暇と忙しさ

「君はマグロ(回遊魚)だからね。」

3年前に言われた上司からの一言。
大学を卒業し、一年が経ったころ。仕事もなんとかわかるようになっていき、知識がないためにたくさん調べ、質問し、なんとかこなしている頃にふっと言われた。

その上司とは今でも良好な関係が保てている。お互いに冗談を言い合い、少しアホを言い合って、"大人"になってから仕事でこういう関係が出来るんだなぁと今でも少し感動している。

高校生からというもの、何かにつけて「忙しい」というものへの憧れがあった。ただいわゆるブラックのような忙しさまでは経験をしたことがなく、他の人からしてみたら生意気な発言かもしれない。仕事が一区切りついた時に、少し時間を見つけた時、極力資料を読んだり勉強をしたり、また簡単な、それをシステムと呼ぶにはあまりに稚拙なエクセルシートなどを作ってとにかく時短を試み、忙しさへの準備をしている。だからこそその「忙しさ」が来た時に今の自分はどれだけ捌くことができるか、対応できるかに少しだけワクワクしているのかもしれない。
ただ、大体自分で良かれと思って引き受けた仕事の量が自分のタスクを超え、バタバタしてしまうことも多いのが笑えないが。

大体そのような忙しい時に限って仕事の話はくる。なぜ今なのか、暇だった時には何もなかったじゃないか、と愚痴を言いながらも右へ左へ…
それをみた他の人が「あいつならすぐにやってくれるのでは」と仕事の依頼がくる。みていない人ですら依頼をしてくる。この風の吹き回しはなんなのだろうか。どこかでモニタリングをして見ているのか。お茶をしばき倒している時であれば完全対応可能なのに。

ただその回遊する忙しさの中でも必ず依頼には「YES」で答えるようにしている。多分それが自分が仕事をする上での処世術だったと思う。ただ難しい時、できない時もバカ一本調子の「YES」で回答するのではなく、「YES But Difficult」で答える。そうすることで時間や別対応してもらえることもできるし、評価もキープ出来る。
忙しいはチャンスだと捉えるようにすることでなんか、未来が開ける感じがする。だから進んで忙しくすることにしている。

ちなみに上司の一言には続きがある。
「だからお前は泳ぎ続きけるために、コンスタントに少し多めの仕事を与えないといけない」

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