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SONY CYBERSHOT DSC-S50

デカールが目立つ。
背面液晶。これではピントなんか確認できない。
バリアングル。
描写は繊細。
意地悪な逆光でもくじけない。
なかなかの実力ではないか。

ここで紹介するカメラは2000年に発売されたものが非常に多い。
2000年前後というのはデジカメの高度成長期で、各社それこそひと月単位で画質が上がり、価格が下がり、コンパクトになっていった。
このサイバーショットSシリーズも、2000年2月にソニーが満を持して発売したシリーズで、100万画素のS30、200万画素のS50、300万画素のS70と立て続けに発売されたのである。
上級機種のS70には1/1.8のコンデジとしては大型のセンサー(S50は1/2.7)、カールツァイスのバリオ・ゾナーが搭載されていた、まぁソニーフォロワーからすれば「夢のカメラ」であった。

このシリーズにはちょっとトレードオフ的な棲み分けがあって、S30とS50はバリアングルの背面モニターが搭載されているがS70にはなく、代わりに光学ビューファインダーが搭載されている。デザイン自体も前者二台は見分けがつかないほど似ているが、S70だけは背面モニターのおかげなのか、少し毛色の違ったデザインとなっている。

オンボロ

見ていただくと一目瞭然だが、相当傷んでいる。
価格は108円。ハードオフでの買取価格はたぶん0円だろう。
バッテリーやメモリーはおろか、レンズキャップすらなかった。
レンズも何だか怪しい感じだが、見たところ致命的な傷は見当たらなかったし、バッテリーやメモリーは手持ちの物が使えるのを確認できたので購入した。
やたらベタベタと貼り付けられたデカールが時代である。
まだ商品としての自信がなかったのか。オリンパスもそうだが、本体にセールスポイントがデカデカと記してあるものが多い。
一昔前のクルマも「Twincam 16 Valve」とか「Turbo」とかやたら書いてあったが、まぁ、同じような心境から来るものだろう。

他のカメラの例に漏れず、このカメラも10万そこそこしたカメラだが、ボディ全体はプラスティック製なので、非常に軽く持ちやすいが、ジャンクボックスに転がされていたのでは傷だらけになるのは必至だ。

ソニーレンズ

このS50はカール・ツァイスレンズでなく、ソニーレンズを搭載している。
ぼくは以前にも書いたが、自慢じゃないけどレンズの描写の違いの分からない朴念仁である。
なので家にある他のツァイスのレンズと比較しても、これといった違いが見い出せないでいる。
発色もそれほど派手じゃなくてぼく好みだし、逆光にもそれほど弱くない。
別にいいじゃない?といった感じなのだ。
作例に日付が入っているのは、ぼくが設定を間違えたためである。

AF

AFというのはオートフォーカスの事だ。
このS50は、この時代のカメラとしては結構早い。
もちろん動体を追従したりとかはできないけれど、撮影のリズムを崩さないでスナップできるくらいの速度だ。
迷った挙げ句に合わなくて諦める、みたいなAFがあったりする中、やはりソニーらしさというか、他のメーカーが手を付けないような所に切り込んでくる姿勢はさすがとしか言いようがない。
高感度がめちゃくちゃ良いとか、画質が素晴らしいというわけではないが、もしオールドデジカメに興味のある方なら、このカメラはおすすめである。

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