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2021.4.1 「秘・み・つ」を「内緒」に改める法案大詰め み・つを避けるため  問題は憲法

エイプリル・フール・ニュース08
本当は、前年(2020年)に考えていたものなのだけど、エイプリル・フールのうそはやめておこうということが言われていたことと記事中にあるように漢字を使わないことをどうやって表現するかがうまくいかなかったこととであきらめたものです。でも、前年(2020年)にはつい別のを作っちゃたし、ということで、作ってみました。漢字の問題は以下の記事にあるようにしてみたけど、うまくいっているのかどうかわかりません。
記事中の組織、人物等は架空のものです。実在のものとは一切関係がありません。

「秘・み・つ」を「内緒」に改める法案大詰め
み・つを避けるため
問題は憲法

                           2021年4月1日

 現在、政府において、特定秘・み・つ保護法などの法律で使われている「秘・み・つ」という用語を「内緒」という用語に改めるという法案の検討が行われているが、その作業が大詰めを迎えている。
 この法案に至るきっかけは、特定秘・み・つ保護法に「み・つ」という字が多く使われているということが問題とされたことである。同法では、法律全体で多数の「み・つ」の字が使われ、3つ以上使われている条もあることから、3み・つを避ける必要上問題があるとされたのだ。
 この法案は、当初から難航した。
 まず、本記事においても同様であるが、み・つを避ける必要から、漢字を用いることは避けるべきということになる。しかし、法律上は改正がない限り漢字で書かれているものは漢字で書かなければならないので、法律上は漢字を使わざるを得ない一方、法改正を考える際の会議や説明でこの漢字を使わないとするとどうしたらいいかが問題となった。担当者によると、当初は伏字にすることも考えられたが、「●を避ける」では意味がわからないし、「秘●」とするとワイセツな感じがするという声が上がったため、「み・つ」、「秘・み・つ」と表記することにしたとのことである。法律の改正にあたっては漢字で表記することになるのはいうまでもない。ちなみに、伏字をワイセツだと言った人物は誰かと担当者にメールで尋ねたところ、「それは、秘・み・つ」との返事がきた。
 さらに、それでは「秘・み・つ」という言葉に改めればよいのではないかという議論もあったが、内閣法制局が難色を示し、検討の結果「内緒」に改めることになったのである。ところが、このことがかえって問題となった。この法案について検討が始まった今年1月、「秘・み・つを内緒に改める」という形で話が伝わったことで、秘・み・つ事項を、内緒に、つまり人に知られないような形で、さらに隠すという意味に受け取り、政権に都合の悪い話を隠蔽することを考えているのではないかと野党側が猛反発したのである。この点について、事務方が野党の各議員のところを回り、あくまで用語を変更するということだと説明をし、事態は一応沈静化した。しかし、野党側の一部にはなお問題視する議員がいる。
 一方、法案の中身についても問題が生じている。当初は、秘・み・つという用語が多く使われている特定秘・み・つ保護法の改正だけを行うことが考えられていた。しかし、その場合、極力「み・つ」の字を減らそうとしても、題名と改正文と本文で「み・つ」の字を最低3回は使わなければならなくなる。この点は、3み・つを避けるということからやはり問題であるとされた。そのため、全法律の一部改正法案として、「全法律中「秘・み・つ」を「内緒」に改める。」とすれば、「み・つ」の字の使用は1回にできるということが考えられた。しかし、「全法律中」とすると、「秘・み・つ」という言葉がない法律をどう考えるかという問題があるほか、国会法の改正については憲法上の問題があるということが問題となった。国会法の「秘・み・つ会」という用語は、憲法57条からきていることから、改正することはできないという疑問が出されたのである。この指摘が受け入れられ、最初からまたやり直すことになった。そこで、「次に掲げる法律中「秘・み・つ」を「内緒」に改める。」として、改正する法律を列挙する形にすれば、先に述べた問題も解消し、特定秘・み・つ保護法の題名と合わせて、「み・つ」の字の使用が2回ですむのではないかということが考えられた。しかし、題名に「秘・み・つ」という用語がある法律には、特定秘・み・つ保護法のほかにMSA秘・み・つ保護法があることが分かり、これも見送られることになった。現在では、民法等の一部改正法案として「民法その他の法律(次に掲げる法律を除く。)中「秘・み・つ」を「内緒」に改める。」とし、改正のない法律を列挙する方向で作業が進められている。
 一方、この際憲法改正をして、憲法上の「秘・み・つ」を「内緒」に改めるという動きがあり、事態を複雑にしている。憲法改正を主張する議員たちは、憲法では「秘・み・つ」が5箇所あるので3み・つを回避するという意味で改正すべきだと主張する。しかし、国会の秘・み・つ会を内緒会とすることに抵抗する勢力もあることと国民投票をこの状況下で行うのかという点で課題があることも事実だ。ただ、改憲を主張する議員は、法案はその憲法改正の後に提出すべきだとしており、この動きが広まると今国会での法案提出が難しくなる可能性がある。
 今後の動きが注目される。
                              (阿野根乃音)


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