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正しい本の読み方(橋爪大三郎2017)
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素直に読む。ともかく素直に読む。読み方の基本です。読んでる最中に、著者の意見に賛成も反対もしてはいけない。
⏩素直さ大事!現実世界も、読書世界でも。
本を読むとは、本には書かれていない前提を発見すること。
前提とは、本の中では解決されないで、所与として与えられていて、そこから議論が始まるもの。数学でいう公理。
書いてない「前提」を読むのが、ちょっと上級の読み方
⏩これは今まで気づかなかった!とても大事な視点!
書いてある文章が、誰かのカット&ペーストだとわかれば、そこは読まなくていい。本は参照や引用を多く含むので、著者が貢献して新たに付け加えた大事な部分は、ほんの10ページだったりする。ならばそこだけ読めばいい。
⏩目からウロコ!既視感ある所はどんどん読み飛ばそう!
大著者は100人。マルクスとかレヴィ・ストロースとか、突き抜ける大著者は100人くらいしかいない。大著者たちの考え方で、この世界はかなり出来上がっている。大著者に挑戦すべき。
〈大著者の中でまず読むべき本〉
「真理のことば(ブッダ)」「論語」「徒然草(吉田兼好)※漢字仮名混じり文の原点」「西遊記」「ハムレット(シェイクスピア)※なぜ悩むのか悩ましい」「赤と黒(スタンダール)※野心ある若者が成り上がる」「変身(カフカ)」「ライ麦畑でつかまえて(サリンジャー)※造物に苛立つ若者の俗物性」「老人と海(ヘミングウェイ)」「方法序説(デカルト)※明晰判明な思考の積み重ね」
⏩ずっと挑戦しようと思ってるけどまだしてない。そろそろやるか。
本は読んで、わかればいい。その時点で本の目的は達成されている。本はコミュニケーションのためにあるのだから。
読んだことは忘れて良い。忘れないほうがいい大事なことは、自然と頭に残る。知りたいことがあれば、また本を見ればいい。
大事なことは忘れない。あるいは、忘れることができないことが、大事なことなのだ。
⏩ありがたい言葉。
数学の場合分けは、議論が成立するための前提を確認する練習をしていた。これを自覚すると、物事を考える深さが違ってくる。
国民の私的所有権が認められているが、無条件ではない。ではその条件は何か…
⏩確かに!これはめちゃ大事。やはり理系のほうがおすすめ。
論争に先立ってやることは、分析。相手の前提を明らかにすること。なぜそう言うのか、だんだん理解できてくる。相手の言いなりになりたくない場合、その前提を覆してみる。
論争は前提を見つけたモン勝ちみたいなところがある。
前提とは、それ以上前提がないものを言う。だから、前提には根拠がない。
⏩岡潔も言っていた。大事なのは、理論より情緒である。つまり、人間のすべての理論の根拠は情緒であり、前提であり、公理である。それが全ての始まり。
民主主義の良いところは、独裁でないという点だけ。決定の質が独裁よりましなわけではない。でもそれが、自分の下した決定だからと、結果を引き受けることができる。
これは大きな違い。自分の考えと行動が、世界と繋がっているという感覚を持つことができるから。
⏩これは本当にそう。だからこそ、民主主義はプロセスが大事。このプロセスを維持することで、国民が絶望しないで生きていけるギリギリのラインを保つことができる。それが崩れたら、絶望が待っている。
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