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小説:九月が永遠に続けば 沼田まほかる
4/19読了
感想の書留、ネタバレ注意。
救いのない物語が好きでめっちゃ読んできたけど、この方の作るそれは独特な絶望感、世界観をもってた。
おそらく救いとして服部が出てきたんやろうけど…。
気がつくとある日、私は十七歳だった。ある日二十五歳だった。ある日三十歳だった。そして今日、気がつくと四十をひとつ過ぎていて、眉を描きながらため息をつくのが癖になっている。きっといつか同じように、死の床に横たわる自分にふと気づくのだろうか。
時の流れってほんまに容赦がないよなって思うことがちょっとずつ増えてきた。
それが助けになることもあるけど、追い詰められた事の方が記憶に残ってるからかして、余計に。
ドアを開ければまた始まる。夜が昼に連なり、今日が明日に連なり、料理をし、仕事をし、笑い、怒り、愛し、何かを創り上げたり失くしたり。灰色の海面を漂いながら、そんな幻の暮らしを続けて行くのだ。
主人公の毎日の日々に対する感じ方には共感する部分があった。
漠然とした不安を持って生きながら、それでも何もせずに変えられずに歳をとっていくのかもしれない。
昔から生きていくのが不安で、いっそ終わって仕舞えばいいのにって思い続けてしまってる。
変わらんとなー。
人の心の脆さ、不安定さ。
その闇の部分、陰鬱さ。
人間の奥の気持ち悪い部分の描写が卓抜してて、堕ちていくような感覚にさせられるのがたまらない。
嫌悪感を抱くどころか逆に魅了されてしまってる。
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