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SONY Cyber-shot DSC-V1

前面はキリリと締まった表情。
背面は多機能だけにボタンが多い。
本格的なモードダイアル。
階調ジャンプは頑張っている。
周辺も破綻はない。
ツァイスらしい色乗り。

2003年発売の高級コンデジに分類されるであろう機種である(希望小売価格110,000円)
DSC-SシリーズがS85で終焉したので、その後継機と言えるかも知れない。
レンズはカール・ツァイス銘のバリオ・ゾナー。35mm換算で 34~136mm相当の光学4倍ズームを搭載している。
CCDは1/1.8インチの510万画素で原色フィルターを採用。

マニュアル機

ここで紹介するコンデジは、基本的にビギナー向けの物が多く、マニュアル的(ここでは露出の設定やシャッタースピードなどを任意に設定できる仕組みを言う)な部分はほぼオート化されている。
2000年前後のデジカメの性能を考えてみれば分かる事だが、それほど融通の効く性能を持ち合わせていないというのが、正直なところだと思う。
ISO感度もほとんどが固定(シーンによってシフトするが、それでもあまり変わらない)だし、設定できてもISO400程度で機種によってはノイズまみれになってしまう。
そういう状態で絞りやシャッタースピードを変更できたとしても、いたずらに画質の悪化を招くだけで、良い結果は得られそうにない。
ただ、この時代のデジカメの進歩は凄まじい。
2003年にもなると、そういった部分の制御もかなり高度な物になっている。
そうなってくると、ハイアマチュアの人のサブ機的な役割を持たせたコンデジという新しい役割が生まれてくる。
DSC-V1の立ち位置は、まさにそこなのだろう。
基本機能だけでも、フルオート、プログラムオート、絞り優先AE、シャッタースピード優先AE、マニュアル露出、シーンモードと、全部で6パターン用意している。

AFも測距点が増え、任意のポイントでのAFも可能なマルチポイントAFに、より狭いAFポイントを指定するスポットAF、半押し状態でもピント合わせを続けるコンティニュアスAFにマニュアルフォーカスも可能にしている。
暗所のピント合わせにはホログラフィックAFというのがあって、これもなかなかの精度だ。

ISO感度も800まで設定が可能になり、性能的にも一眼レフなどの上位機種に引けを取らない内容になっている。

ナイトショット

かなり暗くして肉眼では見えない所も写すことができる。

このカメラには上位機種のF717と同様なナイトショット機能が搭載されている。
まぁ早い話が赤外線撮影なわけだが、モノクロになるのは置くとして、これが思いの外よく写る。
こういう性能を悪用する者が現れて、一時期やり玉に上がったこともあった。

優等生

時代的にも新しくなってきたせいか、それほど昨今のデジカメとの差異が感じられなかった。
いや、これはぼくの感覚が麻痺しているのかもしれないが(笑)、どういう状況でも狙い通りの作画が可能になっているのだ。

ボディもコロンとして愛らしい。
金属のひんやりした感じや重量はそこそこあるので、ハイエンド機の所有欲も満たされるのではないだろうか。
最近は、あまりこういうカメラを見かけなくなった。

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