絶対に働きたくないというつよい気持ちを持つこと

絶対に働きたくないというつよい気持ちを持っている。そう明確に思い始めたのは大学生の頃からで、その思いは新卒で印刷会社に入社したときも変わらなかったし、2年後に今の会社に転職してからも変わらない。絶対に働きたくないというつよい気持ちを持ちながら僕は仕事をしている。

仕事がぜんぶ嫌いというわけではない。むしろ仕事は僕にたくさんのものを与えてくれる。特に今は垂らしている会社はとても良いところだ。一人で生きていては絶対に出会えなかったような人たちと、一丸になってWebサービスをつくることができる。これほど楽しいことはない。

でも、僕がたとえば10億円持っていれば同じように働いていたかというと、答えはきっとNOだと思う。いま10億円あったら、僕はとりあえず熊本に一つの小劇場を作ると思う。そこはギャラリースペースとしても使えるし、ちょっとした料理とコーヒーとお酒が提供できるように厨房とバーカウンターがある。テーブルの上には、たくさんの本が脈絡なく、しかし何となく意思を持った並べ方で置いてある。それらは自由に読んで良いし、持ち帰りたかったら買うこともできる。撮影用のスタジオがあっても良い。これまでに出会った人たちの同人誌やZINEを置くのも良い。アクセサリーだって委託販売する。そこに僕は1日中いて、原稿を書いたり本を読んだりして、夜になったらみんなでお酒を飲む。そして週末は、毎週のように演劇や展示が行われる……。みたいな夢を持っているので、10億円持っていたらそんなことをやりながら貯金を食いつぶしながら生活がしたい。文化の拠点を提供しながら僕もその只中にいたい。

しかしここに10億円はないので、じゃあその中でどのような生活をするのかということを常に考えている。仕事では、最近は小説にかかわることをやれている。毎週のように福岡から熊本へ行き、演劇の諸々を手伝っている。写真も劇場でたくさん撮っている。文章も書けているような気がするなあ。じゃあ、あとはお店を持てれば良いのか? しかしそれにはお金が必要だ。それに、失敗しても大丈夫なようにちょっと多めにお金は持っておきたい。やっぱり10億円ほしい。

みたいな要望は尽きないものの、日常生活は概ね良好だ。でも、それは絶対に働きたくないというつよい気持ちを持っているから成せる技なような気がする。めっちゃ仕事がやりたいモードであれば、僕はすべての時間を仕事のために使ってしまうだろう。しかしそれでは、目の前にある仕事を極めることにしかならない。

しかし僕は、会社で働いている時間はできるだけ自分の好きなような活動することにしている。そしてそのすべてが、それを使って自分の生活が豊かになる方法はないかと常に考えている。めちゃめちゃ本気で遊んでいる。だからこそ色々な技術が身につくものではないのかな、と思うのだ。

最近の遊びはといえば、無間書房、蓼食う本の虫、Maho ONLINE、演劇・ライブ撮影の教科書、studio in.K.あたりかなーと思う。そういえば百合アンソロジーを出したりもした。

というわけでまだまだやりたいことは尽きないのですが、引き続き絶対に働きたくないという強い気持ちを持ちながら文芸・演劇・写真をやってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

サポートすると、僕がハートランドビールを飲み、これからも自我を保つのに役立てさせていただきます!