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Canon IXY DIGITAL 200a

このところ机に向かっている時間が長くなっていて、なかなか外に写真を取りに出かけられないので、作例もすっかりテーブルフォト(しかも散らかりっぱなし)になってしまった。
今回は”Canon IXY Digital 200a”である。
以前にIXY Digital 300を紹介したけれども

この辺りのIXYは青箱の常連である。
それは「売れた」からに違いないのだけど、こういうコンデジを購入する人はカメラに興味を持っている人ばかりではないから、扱われ方もぞんざいで程度がよろしくないものが多い。
この200aもお約束のバッテリー蓋のゴムパッキンは失われていた。
ハードオフで324円だった。

300は2001年4月の発売されたが、その一ヶ月後に200が発売された。
違いはズームが300の3倍、200の2倍という違いの他、ボディのサイズも一回り200の方がコンパクトである。
その発売から1年後の2002年4月に300と200は、それぞれ300aと200aにモデルチェンジした。
先の300の時にも書いたが、300と200ではISO感度がほぼ100に固定されてしまって、暗所ではかなり難しい撮影になっていたのだけど、この"a"からは50~400まで任意に設定できるほかAUTO(50~150の間で自動設定)も備わった。
また現在では当たり前にようにどのカメラにも備わっている「十字キー」も、このモデルからである。
価格は発売当時で63,000円とある。

バッテリー

この200aはリチウムイオンバッテリーである”NB-1LH”か”NB-1L”を使用する。
500までのシリーズ全般に使える汎用性の高いバッテリーだが、まぁ、まともなのがない。カメラが青箱の常連なのだから、同じようにバッテリーも充電器も常連なので探すことは難しくないが、だいたいのバッテリーは寿命を迎えているのだ。
こればっかりは購入して一度充電して試してみる他ないのであるが、4つ5つ購入してみて、何とか使えるものが1つあるかどうか、というギャンブルである。
互換品がAmazonなどでも手に入るが、これも送料などを含めるとなると、カメラ自体の値段(これは購入価格という意味)を考慮すると安いものではない。
まぁ、これなら何とか…というものが1つあるので、それを使いまわしている現状である。
このバッテリー問題はIXYだけの問題ではなく、他のジャンクデジカメ全般に言えるのだけど、考えてみれば十数年前のカメラを今さら使おうというのだから、そこら辺は甘受するしかあるまい。
この時代のカメラは乾電池が使えるものも多いが、これとてアルカリ電池では駄目で、マンガンやニッケル水素を要求されることが多い。
電池であれば新品が割と安価なので、バッテリーがないことを思えば幾分マシではあるが、リチウムイオン電池は現在でも発火などの問題が指摘されていて、何かと問題が多い電池ではある。

造形としてのIXY

角ばったボクシーなデザインなのは先代と変わらない。
微妙な変化はあるのだけどキープコンセプトであり、非常にバランスの取れたデザインであるのには異論はないだろう。
この時代の背面液晶は小さなものが当たり前で、現代の大型液晶を見慣れた目にはびっくりするくらい小さく見える。
写ったか写ってないかくらいの確認は出来ても、ピントの具合だとかは、とてもじゃないが出来ないだろう。ぼくのように老眼であれば尚さらである。
そういう理由からなのかは分からないけれど、やはりこの時代のデジカメには光学ファインダーが付いていることが多い。EVFもないではないが、背面液晶同様に、当時のEVFの解像度ではピント合わせする気にはなれないから、ぱっと見の見やすさなどからも(一応ズームには連動する)光学ファインダーが多く採用されたのだろう。
IXYはファインダーとレンズの位置が同軸上にある。
もちろん上下の位置だけは如何ともし難いが左右の軸は同じである。
少し専門的な話になるが、こうした光学ファインダーは「視差(パララックス)」と言って、ファインダーを通して見る光景と実際に写る画にはズレが生じる。
一眼レフやEVFは実際にレンズを通したものをファインダーで見ているからズレは生じないが、レンジファインダーやこのIXYのような素通しのファインダーは、そのズレを勘案して絵作りをするか、ファインダーに補正をかける必要があるのだ。
ライカなどの高級なカメラにはパララックスを補正する仕掛けがあるが、IXYとかの簡易的なファインダーにそこまでは要求できない。
しかし、このカメラのように左右の位置が同軸であれば、気にするのは上下のズレだけで済む。
その窓が前面にあるのだけど、その穴の位置や大きさとレンズの大きさが、とてもバランスよく収まっている。
金属のひんやりとした触り心地や全体的なサイズも「道具」としての心地よさを表現していて、持つ喜びが感じられるインダストリアルデザインではないかと思う。

DIGIC

DIGICとはキヤノンの画像処理エンジンの呼称である。
多分なんかの略なんだろうけれど詳しくは知らない。
このエンジンは1999年のPowerShot S10くらいから元になるシステムが導入されていて、2002年の秋、IXYでいうなら、この200aの後継機である320辺りからDIGICの名前で搭載されるようになった。
センサーに関しては基本的な原理がどのメーカーも変わらないのに対して、各メーカーの腕の見せ所が、この画像処理エンジンの味付けである。
キヤノンのそれは定評のあるところで、現在はDIGIC8くらいまで進化している。

DIGICが登場する前にも画像処理エンジンは当然あったわけで、開発もDIGIC同様に行われていた。
200aにもそういったエンジンが搭載されているが、これがとても良い出来なのである。
1/2.7という小さいセンサーながら階調表現も自然で、こういう言い方はおかしいかも知れないけれど、驚くほど普通に写る。
ミックス光源なんかでも当たり前に見たままのホワイトバランスを出してくるし、とにかく破綻がないのである。
高感度ノイズは如何ともし難いが、20年も前のカメラにあまり多くを要求するのも酷な話である。
高感度ノイズは如何ともし難いが、20年も前のカメラにあまり多くを要求するのも酷な話である。
つまり、それを要求したくなるほど写りが「良い」のである。

#canon #canonixydigital200a #オールドデジタルカメラ

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