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サイバードラゴン追悼日誌-サイバー徹底解説

はじめに

今回は、KCGT二次予選の1日前から使い始め、丸々1か月間の間、メインデッキとして運用していたサイバードラゴンの解説です。

先日発表されたリミット指定&スキル修正を受けてサイバードラゴンが大きく弱体化してしまったことを受けて、追悼の意味を込めてサイバードラゴンの解説記事を書こうと思い至った次第です。

この記事を読めば、サイバードラゴンの構築指針や、各カードの細かい採用理由がほぼ理解できるようになることを意識して書いたので、(そんな奇特な方がいらっしゃるのかは別として)サイバードラゴン入門者にもおすすめです。

メインとなる文章は全て無料でお読みいただけるため、安心して最後までお読みください。
それでは参ります。

サイバードラゴンとは

サイバードラゴンシナジーとライフの減少で発動できるサイバー流奥義を軸にした高速ビートダウンデッキです。

環境に存在するデッキの中でも一際速いゲームスピードと、先後を選ばない対応力、リミット2カードやその他の汎用枠を使ったチューニング力の高さ、何より特筆するべきなのは、ブン回りがあれば先後を問わずあらゆるデッキに勝てるという圧倒的な爆発力と対面破壊性能がウリです。

サンプルリスト

スクリーンショット (584)

私がこの1か月間使い続けたのは画像の通りのテンプレ構築です。
このテンプレ構築はサイバードラゴンとしての基本が詰まっているため、サイバードラゴンを扱い始めるならば、この構築をベースに始めるべきでしょう。

KCGT予選の1週間前の段階では、テンプレ構築は定まっておらず、特にフィーアや深淵の宣告者の採用枚数、採用するべきリミット2枠の選定が揺れ動いていたように記憶していますが、KCGT予選以後はこの構築がひとまずのテンプレとして定着しており、1つの結論構築と呼べるほど基盤が強く完成度の高い構築だと考えています。

チーム戦、大会用である程度的を絞った運用を行うならば、また違ったオプションを加えることが必要となりますが、ひとまずはこの構築をベースにデッキの解説をおこなっていきます。

採用カードの解説

サイバー流奥義【スキル】

サイバードラゴンデッキを使う意義となるスキルです。
全てのライフコストを要求するカードのテキストに、「1000ライフ毎にプロト・サイバードラゴンを特殊召喚する」の一文を追加するため、あらゆるカードが追加のバリューを持ちます。

その性質から無暗な殴りが自動的にケアされる半防御スキルとなっており、それらを軽んじた相手には手痛いお仕置きが待っています。

デッキ内のサイバードラゴン要素を極限まで薄めることを可能としている立役者であり、サイバードラゴンデッキのスロット捻出、引いてはデッキとしてのチューニング性能の高さをも担保しているこのデッキ最大の武器です。

・サイバードラゴンコア×3(超必須)

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デッキの中で最も強いカード。

コア+ライフ支払いorサイバーロード・フュージョンの組み合わせで、スキルを合わせてランページに繋ぐことができるため、非常に簡単にフィニッシャーを作り出せる他、フローをサーチしての先攻展開or防御、サポートを用いた展開準備など、あらゆる場面でデッキの安定性に貢献します。

後述の受けの強さに繋がる大きなキーカードであり、文句なしに最強のカードでしょう。
コアの存在がデッキの中の解答枚数を実質的に倍増させるため、見た目以上に勝算の高いゲームが可能です。

召喚時の効果は強制効果であるため、ブラックバードクローズや天罰といったカウンター罠が直撃してしまいます。
そのため、エネミーコントローラーの②のモードのコストとして運用したい場合などは敢えて効果を使わずセットするという択を持つことも重要になります。

墓地効果は1度の発動で「キメラテック・ランページ・ドラゴン」の融合召喚に必要な素材を供給できるため、必要なら積極的に墓地に落とすことも視野に入ります。

文句なしの3枚採用。

・サイバードラゴン×1(必須)

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デッキの名前を冠するモンスター。
フュージョンゲートを採用する関係で必ずデッキに1枚は採用しなければならないカードです。

このカードを採用する最大の意義は、このカードが「サイバードラゴン」そのものであることです。
除外ゾーンでも素の「サイバードラゴン」として存在することで、「キメラテック・オーバー・ドラゴン」の素材を除外ゾーンだけで賄うことが可能となり、戦術の幅が広がります。

デッキの最大値を底上げする反面、先攻で素引きしてしまった際はフローなしでは浮いてしまい負け筋を生むため、採用枚数は1枚に抑えるのがベストでしょう。

逆に2枚以上を採用する場合は、除外ゾーンからサイバーツインドラゴンを融合召喚したい場合となるのでしょうが、個人的には事故率とそのムーブの必要性を天秤にかけた時に優先するほどの価値を見出してはいません。

時として、自分の存在価値が分からなくなりかねない現代において、存在することに意味があるとされている、非常に恵まれた立場のモンスターです。

採用理由がフュージョンゲートを用いた展開で有用であることから、逆説的にフュージョンゲートを不採用とするならば、不採用で問題のないカードでもあります。

・サイバードラゴン・フィーア×2(半ば必須)

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名誉サイバードラゴン枠。
限界東雲かんざわさん曰く「単体では弱くて極力デッキに入れたくはないがサイバードラゴンの数が足りなくて、仕方なく数合わせで入れている枠」とのこと

酷い言われようですが、実際その通りでもあり、デッキが回っている段階で動きを強化する役割です。
しかし、ただのお情け枠にはとどまらない活躍を期待できる要素をいくつも持っています。

まずは実質ステータスが永続効果も合わせると1600/2100となるところ。
守備力2100はランページで抜けない絶妙な数値であり、ミラーにおいては、フィーアのセットだけでフュージョンゲートかエネコンが絡まない限りは高確率で生きて3ターン目を迎えることができます

この守備力2100というラインは環境においても非常に重要であり、ブラックマジシャンやエレメントセイバー・ラパウィラ、サイバーツインドラゴンあたりはこのステータスを持っているため耐え性能が高いです。

全体バフ効果はこのカードの最大の強みであり、ライフが2000以上減っているタイミングのサイバー流奥義で1600×3=4800のキルラインを作り出せます。

これを上手く用いることで、手札誘発持ちに多段攻撃を仕掛ける際には、フィーア+プロト軍団の仕掛けで誘発の使用を要求でき、バトルフェイズ中にサイバーロードフュージョンからの追撃でゲームを決めることもできます。

1枚はデッキの構造上必要となる枠ですが、2枚目以降は他の汎用カード、対策カードと差し替えることが検討できる枠です。
そのため、深淵の宣告者のような、実質的にはサイバードラゴン枚数を損なわないカードと交換することで安定性を大きくは損なわないままにメタ性能を上げることが可能です。

・サイバーロード・フュージョン×3(必須)

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フィールドと除外ゾーンから融合召喚を行うカードです。
速攻魔法であることから、自分ターンの追撃を行ったり、相手のエンドフェイズにランページを着地させることでエンドサイクのような使い方も可能です。

速攻魔法であることを活かして、チェーン2以降で発動することで、底なし落とし穴などの召喚反応罠をケアして融合体を着地させることも可能。
この際、ランページの召喚時効果もタイミングを逃してしまうため、罠ケアとランページの効果の成立を天秤にかけた上でプレイを選びましょう

素材がデッキに戻ることも、少ない「サイバードラゴン」リソースを使いつぶす、という観点では有用です。

勝ち手段の1つが融合であるため、素引き率を上げるためにも3枚採用。

・サイバネティック・フュージョン・サポート×1(超必須)

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コアからサーチできて自発的にライフポイントを減らすことができる唯一のカードです。
1度の発動でライフが確実に2000ポイントを割るため、プロト2枚分と換算することができます。

また、融合素材を手札、フィールド、墓地から選ぶことができる効果も非常に重要であり、ゲート展開での爆発力を支えたり、ミラーマッチで相手のオーバーフローに抗う手段になったりとインクの染みではありません。

このカードの発動後に融合召喚を行う場合、サポートの効果を適用するのかどうかの選択肢が出ますが、この際に適用を選ぶと、除外ゾーンのカードが素材に選択できなくなります。

サイバーロード・フュージョンからのキメラテック・オーバーを狙う際は最大値が下がってしまいかねないので注意が必要です。

構築上1枚は必須ですが、構築内に1枚あれば事足りるため1枚の採用。

・サイバネティック・オーバーフロー×3(超必須)

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相手のカードを複数破壊することでデュエル終わらせる準備を整えることができるカードです。(公式の原文そのまま)。

墓地からもコストを払える対象を取らない複数枚破壊であり、先攻展開による制圧、後手からの捲りの蓋、詰めの場面と、コストの捻出さえできれば腐る場面が存在しない、コアと並ぶデッキ有数のパワーカードです。

不利対面を無理やりひっくりかえすパワーを秘めており、サイバーがメタを跳ね返す原動力でもあります。

また、破壊時のサーチ効果も重要で、自分のランページから叩き割りながらフュージョン・サポートをサーチしてゲート展開に移行することも可能です。

コズミックサイクロンのケアとして、先攻展開において敢えて2枚目をサーチしたい場面が存在することや、効果の成立があらゆるマッチアップを改善する目があることから、個人的には素引きを目当てに3枚投入を推奨してますが、より明確なメタカードとの入れ替え枠として1枚なら削ることも視野に入っていた枠です。

・フュージョンゲート×1(超必須)

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サイバードラゴンというデッキの構築をネクストレベルに引き上げたキーカードです。

ゲート不採用の従来の構築では、サイバーロード・フュージョンの制約があるため、サイバードラゴン側の仕掛けるタイミングに合わせてクリボールやカイトロイドのような手札誘発を1枚合わせられるだけで、キルが成立しなくなり、非常に対策が容易なデッキとなっていました。

直前の環境では、レヴィオニアの影響で防御が誘発主流になっていたことも相まって、誘発が流行り始めた時点で「持っている、いないの勝負」になりがちだったサイバードラゴンはTier上位に食い込める格にありませんでした。

しかし、フュージョンゲート+フュージョン・サポート+サイバー流奥義のゲート展開が確立したことで、

誘発1枚ならなんでも貫通
カイトロイドなら2枚持たれていてもランページ×2の6連打で貫通
ボール2枚でもサイバーロード・フュージョンによる追撃が行えるなら貫通

といった具合に、ギミックのコンボの中で、苦手としていた手札誘発を貫通する展開を手に入れたのです。

また、2体目の融合をサイバーツインドラゴンにすることで、21ラインを意識した並び(例としてはブラックマジシャン戦)をぶち抜いたり、手順にサイバードラゴンを1枚足すだけでサイバーエンドドラゴン+ランページの盤面でウィンダからの精霊獣騎ペトルフィン(守備力2800)をケアした殴りきりが可能となるなど、コンボの条件が簡単ながら展開自体にも応用が効きます。

更に融合素材が除外されることから、サイバーロード・フュージョンで除外ゾーンの全てのリソースを回収しながら素材6~10あたりの超大型キメラテック・オーバードラゴンによる打点確保も行えるため、リソースをオールインする展開にも関わらず、展開後のトップの受けもそこまで悪くありません。

お互いに利用可能な効果であるため、不要と判断できたタイミングで、ランページで割ってしまえば悪用されることもなく安全です。

ただのオーバーキルに留まらず、タイトな勝ちと楽な勝ちの両方に貢献するため、構築内に必須であるカードといえるでしょう。

非常に有用なカードですが、主な仕事が後手であること、重なっても仕事がないこと、構築内に必要な上振れ要素であることから1枚のみの採用です。

新リミットの施行後はフュージョン・サポートと並んでキーカードとして複数の採用が出てくる可能性はあります。

・コズミック・サイクロン(超必須)

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名誉サイバードラゴン枠。しかし、その中でも最強の1枚。
バックを除去しながらついでのようにプロトが生えてくるのは相手からしたらたまったものではないでしょう。
実はランページへの妨害に弱いサイバードラゴンの強さを支える影の立役者です。

フュージョンサポートと並んで自発的にライフを減らしやすい要因であり必要ならば自分の盤面も対象に取ります。

もちろん3枚採用。

・エネミーコントローラー×2(半ば必須)

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研究が進んだ結果、サイバードラゴンのリミット2枠に定着したカードです。

サイバードラゴンはギミック内で広い範囲の攻め手と耐性を持っており、フローによる破壊、ランページ、コズミックによるバック除去、ゲート展開による誘発ケアがそれらにあたります。

つまり、ギミック内で大半のことには対処が可能であるため、これらの要素でケアできない範囲を外部要素で補おうというのがサイバードラゴンの構築指針となるわけです。

対策できない筆頭が

・高い打点or守備力
・破壊耐性

の2点であり、それらにはエネコンのどちらかのモードを有効に使うことで突破が可能です。
特に「サイバードラゴン」ネームを持つカードをコストにエネパクを行い、墓地に落ちたそれらをコストにフローを発動、といった形で有効利用することができれば最高です。

特にコアとの相性は非常に良く、ヴェール、デモチェのような無効を掻い潜りながらコントロール奪取を行ったり、相手ターンにコアをコストにエネパクで延命した後、墓地効果で「サイバードラゴン」ネームをフィールドと除外に2体揃える、といった芸当も可能となっており、ただの汎用枠には留まらないシナジーの高さを見せます。

単体で機能する防御枠としても優秀であり、ライフ調整にも一役買います。

数あるリミット2の中でもデッキと抜群に相性のいいカードではありますが、扱いが難しかったり、刺さる範囲が限定的であることも相まって構築から外すことも視野に入れることができるカードではあります。

・深淵の指名者×1(半ば必須枠)

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名誉サイバードラゴン枠にして最強の単体除去。
サイバードラゴンデッキにおいては非の打ち所のない除去であり、エネコンでの処理ができないコキュートスや、ギミックでの処理が難しい破壊耐性持ちの処理に使います。

しかしながら、エネコンよりも対面を選ぶ上に先手での浮き方が激しく、環境で明確に取りたい対面がないなら他の汎用テックカードと枠を争うカードでもあります。

現状は対不知火で弩弓部隊をケアして展開を行えるカードであることや、ウィッチクラフトのマスターヴェールを処理するためにも1枚は必須な枠であり、2枚目以降を他のテック枠と相談して取るのがベストだと感じています。

・各種融合体(超必須)

ゲート展開に用いることを考えれば、ランページ×2、ツイン、エンド、キメラテック・オーバーの5枚は確定。
残った1枠をランページの3枚目、ツインの2枚目、ベアサイクロイド、その他好きなカードで争う形になっています。

6枚目のカードに関しては数百戦する中で、そのカードがあれば取れた試合が1試合出てくるといった具合になるので、個人の好みで決めてしまって構わないと考えていますが、いざ、その時に後悔しないで済むように使えるカードを入れておく方が無難でしょう。

各種カードの使い方は上述のカードの説明でおおよそ把握できていると思われるため省きます。

その他のテックカード枠

ここまでテンプレとされているサイバードラゴンデッキの採用カードとその理由について解説を行ってきましたが、ここからはその他の選択枠について、解説を行っていきます。

テンプレ構築から、フィーア×1、エネコン×2、深淵×1、フロー×1の5枠と枠の取り合いを繰り広げるカード達です。

・デモンズ・チェーン

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苦手な破壊耐性持ちを無力化してからフローでの処理する、フローと並んで妨害に使える、苦手なウィッチその他の相性を改善する、相手の攻撃にあわせてライフ調整を行うなど、非常に小回りが利くカードです。

特に先後の差が出やすいじゃんけんマッチをイーブンに引き戻しやすいのは他のカードにはない評価点となるでしょう。

ラグから妨害が読みにくいことも強く、採用が増加している1枚です。

・波紋のバリア・ウェーブフォース

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「King halo氏」主催の暴言杯に単体で出場できるカード、暫定ナンバーワン。
フローの存在からバックが割られにくく、前面の防御が薄くなりやすいサイバードラゴンでは本命として機能しやすいカードです。

対サイバーにおいて、「スキルを考慮して不要な殴りを避ける」がセオリーならば、殴ってくるときは全力フルパンになりがちなのは自明の理

バックを除去できないデッキは大きく踏むため、認識されていなければ1枚でマッチ相性を改善できます。
ライフ調整にも最適

・クリボール

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ミラーマッチを中心にライフ調整をしながら耐えられる手札誘発です。
雑多な相手と打ち合う想定のラダーやKCでは有効かもしれませんが、大会環境では個人的には評価は高くありません。

サイバーミラーでゲート展開からワンキルを目指す際は、ボールを意識してツインでフィニッシュを狙うと、ワンキルが失敗したとしても返しに生き残りやすくていいと考えています。

このように、ライフ調整を行いつつ防御や相性改善が行えるカードをテックカード枠に選ぶのが良いでしょう。

サイバードラゴンの各対面毎のプレイ

・ミラーマッチ

基本的に手札の質が良かった側が勝ちますが、コズミックの使いやすさとワンキルによるゲームセットを望めるため、後攻が若干有利です。
この対面ではミスをしないこと、及びスキルとプロトをいかに残せるかが最重要となります。

・安易にコズミックの的を伏せない
・フィーアセットでターンを買う
・オーバフロー直撃で負ける盤面を作らない

これらを重視するべきでしょう。
特にフロー直撃のケアとして、下級モンスターでプロトを掃除する構えを見せてフローを開かせる、フローで破壊された墓地のカードをフュージョンサポートを用いて融合素材にして追撃を行う、といった形でケアが可能です。

また、プロトが墓地では「サイバードラゴン」ネームにカウントされないこを意識して、積極的に除去しに行くのも重要です。
同様の要領で相手のフローに自分のフローを被せてプロトを処理することでこちらの被害を軽減できます。

・不知火

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先手は五分から微有利、後手は不利です。

レベル上昇からの炎神-不知火が厳しくなるため、シンクロ素材が揃った段階で除去を行う必要があります。
そのため、先攻でコアからサーチする優先度が高いのはフローです。

後手は炎神-不知火が定着してしまった場合、エネコンか深淵による突破しか行えなくなります。

炎神以外にも、墓地シンクロからのアンデットスカルデーモンでフローが無力化されてしまうなど、ギミック勝負を行うと分が悪いため、外部要素を引けていないならば早期決着を目指します。
デモンズチェーンの存在がマッチアップ相性を改善するでしょう。

エネコン+コアの組み合わせで相手の強い動きを封殺できるため、バック除去に余裕があるなら、コアからフローでなくフュージョンをサーチするのも良いでしょう。

・ブラックマジシャン

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先攻ガン有利、後攻不利です。

相手からワンショットが飛んでこないため、先手でフローをサーチする必要がなく、サポート+サイバー流奥義でランページの構えを取ればほぼ間違いなく勝ちます。

ランページでの勝ちをより確かなものとするために、黒の魔導陣には、「一切妨害を当てない」ことを意識しましょう
陣で魔法罠ゾーンが1枠埋まるため、残った2枠に伏せられたカードをエンドフェイズにランページで射貫いてゲームセットです。

後手はブラマジの動き次第ですが明確に不利です。

ブラマジ側がナビゲートからブラマジなどを守備表示で出すと、ランページでのワンショットが成立しないため、相手のボードリソースを削り、キルラインをちらつかせるためにサイバーツインドラゴンによる攻撃が基本となります。

しかし、ブラマジ側に因果切断があると、ツインによる攻撃は通らず、フローのコストも捻出できないために敗着が濃厚になります。
相手がナビゲートを起動できる状態なら腹をくくって飛び込むしかありませんが分の悪い勝負です。
因果切断さえなければ後手でも微有利から五分です。

・水晶

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先手微不利から五分、後手ガン不利です。

水晶側の練度、及び、サイバードラゴン側がどれだけ外部要素を引き込めているのかの勝負です。
アメトリクスによるバトルフェイズスキップが非常に重くなるため、仕掛けるならば1ターンでゲームを決めなければなりません。

エネコン、深淵、フローなどを用いて相手のシンクロを妨害し、無理やりワンショットを目指します。
デモンズチェーンはここでも有用です。

・BF

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先手五分~微不利、後手不利です。

先手はフローを優先して構えますが、ゼピュロス、クリスがフローの影響を受けにくいため、致命傷になるかは運次第です。
後手ではライキリ+チドリが並んだ試合はほぼ間違いなく負けます。

基本的にこのマッチアップはBF側のハンドの質によって結果が左右されるため、サイバードラゴン側が介入できるポイントはそこまで大きくありませんが、デモンズチェーンで先後の相性差を改善できる目があります。

サイバー側が先手で、相手がシムーン以外の入りをしてきた場合、エネパクで1ターン動きを封じることができます。
薄い勝ち筋ですが積極的に拾いましょう。

・ウィッチクラフト

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先手は微不利、後手は不利からガン不利です。

基本的にサイバーが先手を取ることが重要となります。

場のマスターヴェール+墓地のマスターピースの合計マスターヴェール2体分を突破する必要があり、デッキの外部ギミックを合わせてエネコン、深淵、フローの中から解答2枚を引き込み適切に当てる必要があります。

マスターヴェールが最も厄介なのはフィールドのモンスター効果を無効にする効果でサイバードラゴンがフィールドに存在しない扱いになり、フローが不発になりやすいところに原因があります。

そのため、サイバードラゴン側は先手で予めランページを融合召喚し、墓地にフローのコストをストックしておくことが重要となります

立ち回りが苦しくなり今後、使い手の練度も上がり続けると明確に苦手マッチアップとなるでしょう。
デモチェはボードからフローのコストを供給する観点で有用です。

・霊獣

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先手、後手ともに不利です。
ウィンダの耐え性能が高すぎるため、サイバー側に求められるものがどうしても多くなります。

ウィンダから直接融合ペトルフィンを出してきた甘えた輩はエネコンの表示形式変更効果でサンドバッグにすることで、1900+2100のワンキルを取ることができます。

・HERO

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後攻有利です。
サイバー側が先手の際はマスクの当て先となるカードをフローで飛ばしてお祈りします。
コズミックをケアしてフローを複数枚用意したい対面の筆頭です。

・ES

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先手ガン有利、後手有利です。

コキュートスの成立にだけ気を付けてワンショットを狙いましょう。
クリボールが標準搭載されているため、下級で殴ってラグを確かめラグがなければ追撃、あったらフローを構えたままターンを返す、といった風にデスティニードローを使わせないままにゆっくりとしたゲーム展開ができれば理想です。

ゲート展開の際はセットのラパウィラをケアしてツインで殴るべきです。

サイバードラゴンに学ぶ強いデッキの条件

サイバードラゴンはお先最強の運だけデッキであるという誹りや、だれでも簡単に勝てる猿デッキであるといった評価を受けがちなデッキですが、個人的には運に偏ったデッキであるとは全く考えていません。

確かにゲームが決着するまでの時間はその他の環境デッキとしても格段に速いですし、先攻コア+フィーアからのフロー→フュージョンといったハッピーセットが揃ってしまえば簡単に勝てるのも事実です。

しかし、サイバーは苦手な対面もしっかり判明しており、対策も知れ渡っているにも関わらず、依然として安定して高い勝率を叩き出しています。
常にブン回っているなんてことは現実的にあり得ないため、ここには運では片づけられない要因があると考える方が自然でしょう。

それでもなお、

「サイバードラゴンは常にトップ解決するしかないデッキだ」
「サイバードラゴンが常にトップ解決してきて腹立たしい」

こういった認識の方がいらっしゃるならサイバーというデッキに対する認識が甘いと言わざるをえません。

サイバードラゴンは他のマナゲーで例えるならば、バーン要素も持ったアグロデッキです。
盤面からのクロックに限らず直接火力もあり、半端な守りでは受けきれないような確かに強いアグロです。
しかし、このデッキは初手の段階から決着までの道のりが全て見えているのでしょうか?

直接火力を持ったアグロデッキを使った経験がある方なら既にお分かりのはずですが、大半の試合でそんなことはありえません
確かに初手で勝利が約束されているかのようなハンドに見舞われることはありますが、大半はゲームの中で引きと相手の立ち回りに合わせて勝ち方を修正していく必要があります。

時には盤面が完全に制圧されてしまい、トップから特定の火力カードを引き当てるしか勝てないような場面も訪れます。
そして、ここではトップから火力を引き当て勝利したと考えましょう。
この時にその特定の火力を引いて勝てたのは運によるものでしょうか?

私はそうとは考えません。
アグロ側は勝ちの受けが広い方に常にゲームを進めたいですが、時には狭い勝ち筋だとしてもそこに突き進むしかない時があります。
その結果、普通にゲームを進めては間に合わないと判断して、ここから数ターン以内にトップから火力を引けば勝てるように強引な攻めを行なった結果、盤面が制圧されるものの火力が間に合い削り切った、といった試合は起こり得るからです。

しかし、ここにも条件があります。
こういったデッキが安定して勝つためにはデッキ内にトップの受けがどの程度存在し、それはゲームプランになれるほどの確実性があるのかという最低限の判断基準を満たしていなければ、正しいプレイにはならないからです。

話をサイバードラゴン側に戻しましょう。
サイバードラゴンとトップ勝負になって負けた時に、本当にそのカードでなければ生まれない負けだったのかを考えてみましょう。

多くの場合、サイバードラゴン側はタイトな試合になった時にトップデッキの受けが広くなるようにプレイしているはずです。

強いデッキの条件の1つにトップデッキの受けの広さが挙げられます。
強いデッキはトップの受けが広いため、何を引いても強い、といった場面になりやすいです。
傍目には特定のカードを引いて勝利したように見えても、別のカードでも同じく勝利していた、という事実が存在することもあります。

例として、融合さえできれば勝利できる、という場面でサイバードラゴン側のデッキにはコア×3、フュージョン×3、フュージョンゲート×1の7枚が最大でトップの受けになりうるわけです。

サイバードラゴン・コアの存在がギミック内の解答数を実質的に倍増させているため、サイバードラゴンはトップ合戦になった時、他のデッキと比べても解答枚数が多くなりやすいデッキです。
これがサイバードラゴンの強みであり、必要ならばトップデッキ前提のプレイも正当化されます。

具体的には先攻でフローを構えて、相手の猛攻を凌ぎ、融合にアクセスすれば勝てる、といった場面ですね。
サイバードラゴンはトップデッキ合戦に強いため、リスクを負ってでもそのターンを凌ぐことに集中することも長期的には正着になります。

つまり、重要なのはサイバードラゴンとトップ勝負になった時点で、その勝負は五分ではなく、サイバードラゴン側に有利なゲーム展開であるということです

また、トップ勝負に強いデッキであるという前提の上で、なおトップのドローに頼らないゲームメイクをするべきなのかを判断する必要も多く発生します。
具体的には、先攻のコアでサーチしたい候補が複数ある場合です。
具体例を挙げてみましょう

これは私の実際のポイントバトルにおける体験談です。
相手はデッキ枚数20枚の不動遊星、こちらはサイバードラゴン先攻。
初手はコア、コズミック×3。
この時に一体何をどういった意図でサーチしますか?

予め述べておきますがこの問題に正解はありません
相手のデッキと動きが確定できない以上、どの選択肢も結果論にしかならないからです。
今回重要なのは、サイバードラゴン側は常にこういった選択肢を持ちながら1ターン目をプレイしているということです。

結論からいうと、私はサイバーロードフュージョンをサーチしてコズミック3伏せでターンを返しました。
仮に相手が不知火だった時には凄まじい裏目ですが、フローをサーチして除去を行ったとしても、一度のトップ勝負で解答を引けなければ負けが見えるため、見えている範囲での最大値を狙った形です。

結果として相手は絆ブラックマジシャンであり、コズミックで安全にターンを買い、勝利することができました。
これが良い選択肢かと言われるとまた悩ましい話ですし、同じ場面でもかかっているものが違えばプレイを変える可能性もあると感じます。
しかしながら、ひとまず、トップをプランに含めるのかどうかも重要な要素になりうるという一例です。

短期決戦で味わえる体験

サイバードラゴンの試合時間は短いです。
1試合5分に満たないような速さ、往復1ターンで決着がつくこともざらにある世界です。

しかし、その試合の中には非常に濃縮された経験が詰まっています。
それはさながら、ドラゴンボールの世界における精神と時の部屋のごとく、短い時間で他のデッキでは味わえないような量と質を兼ね備えた経験を積むことができます。

私は初手のサイバードラゴン・コアのサーチ先を選択することに60秒ほどを費やすこともざらにあります
なぜなら、サイバーが試合に使える時間は本質的には短く、1手間違えてしまえばそれだけで敗着しかねないシビアな場面が1ターン目に訪れることが多いからです。

それならば、自分に選択肢があって唯一自由に時間を使えるタイミングで最大限時間を使って勝率の改善に努めた方がよいと考えているからです。
60秒あればサイバーなら試合に勝利できるため、余った時間は有効に使うべきでしょう。
これも速いデッキならではの魅力です。
(そのせいで株主総杯の決勝では配信者の「King halo」さんに観戦バグのケアを2度もさせてしまったことを心苦しく思っています。)

まとめ-高速の世界だからこそ

これまで何度も述べたようにサイバードラゴンの試合はあまりにも短く速すぎます。
しかし、そんな高速の世界だからこそ、そこでしかできない駆け引き、経験が存在しました。

短い期間ではありましたが、全盛期のサイバードラゴンを扱うことができたのは非常に有意義な経験となりました。

冒頭でも前回の記事でも述べましたが、私がサイバードラゴンを使い始めたのはKCGT2次予選の前日であり、完全に素人の状態からKCを走り始めました。

これまで堕天使、ESと比較的長めのゲームを行うデッキを扱っていた身としてはKC中の時間経過の短さや、経験値の蓄積スピードに大きな差があり、非常に驚いた思い出があります。

KCを走り続ける内に、その濃密な時間効率の良さと、デッキ自体のパワーに自分自身のプレイング精度も急速に引き上げられていくのを感じた時、このデッキを選んで良かったと感じていました。

KCGT後からはチームに所属したことで、積極的に大会、イベントに参加するようになりましたが、その時に最も信頼して送りだせたのはやはりサイバードラゴンでした。

本当に短い期間でしたが、サイバードラゴンと共に非常に充実した1か月間を過ごせたことをいい経験値として活かせるように、今後も自分なりのペースで活動を続けていきたいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

ここから先は来期のサイバードラゴンに関する展望です。
この記事からサイバードラゴンに興味を持ってくださった方の参考になれば幸いです。
また、純粋に文章への投げ銭として有料部分を購入してくださるとしたら、これほど嬉しいことはありません。

それではひとまずここまでお付き合いいただきありがとうございました。


追伸
そろそろデモチェを当てたいです。


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