかの謙遜の表現があります。まず、何人かのメンバーがやっているこの手のしぐさ。Japanese language Stack exchange forumによると、このジェスチャーはアニメのキャラクター、特にポケモンのサトシ(アッシュ・ケッチャム※英語圏の呼び方)が褒められた後に照れ隠しでよくするものだそうです。
これは、私たちが気まずいときや恥ずかしいときに首をかくのと同じように、直感的にできる仕草なのです。これは、このグループが大切にしている価値観のひとつである「謙虚さ」を示す方法なのです。
背景には、車いすの横でお年寄りを運ぶサンの姿も見えます。ホンジュンの制服の上着の前では、メンバーがKowtow(頭を地面につけるお辞儀)と90度のお辞儀をしている姿も見えます。お辞儀は最高の敬意を表すものです。
ソンファも "ストップラインを守りましょう "と丁寧な言葉遣いで書かれた横断幕を持っています。これは、メンバーが優しさと謙虚さを示すべきときとそうでないときを知っていることを示しているのだろう。
MVでは、サンが燃えるバットを持ちながら "I keep my beliefs "と歌うなど、派閥間の対立がいまだに強いことが特徴的です。
2nd Chorus
2番のサビで、学校の中庭で3つの派閥が対決するところでは、派閥の対立が大きく描かれています。皮肉なことに、彼らは皆、同じ振り付けで踊っているのです。
ヨサンはその様子を横目で見ながら、中立の立場を示しています。
ミンギは、派閥の違いを無視して、どこにもいないのです。
サビの最後にホンジュンが掲げる扇子には「겸양지덕(謙遜/謙虚)」と書かれています。
Bridge
[Bridge: ホンジュン, ミンギ, ウヨン]
Ha-ha-ha-ha-ha
Yah.屈みなさい 成熟するほどに
Yah,口を滑らすな 成熟するほどに(Ayy)
頭を低くして 成熟するほどに
お前たち、よく学べ 成熟するほどに
ホンジュンが警告と批判の口調になると、MVでは急に赤くなり、激しいシーンになります。この節では、より年齢の近い、おそらく10代後半から20代前半の人たちに向けて話していることが明確にされているようです。この部分は、10代の頃の時代遅れの価値観のまま、成熟しないまま生きている人たちへの批判かもしれません。
[Bridge (cont.) ホンジュン, ミンギ, ウヨン]
屈みなさい 成熟するほどに伸びていないラーメン
時間が経つにつれ増える標的
態度は丁重 自分の信念のために
毎瞬間 打ち合い、agh!
踊りましょうか
"伸びたラーメン "は、多くの人がラーメンの食感を好むことから、不運や悪いこと全般の比喩として使われています。このセリフと最初のセリフを組み合わせると、ミンギは、謙虚さを示すことで決して悪い場所に行くことはない、と言っていることになります。
¨一瞬一瞬にぶつかり、受け止める。
ダンスは今、始まる。
最後の2行は、ATEEZのアイドルとしてのライフスタイルにちなんだものです。アイドル、特に有名なアイドルは、たいていとんでもなくスケジュールが詰まっています。最後の文にあるダンスは、やはり彼らのかっこよさの比喩で、謙虚さと優しさでここまで来たのだから、今が輝くときだということを象徴しています。
MVでは、この歌詞が最終決戦の始まりを表しています。
ウヨンからボールを受け取ったミンギは、ソンファ、ジョンホとともに、それぞれのスタイルで対決します。
Last Chorus
この対決は、まずミンギの道徳の本の改訂版を作り、次にヨサンを呼び寄せるという稲妻を生みます。
この決着は、3つの派閥がみんなクールで、謙虚で親切という大きな枠組みの中で、それぞれの価値観を発揮できることに気づかせてくれるようです。
ヨサンの存在がきっかけとなり、ラストシーンではついにメンバーがひとつになります。
Outro
[Outro: All, ジョンホ]
Du-ri-dum, du-ri-dum, du-ri-dum-dum (Hey)
Du-ri-dum, du-ri-du-ri, du-dum (Oh)
Du-ri-dum, du-ri-dum, du-ri-dum-dum
こらがまさにカッコ良さです
最後にジョンホの宣言で90度のお辞儀をし、最後に謙虚さと優しさを見せるのが、彼らのスタイルとカッコよさの共通点です。
Closing Remarks(閉会の挨拶)
この曲を通して、ATEEZは、私たちがしばしば不安になる人格の一面に触れています。外的な圧力や社会的なトレンドによって、私たちはしばしば自分の価値観を捨ててしまうことがあります。しかし、この曲が教えてくれたことは、謙虚さと優しさという価値観のもとで生きていくことは、決して悪いことではないということです。
しかし、今、辛い思いをしている人にとっては、この結論は安っぽく感じられるかもしれません。そんな方は、2つ目のメッセージ、"誰よりも、自分の信念を貫く "に共感していただけるのではないでしょうか。このメッセージは、ミンギが大きく体現しており、特に学校を舞台にしたMVということもあり、個人的にはとても感動的でした。
私も含め、多くのATEEZやK-POPファンは、クールで人気者であることが大きな不安材料となる学校生活の中で、日頃から他人と接しなければならないのです。この曲で、ATEEZとともに、このような厳しい時を乗り越えてくれることを期待したいです。
【Photo credits: KQ Entertainment】
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