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最強の月光を決める大会にWCを持っていったお話

皆さん、お久しぶりです、ATMです。

Twitterでよく見かけるバズ狙いの漫画みたいなタイトルで記事を書くことへの羞恥心に耐えながら執筆をしています。

前回のKC前後から、色々なタイミングで記事を書く書くと言い続けてはや数ヶ月。

リアルが忙しかったり、自分のPCが使えなくなって、ブログ投稿が滞ってたりと様々な要素が重なり執筆活動を行っていませんでした。

しかしながら、文章を書かないでいるのもまた落ち着かなくなってきたのも事実であり、ひとまず執筆モチベが復活してきたところで、スマホからでも執筆が可能なnoteにて記事をしたためております。

本記事は、11/9(月)にライナスさん(@maouparamon )主催で開催された、最強の月光使いを決める大会である「月光杯」にて、「WC」を持ち込んだ「経緯」の解説記事になります。

本大会は、草の根大会ながら、大きな賞金が用意されていた隠れた目玉大会でした。

この「月光杯」の環境をどのように捉えてデッキを用意したのか、という思考の公開になります。
とはいっても、タイトルで既にオチは分かっているはずなので、所謂「脱法」デッキの作成に至った思考の経緯の解説です。

また、月光というデッキに関する、応用的な知識のおさらいのような要素も含んでいるため、月光初心者などにも最低限の価値を提供できると考えています。

毎度のことながら、基本的な部分は全て無料でお読みいただけます。

それでも、本記事に価値を感じて下さったり、投げ銭をしてもいい、と思って下さった方は有料部分を購入し、支援してくださると執筆の励みとなり嬉しく思います。

それでは参りましょう。

そもそも、月光杯とはなんぞや?

月光杯とは、前述の通り、ライナスさん(@maouparamon )が主催して下さった大会です。

本大会の趣旨は以下の画像の通り。
月光ミラーしか発生しない(はずの)大会で、参加者が構築とプレイングを競う、というものでした。

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その他の細かいルールなどは、直接トナメルの方を見ていただければ分かるので、重要なところだけ抜き出しておきますと、

・デッキ構築時点で、実装されている全ての月光モンスターを採用する

・月光融合を発動してからでなければ勝利してはならない

・月光融合発動の意思があれば、カウンターされても勝利条件を満たす。

・月光融合の発動を行っていないプレイヤーが「分断の壁」直撃などの「不慮の事故」で勝利してしまった場合、再試合を行う。
再試合以降の同事案はリプレイ提出の後、運営の審議。

・50ターン経過による引き分けも審議。

後半の部分は、自分のように脱法プランを練る人以外はあまり縁のないものでした。

実際、普通の月光をミラー用にチューニングしただけでは問題が発生することはない妥当なラインでしょう。

「1回目の事故勝ちは強制再試合」という条件だけは、拗れかねない危険性を秘めていましたが、ここに関しては次回以降があるならば、なんらかの形で修正されるでしょう。

月光デッキの前提知識

月光といえば、攻撃表示の相手に月光融合からワンキルを狙うだけのチンパンデッキだと思われがちですが、その実、そのデッキ構築、プレイングには非常に深いものがあります。

というのも、月光のプレイと構築には幾つかステージが存在するからです。

ステージ1
月光融合からのワンキルで勝てる。チンパン。

ステージ2
相手のプレイが正しく、月光融合の成立だけでは勝負が決まらないため、相手も月光側もゆっくりとしたミッドレンジプランになる。

ステージ3
相手が月光を意識している状態で、その相手のプレイ、構築を乗り越えて勝利する。

つまり、月光をステージ1のチンパンデッキでしかないと感じ、あまつさえそれに負けている状態では、非常にステージが低い状態としか言いようがありません。

そのような方々は端的にいうならば反省してください。

ここで重要なのは、月光は相手に月光だと認識された場合はどう立ち回られるのか、そして、その立ち回りをどうやって受けて勝ち筋を通すのかを、構築段階で非常に強く意識しなければ勝てないということです。

これらのことから、私は月光というデッキを扱うにあたって、勝ちへの貢献度が最も高いのは、デッキ構築時のゲームプランだと考えています。

そして、構築の重要性は、本大会で最も顕著に現れる要素でもあると思っていました。

本大会ではお互いが月光の使用者であることから、ステージ3でのぶつかり合いになるため、基本的にはお互いにメタを行っています。

つまり、勝負の大半でプレイングはあまり絡まず、持ち込んだゲームプランが最も優秀なプレイヤーが勝ち残ると考えました。

ここまでは月光というデッキの解説なので、次は基本的な月光ミラーの解説です。

月光ミラーという特殊なゲーム

ここまで、構築の重要性を語ってきましたが、月光を使ったことがない方の中には、それでも運が絡めばプランなど関係なく勝ち負けが決まるのでは?という疑問を持っている方がいらっしゃるかもしれないので、月光ミラーの基本であり、真髄である情報を先に置いておきます。

普通の月光ミラーでは、基本的にはLO(ライブラリアウト)でしか決着がつきません。

これが何故かというと、単純に「月光」というデッキがギミック内でモンスターへの除去を擁していないことに起因します。

つまり、打点調整から殴り殺すことはできても、モンスターへの妨害はギミックでは行えないため、戦闘破壊耐性を持つ「月光舞猫姫」が守備表示の場合抜くことができません。

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そのため、お互いに負け筋を消すため、守備表示の「月光舞猫姫」を構え合うと硬直してしまい、最終的にはデッキ枚数差が勝利を決定することとなります。
これが第1のセオリーです。

この性質は「恐牙狼ダイヤウルフ」が実装されたことで、多少なりとも軽減されましたが、墓地の「月光赤狐」で対応されることなども踏まえると本質的な解決策ではありません。

そのため、月光ミラーだと判明した際には、デッキ枚数を1枚でも多く保つことが勝ち筋になるため、ドロー、サーチ、墓地肥やしなどのデッキ圧縮行為を行うことを控えなければならない、という第2のセオリーが存在します。

また、スキルが「融合の使い手」である場合は、「コズミックサイクロン」を適当なカードに発動することで、手札1枚をデッキに戻し、ライブラリーを修復する、という立ち回りも可能となります。

つまり、「融合の使い手」は月光ミラーにおいて、本来のデッキ枚数+「コズミックサイクロン」の枚数が実質的なデッキ枚数となるため、最大2枚分のライブラリーのアドバンテージを獲得できるスキルです。

ここまでが基本的な月光ミラーのセオリーです。

つまり、お互いに「月光舞猫姫」を守備表示で構え合いため、ギミックだけでは決着がつかない、という前提の下、その上でそれをどのように越えて勝利を目指していくのか、が大会の真のコンセプトであったと言えるでしょう。

ミラー専用のプランを考える

月光杯の要項を知ったとき、失礼ながら、率直に申し上げますと、非常にしょうもない大会になると考えました

何故なら、前述の通り、普通の月光ミラーはお互いの山札が尽きるまで耐久するゲームになり、プレイの要素が取り込みにくいからです。

しかしながら、全員がLO耐久されることを前提として耐久プランへのメタを行ってきた場合、各人の持ち込んだプランのぶつかり合いとなり、非常に面白い思考のゲームになると思い直し、そこからは考えられる限りのゲームプランを打ち出しました。

大雑把に分けた場合ですが、ゲームプランには下記の2種類の軸が存在します。

・従来通り、LOを狙う「守る」プラン
・守りに入る相手を敢えて越えていく「攻める」プラン

まずは、大会の華になりえる、「攻める」プランを探し始めました。

「攻める」場合のゲームプランの軸となるのは、やはり、何度も申し上げている通り、守備表示の「月光舞猫姫」への対処方法です。

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このカードへの対応策と勝ち筋を結びつけなければ勝つことは叶いません。

最初に私が考えたのは、「溶岩魔神ラヴァゴーレム」を縦で送りつけ、そこに「月光赤狐」を絡めたワンショットを叩き込む、という一般的なミラーのプランでした。

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しかしながら、このプランには、相手がラヴァゴを意識していると全く機能しないという、相手依存の致命的な欠陥が存在していました。

そのため、耐久からのラヴァゴを成立させるには、ギブ&テイクを用いた送りつけは半ば必須の条件だと感じていました。

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また、月光というデッキにありがちな、死ななければ返しに融合からのワンパン、という浅はかなテンプレ誘発受けプランに屈する可能性があるのも、非常に嫌な要素となりました。

その他、攻撃反応、手札誘発などもろもろのカードへの対抗策を考えるなら、ラヴァゴ、ギブ&テイクに加えて、相手の防御用カードを対策するカウンター罠1、2枚を揃えてから殴り込む必要が出てきました。

これは、ゲームプランとしては、耐久しながらデッキ内のコンボパーツを集めて勝ちに向かうため、非常に美しい構成だと考えました。

しかしながら、攻撃にデッキ内のスロットを割り振るため、「月光舞猫姫」以外に防御手段を採用できないに等しく、「融合の使い手」の「コズミックサイクロン」や、そもそも、キメラフレシアなど、その他の攻撃要素を取り込んだ攻めるプランに対しては、パーツを集めるまでの時間が足りず、受けが成立しないと考えました。

その他、複数の攻めるプランを考えるも、対戦相手が何をどこまで考えて攻めるor守るの線引きをしてくるかを読むことができず、早々に「攻める」プランはリスクの高いわりにリターンの少ないプランだと考え「守る」プランを主体に切り替えました。

守るプランを考える

しかしながら、「守るプラン」にも非常にリスクが付きまといます。

というのも、全員が耐久される前提で参加しているため、相手の攻めを受けきりながら、LOで勝たなければならない、という条件があり、受ける側の縛りもまた厳しいものだったからです。

ひとまず、後続の憂いを断つため、耐久ミラーの決着方法を先に考えましたが、これに関しては予めプランを用意してありました。

それは、「転生の予言」です。

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「転生の予言」を2枚用いた無限ライブラリー修復プランを成立させることを耐久ミラーでのメインプランとしました。

こうすることで、相手のデッキ枚数が20~30枚のいずれの場合であっても予言ループが切れない限りLOで敗北することはありません。

そして、自身がLOプランに「転生の予言」を選択したため、守備的なデッキが同様の耐久プランを狙ってきた場合、構築内に「コズミックサイクロン」を1枚置いておけば、予言合戦になった場合、必ず相手のループを切ることが可能です。

最低限のスロットで耐久合戦での負けがなくなったので、残りは相手の攻めを予想し防御に充てることにしました。

しかしながら、これも結局、月光側の防御プランの要が守備表示の「月光舞猫姫」であることから、相手からの攻め筋自体は多角的なものが予想されるため受けることに特化しても相手のプラン次第で貫通されるという憂き目を逃れることはできませんでした。

LOでの勝ち筋自体は確保できているのに、LOまで耐える手段が追い付かない…

そんな悩みの中、月光にギミックとして有利の取れるデッキと組ませられないかと脳内で色々と模索していたところ、普通に解答がありました。

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「呼んだかしら?」


こうして、月光を考えていたはずが、WCで妨害と耐久をしつつ、LOで粘り勝つ、という、大会趣旨から大きく外れた邪悪なコンセプトのデッキがいつの間にか誕生しました。

言い訳になりますが、私は悪くありません。
真面目に考えた結果こうなりました。
最初から「WC使ったろw」みたいな邪な気持ちでは大会に参加していないことだけを記述しておきます。

当日使ったウィッチクラふ… 「月光」の解説。

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最終的な構築は、このようになりました。

幾つか補足解説を加えますが、それ以外はここまで、語ってきたため、言うまでもないでしょう。

・スキル「バランス」について

WCで月光と試合をするにあたって、最もいけないのは、手札事故による自滅だと考えました。

逆に言えば、事故さえ起こさなければ問題なく勝つという視点で構築を行いました。

そのため、比率としては

罠は最低限の6枚。
魔法は初手に1枚確定させるための9枚。
余ったモンスター枠が15枚。

という割り振りが自然と行われました。

モンスターの内訳は、大会の参加条件を満たすための月光モンスター5枚+下級7枚+ヴェール2枚+エーデル1枚で15枚です。

この中で疑問が出るとしたらエーデルの採用についてでしょうか?

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エーデルは事故要素になりうると危惧したのは確かです。
しかしながら、相手がラヴァゴを使わない前提ではあるものの、「深淵の宣告者」をケアする目的で採用しました。

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相手が「深淵の宣告者」で「月光舞猫姫」の処理を想定していた場合、ヴェールも1枚で処理される上に、復帰もかなわず、そのまま殴られて負ける可能性があったため、予め並べておいた下級からエーデルをリクルートすることで、身代わりを立てるプランでした。

相手のラヴァゴの有無に関しては、相手が2面以上展開してくるのかどうかを指標として確認するつもりでした。

相手が2面展開してこないなら、ラヴァゴを使っている可能性を想定し、ヴェール単騎攻めを継続してLOまで引っ張る予定でした。

魔法に関しては、バランス後の初手事故を緩和するために、デモンストレーションを最大枚数採用。

そして、相手が融合禁止エリア、その他のメタカードを使ってきた場合に備えて、構築内に1枚の「嵐」を用意しました。

構築内に「転生の予言」があるため、1枚置いておけば使い回せるメタカードは重要です。

「予見通帳」に関しては、最悪の最悪で下級が引けない事故を誤魔化すための準初動兼、中盤以降のコンボパーツを揃えるカードとして採用しました。

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罠に関してですが、相手の罠を受けきるために「暴君の威圧」を採用。
これは、素引きしてしまった月光モンスターをコストにするのがスマートです。

一応、ギブ&テイク→ラヴァゴへのメタカードにもなります。

基本的にはヴェール単騎でLO耐久に向かうため、マスターピースは不採用で、リソース回収&安定性向上のためにパトローナスのみを1枚採用。

最後に余った一枠は、上振れ狙いと「深淵の宣告者」対策の「封魔の呪印」か、万能に使える「神の忠告」かで結構悩んだ末に広さを取って「神の忠告」を採用しました。

この選択は、LOミラーの予言ループミラーを切ることができるため、悪くない選択だったと考えています。

エクストラに関しては、融合する以外では使う気がなかったため、ないに等しいです。

当日のレポ(一応)

1回戦 bye

2回戦からスタート。

1本目(←???)は、負け筋を作ってしまった相手が勝てないと判断したのかヴェールに突っ込んできたので、効果を使って返り討ちに。

まだ、「月光融合」を使っていなかったので、勝利条件を満たさず再試合

2本目は、自爆させないギリギリのラインでライフをとどめて、違反によるゲームロスをケアしたら、相手が投了

予め想定していたこととはいえ、早めに融合できないと、負け確定になった相手に自爆から仕切り直されるというゲーム性にため息をつきつつ、3回戦へgo。

まあ、自分のデッキも随分と闇の深いコンセプトなのでお互い様ですし、文句は言えません。
ただ、ため息は出ます。これはもう仕方ない。

今後も毎試合、自分だけ2連勝を要求されるのかと、思いつつ席につきます。

3回戦のお相手は罠なしラヴァゴ耐久構築。

観戦でおおよその構築を把握していたので、事故以外負けはないと自信満々
勝ったな、ガハハ。

事故りました。



事故り散らかして、予見通帳初動でお願いマッスルするも、3ターン目を迎えることなく死亡。

ハンドにヴェールと月光だけが集まり、何も起きず、相手の融合2連発の前に即死。

相手からは、セットした月光モンスター2枚を殴り殺したらゲームに勝ったので、まさかWCと対戦しているとすら思ってなかった可能性があります。

ちなみに、初手事故の確率はざっくり計算で11%でした。
あまりにも無念。

まとめ

以上が、月光杯参加にあたって、脱法構築としてWCを持ち込んだ経緯のレポートになります。

月光杯で月光使いとして戦う、という本来のコンセプトではありませんでしたが、特殊ルール大会で脱法構築を考える際の助けになれたら嬉しく思います。
(そんな稀有な機会がこれからもあるのかは知らない)

また、序盤の月光の基本と応用みたいなことに関しては、以前から記事にしたいと考えていたため、歪な形ではありましたが、叶えることができてよかったです。

最後になりますが、運営してくださったライナスさんをはじめとする関係者の皆さん、及び参加者の皆さん、ありがとうございました&すみませんでした。

この記事がいいと思ってもらえたら拡散したり、投げ銭してもらえたら嬉しいです。

それではまた、お会いしましょう。



P.S

今回、巻末のおまけ(有料部分)に関しては、書いても殆ど購入者がいなくて無駄になってしまうと思い、「まだ」何も書かれていません。

そのため、仮に、私の文章を評価してくださった奇特な方が、現れた場合、DMなり、noteの連絡機能なりを経由して、何かしらリクエストをいただければ、書ける範囲で短いコラムなどを書かせていただく形で感謝に変えさせていただきたいと思います。

そのため、そういったご依頼といった形での購入も大歓迎でございます。

また、どの程度需要があるかは分かりませんが、私初の試みであることから、お受けする以来は3件までとさせていただきます。

ただ、同日に規定数を越える申し込みがあった場合は、その全てに対応させていただこうと思っております。

依頼状況は、このnoteに追記していくので、ご依頼の際はこのnoteの最後を見て、ご判断ください。

依頼に関しては、OCG、リンクスどちらでもお受けします。

それでは、また、お会いしましょう。

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