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ジョン・ラーム、急転直下のLIVゴルフ移籍

 マスターズ優勝を含め今季4勝し、PGAツアー11勝(メジャー2勝)とDPワールドツアー8勝を挙げ、現在の男子ゴルフ世界ランク第3位である、スペインの強豪ジョン・ラーム(29)が7日に(現地時間)、LIVゴルフへ移籍すると表明がありました。

 現在PGAツアーとLIVゴルフが和解し業務提携をする話がありますが、今年中に取りまとめる予定が遅れ、現在も進捗がありません。
 そんな中での移籍劇、何があったのでしょうか?


1.ラームがPGAツアーに「不満」がある?

(参考)「噂」が、ついに現実化。なぜ、2023年マスターズ覇者、ジョン・ラームはリブゴルフへ移籍!?(Yahoo)

 現在PGAツアーでは「プレーヤーズインパクトプログラム(PIP)」という制度があります。
 選手の成績だけではなく、インターネット検索、SNSやテレビ、報道での露出、ファンの認識度などでツアー人気への貢献度がどのくらいあるのかを示す指標です。
 そのランキングにより、選手にボーナスが支給されます。
 昨シーズン(2021-22シーズン)から始まった制度ですが、出場試合数の義務があり(20試合以上出場、シグネチャーイベントは1試合まで欠場可)、それを満たないとボーナスが満額もらえないという仕組みです。

 昨シーズンはタイガー・ウッズがPIPで1位になり、800万ドルを獲得しました。
 さて今シーズンの1位になったのはローリー・マキロイ。1500万ドルのボーナスを獲得しました。PGAツアーでは1400万ドル余りを獲得しているので、それ以上のボーナスです。
 2位はタイガー・ウッズで1200万ドル獲得、そして3位がラームで、900万ドルを獲得しました。

 ただここで腑に落ちなかったのがラーム。
 自分より今季の成績が劣るマキロイ(今季PGAツアー2勝)がなぜPIPでは1位になったのかことが不満になるのも分からないではありません。
「ただの人気投票だ」と言われてもPGAツアーサイドも反論しにくいでしょう。

 加えてラームは、PGAツアーに施設面の改善も要求していました。
 コース内のトイレ、選手関係者(家族やトレーナー)などに食事や駐車場の面で待遇を良くしてほしいなどと。
 一応はPGAツアーサイドも改善はしていくとはなりましたが、ラームを引き留めるまではいきませんでした。

2.やっぱり莫大な「移籍金」

 今回ラームに支払われる移籍金が、LIVゴルフ史上最大の5億ドル。
 フィル・ミケルソンで2億ドル、ブルックス・ケプカで1.5億ドル。
そう考えると今回のラームは破格の移籍金になりました。
 またラームが用具やアパレルを契約するキャロウェイもサポートすると、Xのポストにありました。

3.移籍劇がどう影響するのか?

 まずはラームのPGAツアーの出場がこれで紛失してしまいますので、フェデックスカップポイントの順位がまず1人繰り上がります。
 そうなるとフェデックスカップポイント51位だったマッケンジー・ヒューズが50位に入り、シグネチャーイベント全8試合の出場権を獲得。
 次にフェデックスカップポイント(フォール)で61位だったアレックス・スマイリーがシグネチャーイベント2試合(AT&Tペブルビーチプロアマ、ジェネシスインビテーショナル)の出場権を獲得。
 126位だったカール・ユアンが、フルシーズンのツアーカードとプレーヤーズ選手権出場権を獲得。
 151位だったポール・ハーリーⅡが準シード権を獲得する格好になります。
※まだ公式から発表がありませんが、昨シーズンもLIVゴルフ移籍者が出た場合は繰り上がりになったため、適用されるものと思われます。
(12月12日 追記)
 ラームがPGAツアーメンバーから外れて出場停止処分になることが、公式にも発表されました。

 ただラームがキャプテンになり、1チーム増えた13チームで来年以降のLIVゴルフが開催されることもあり、ラーム以外の他3選手が必要です。
 この移籍劇に触発された選手が、今後出てくることもあり得ます。
 そうなると、フェデックスカップフォール153位でツアーカードを喪失した小平智も、準シードまで繰り上がることが考えられます。

4.来年以降、世界の男子プロゴルフ界はどうなる?

 正直「寝耳に水」の話で、落ち着いて考えることができません。
 ラームがPGAツアーから離れること、また世界から選りすぐりの”逸材”が参加することでより混戦になり得そうな状況にもなりそうです。

 考えがまとまったら、後日記事にまとめます。


 

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