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2015.4.1 スクープ! 2012年4月1日、日本人は全員嘘をつかなかった

エイプリル・フール・ニュース03
エイプリル・フール・ニュースは、2013年からなので、2012年には嘘をついていません。でも、こういうと、2012年4月1日に日本人が嘘をつかなかったということが嘘じゃないことを補強してしまうことになるけれど。まあ、日本人全員が嘘をつかなかったということはないと思います。たぶん。
いずれにしても、このニュースも現実の人物、団体とは一切関係ありません。

スクープ! 2012年4月1日
日本人は全員嘘をつかなかった

                            2015年4月1日

 本紙の取材で、国勢調査に関連して、ある問題が隠ぺいされようとしているということがわかった。
 統計局は、2年ほど前から、国勢調査の在り方についての検討を内密に進めていた。検討項目の一つは、実施時期だ。進学や就職などの関係もあり、現在の10月1日を4月1日とすることが議論されている。この実施時期の検討のための材料とするために、大規模なアンケート調査が2013年4月に行われた。調査は、全国の満20歳以上の個人10,000人を住民基本台帳を用いた層化2段無作為抽出法により抽出し、郵送調査法により行われた。しかし、この調査の結果は公表されていない。しかも、回答者にも回答したことを秘密にしておくよう依頼したともされている。当初は、調査の信頼性の観点からの検証を済ませ、結果を公表することとされていたらしい。しかし、重大な問題が生じ、この検討は中止になり、そのことを含めて、この件についてはすべて秘密となっているという。
 問題となったのは、その結果である。4月1日に調査を実施した場合、嘘をつく人が一定割合含まれてしまうのではないかという懸念があり、そのためアンケートに「あなたは、昨年(注 2012年)4月1日に嘘をつきましたか。」という設問が置かれていた。その解答欄は「1大いについた 2ついた 3ふつう 4つかなかった 5大いにつかなかった」となっていた。そして、結果は回答者5180人中「3ふつう」が1人、「4つかなかった」が3642人、「5大いにつかなかった」が1537人だったというのだ。
 この結果について、社会心理学者、宗教家、政治家、詐欺師など嘘に詳しい人に秘密裡に接触し、回答者の一部にも面談をするなどして研究を進め、本当に日本人は2012年4月1日に嘘をつかなかったのではないかという結論に至ったのである。なお、「ふつう」と答えた人については、極秘裏に担当者が接触し、ふだんと変わらず嘘をついていないということで「ふつう」としたということがわかった。
 この点を補強するため、調査担当者は、他の機関にも問い合わせた。たとえば、警察庁に2012年4月1日の詐欺の通報の記録を問い合わせた。警察庁からは、全国でその日の詐欺の通報はなかったという結果が伝えられた。白内しらない大学の茶井万稔教授(犯罪心理学)は、「エイプリル・フールは、嘘だと思われる可能性があるため、詐欺犯も活動を控えていたということもあるでしょう。ただ、詐欺犯は、それを逆手にとって活動する可能性もあり、4月1日だからといって、警戒を怠ってはなりません。」と話している。
 こうしたことから、2012年4月1日に日本人は嘘をつかなかったという結論が得られた。識者は、これをどう見ているか。嘘についての著作を刊行した和寒内わかんない大学の森杉加奈教授(社会学)は、「それはありえますね。その日は東日本大震災から1年余りの時でもあり、嘘をつくということに消極的であったのかもしれません。」と話す。ちなみに森杉教授は、今年初めまで在外研究でイタリアにいたので、統計局の調査については何も知らないという。
 問題は、これで終わらなかった。統計局の担当者は、この結果について、当初は日本人の誠実さを示すものであり、公表することを考えていた。そこに思いもかけない障害が現れた。日本人が嘘をつかないということは、安全保障上の問題だというのだ。侵略する側からは、国民が嘘をつかないということは好都合だからだ。統計局では、国勢調査の検討の中止を決め、アンケート調査の結果も封印することとなった。現在では、この情報の廃棄も考えられているが、特定秘密に指定するという動きもあるらしい。
 この点を懸念する関係者もいる。「統計法23条は、行政機関の長は、速やかに、当該一般統計調査の結果及び一般統計調査に関し政令で定める事項を公表しなければならないと定めています。もちろん、特別の事情があるときは、その全部又は一部を公表しないことができるともされています。それでも、問題となっている結果は、本来事実を公表して、そのうえで議論をすべき事柄で、秘密にしておくことでかえって問題が生じるように思います。」
 本紙も、統計局の調査結果の公表の差し止めに関与したとされる人物にこの件について取材を申し入れた。ようやく、匿名を条件に取材に応じてもらったが、「私は嘘を申しません。」というばかりであった。匿名であるのにこのような発言をすること自体、不思議なことである。
 本紙は、今後とも取材を続ける。
                                                                                                              (安 佳都)

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